人にどう思われてるかが気になることってありませんか。
「わたし、薫ちゃんに嫌われてると思ったわ。」
まさかそんなことを言われるなんて、当時の私は夢にも思ってなかったのです。
これは私が、カウンセリングサービスの母体である「神戸メンタルサービス」主催のヒーリングワークというセミナーに通い始めた頃の出来事です。
ヒーリングワークは100名以上の参加者がいます。
8〜10人程度のグループに分かれてグループ単位での実習もやります。
その日もグループに分かれ、まず初めに自己紹介をしました。
そのとき私は、一通りの自己紹介が終わるあいだ、殆ど下を向いていたのです。
理由は忘れてしまったのですが、落ち込んでいたんだと思います。
その後すぐにお昼休みになり、ランチをするためにグループ単位で会場の外に出ました。
お店に向かって歩いていくと、グループの女の子が私に声をかけてくれました。
そしてこう言ったのです。
「ずっと目を合わせてくれんかったから、薫ちゃん、私のこと嫌いなんかなぁって思ったわ。」
「え!?」
するともうひとりの女の子が
「わたしも〜」
と言ったのです。
「えーーーーー!?」
なんでそんな風に思うの?
そんなわけないやん!
私が嫌われるのならともかく、初対面のあなたたちを嫌う理由がないっ。
もうそれは軽い衝撃でした。
そもそも「嫌われるっていうのは私の専売特許やん」くらいに当時の私は思っていたからです。
人にどう思われるかが気になる、というご相談は、カウンセリングの中でも比較的多い案件です。
見た目や話し方が気になる、ちょっとした振る舞いを他人に変だと思われないか、間違ってると思われないか等々、自分である程度こうなんじゃないかと推測される方が殆どです。
その多くは、自分で自分の見た目を嫌ってたり、話し方が嫌いだったり、という場合が多く、自分が嫌いな部分だから相手も嫌いに違いない、と思い込んでいることが多いのです。
私もそんな一人でした。
でも、まさか私が落ち込んだ態度を見て、「私に嫌われてる」と感じてる人がいるだなんて、夢にも思わなかったのです。
私は落ち込んでただだけ、ずっと下を見てただけなのに。
あ、だからといって、「落ち込んだ姿を見せてはいけないんだ」と言いたいのではありません。
相手もまた、下を向いていた私を見て「私は嫌われてるんじゃないか」「きっと私が嫌いだから目を合わせてくれないんだ」と感じるんだと気付いたということ。
それは、人にどう思われるかが気になって推測ばかりしていた私が、実際に人がどう思ったのかを知った瞬間だったのです。
まったくの想定外でした。
すると、新たな疑問が湧いたのです。
ということは、私は今まで、相手が何気に取っていた態度に、「嫌われてるからじゃないか」「変に思われてるんじゃないか」と“勝手に”思い込んでいたのかもしれないなと思ったのです。
それは、もつれた糸が少し解けていくような感覚でした。
おそらく、ヒーリングワークに参加する以前の私だったら、誰かに「嫌われてると思った」と言われたとしても、「何言ってるの?この人」くらいにしか思わなかったかもしれないなと思いました。
だけど、自分を癒していくうちに、少しずつですが心に余裕が出来たんだと思います。
だから「私のこと嫌いなんかなぁって思った」と言われた言葉があのとき引っかかったんだと思います。
この頃あたりから、「あ、私って人が怖かったんだ」「幸せになってはいけないと思ってたんだ」等と、ひとりではなかなかわからないことに、少しずつ気付いていったのです。
落ち込んでずっと下を向いている態度は、傍から見たら壁を作ってるようにしか見えなかっただろうなと思います。
私はグループのみんなを嫌ってるつもりはない。
でも、好意的な態度には見えなかったと思います。
あれじゃ誰も私に声をかけにくいよなぁと今なら思います。
にもかかわらず、「私のこと嫌いかなぁ」って思った人に声をかけるなんて、その女の子はすんごい勇気があるなぁとずいぶん後になって気が付きました。
でもそのお陰で誤解が解ける体験をすることが出来たのです。