私たちは、生きているうちに、何度も何度も、失敗したり、嫌な思いをしたり、挫折したりします。
すると、こう思います。
こんな自分を変えたい。
今の自分だから、こんな目に遭うのだと感じれば、違う自分になって、こんな思いをしないように、成功するように、うまくいくようにと願うものです。
そして、同じような目に、すでに何度も遭っているということも、実は少なくありません。
同じパターンをすでにお持ちの方も、たくさんいらっしゃるのです。
すると、今度こそは、これで最後にしたい。
もう同じことを繰り返すのは嫌だと思われるに違いありません。
カウンセリングでお伺いする場合も、是非とも、これを最後にしていただけるよう、私たちカウンセラーも力を尽くそうと思うのです。
今日は、「変わりたい」と思う時、どんな順序で、どんなことをしていくといいのかについて、書いてみたいと思います。
お役に立てれば嬉しいです。
■似たような問題が起こる時
私たちは、問題を起こそうと思って、問題にぶつかるわけではありませんよね。
問題なんて、ない方がいいんです。
ところが、問題というのは、どこか似ていて、どうしていつもこうなるんだろうと頭を抱えることが多いものです。
私たちは、そうしようとしているわけではないのに、「つい」そうしていることがあるようなのです。
無自覚にやっていること、言っていること、していないことなどなど・・
例えば、非常に頑張り屋さんで、ハードワーク。
いつも身体を壊して、休職し、やがて退職。また就活して転職を繰り返しているAさん。
だんだん、転職スパンが短くなっているとお悩みでした。
Aさんが、身体を壊すほど働いてしまうパターンがあるようです。
そして、聞けば、NOと言えず、次々と仕事も、さまざまなお誘いも断ることが、とても苦手。
手一杯であっても、気乗りがしなくても、つい引き受けてしまいます。
友人の悩み相談にも、つい乗ることが多く、休日にはゆっくり休みたいのに、何時間も友人の電話にうなづく、もしくは、どこかに呼び出されて、休日がつぶれる・・なんて日常を送っていらっしゃいました。
そして、いつも疲れていて、いつも似たような状況で苦しくなってしまうことに、うんざりしていらっしゃったのです。
似たようなパターンをお持ちの場合、
「そのやり方にちょっと問題ありですよ。」
という宿題が出ている時なのです。
でも、宿題をきちんと解くところまでいかずに、やり過ごしてしまうと、宿題は、次の機会まで持ち越されるんです。
そして、また似たような状況になって、困った!となるのです。
それは、宿題の答えを出すまで、何度でも出てきます。
なぜなら、その宿題を解くことが、これからの人生に非常に役に立つし、それが必要になるからのようです。
宿題を後回しにすると、ぐるぐると堂々巡りとなり、まことに厄介なのです。
■無自覚を自覚する
パターン化したことというのは、「あーこれ、知ってるー」みたいにすでに何度かお目にかかった状態のはずです。
問題も似ていれば、問題になる前の状況や、ご自分の言動も似たようなものであったはずです。
Aさんのように、いつも「つい」引き受けてしまうパターンがあるように、無意識に「つい」やっていることが、問題の原因になっていることが少なくありません。
気がつけば、手に余る量のあれこれを引き受けてしまっている・・
そんな無意識の「つい」をまずは、自覚するところからスタートしてみましょう。
相手が困っていると
相手にはっきり頼まれると
相手が忙しそうだと
などなど、「つい」引き受けてしまうパターン。
「つい」をやめるには、まず自覚するところから。
まだ、やめられなくっても大丈夫ですよ。
「あ、今、引き受けちゃった」
「いいよって言っちゃった」
「ほんとは、いやなんだよね」
「相手のこと気の毒って思ったな」
「つい」をその瞬間、その瞬間で自覚できるようにしてみましょう。
とてもたくさんの「つい」があるはずです。「NO」を飲み込んだ自分をみつけてあげる作業です。
■気づくと止まる
Aさんは、いつも真面目で一生懸命。
そして、誰かがハッピーなのが大好きです。
困っている人をみると、心配しちゃうし、何かお役に立てるかなと思うとのことでした。
だから「つい」、困っている人を自分のしんどさよりも優先しがちです。
でも、それがずっと続いていたら、疲れを癒す場所も時間もなくなってしまいますよね。
まずは、「つい」に気がついてみることは、その先へ行くのを止めてくれます。
困っている自分をちゃんとみつけられるのです。
気がつかないと、Aさんは、どんどん引き受けてしまうでしょう。
でも、気づくと「ちょっと考えさせてね」「予定みるから、時間ちょうだいね」って、余裕をつくることができるでしょう。
■新しいやり方を試してみる
「つい」頼まれごとを引き受けてしまう、「NO」と言えないこと。
これを、
頼まれごとを引き受けない、「NO」と言う。
にするのは、とてもむずかしいものです。
そんなに簡単にできるものではありません。
頼まれごとだって、本当は引き受けたくないんですものね。
でも、ずっと長い間、断れなかったのです。
そんな方が、急に真逆のことをするなんて、とてもとても難しいはず。
新しいやり方に、シフトチェンジするのは、うんとゆるやかにしましょう。
ハードルをうんと下げて、小さなことから、簡単なことから、少しずつチャレンジすることが大切です。
勇気がいると思います。
でも、これまでのやり方を、自分を変える、小さな一歩です。
まず踏み出してみましょう。
■自分でないものにならない
自分を変えたい、変わりたいと思っても、自分でないものにならないでください。
あなたは、あなたです。
やり方が新しくなるでしょう。
行動が少し変わることになるでしょう。
でも、自分でない誰かになろうとはしないでください。
あなたは、どこまでいっても、あなたです。
昔も今も。昨日も今日も。
欲しいものを欲しいと言えたり、嫌なものは、要らないと言ってもいいという、あなたらしいやり方になっていく道です。
少しずつゆるやかに、新しいやり方を取り入れていくと、あなたの周りにいる人たちが、変わっていくかもしれません。
疎遠になる人もいるかもしれませんが、気の合う人もやってくるでしょう。
交友関係がゆるやかに変化していくはずです。
一番新しい、あなたらしいあなたに、ぴったりと合うものです。
どんどん自分になっていくプロセスとなるでしょう。
そして、そんなあなたを応援する人がいることにも、是非気づいてみてください。
感謝できることが力になります。
内から湧く勇気となるでしょう。
最後までお読みくださって、ありがとうございました。
変わりたいと思うあなたを応援していますよ。一緒に学び、進んでまいりましょう。