ビジネスが多様化している事や、様々な新しい職業が生まれたり消えたりしている事は、すでに何度か書いた事がありますし、書かれるまでもなくわかっている事ではあると思いますが、今回は適応の話です。
つまり、ビジネスとはそもそも誰かに必要とされるから成立しているのであり、時代や環境の変化で「必要とされるものごと」が変わった場合、ビジネスの方もなんらかの変化をしていく必要に迫られてきます。
たとえばカウンセラーという職業も、比較的近代にできた職業であり、50年前どころか30年くらい前まではほとんど普及していなかったと思います。
おそらく、戦争や貧困などの深刻な問題がある時代には、「悩みがどうとか、そんな事を言ってる場合じゃない、とにかく生きるのに精一杯」という状態なので、カウンセラーという職業は成立しないかと思います。
しかし、ひとまず生きる事は問題なくなったけど、どう生きたらいいのか、人生についてみんなが深く考えたり、悩んだりして、「お金を払ってでも人生をもっと良くしたい」と思えるようになってきた頃に、カウンセラーという職業が生まれたような気がします。
という事は今後もし、「みんなが理想の人生を生きれるようになった」とか、「問題解決の方法を、それぞれが自分でできるぐらいの知識を得た」とか、「カウンセラーよりもっと優秀な答えを出すAIが開発された」という事になってきたら、カウンセラーも減少、もしくは消滅するかも知れません。
サービス業と呼ばれるような、人との関りや満足感に関する職業は機械やAIに成り代わりにくいので、まだ比較的変化を受けにくいとは言われていますが、時代は常に変化していくものなので、多少なりとも影響は受けていくかと思います。
ましてや、物流や生産などに関する部分ではもっと大きく影響を受ける仕事も多いと思うので、そういった職業であればあるほど、「今の時代にどんな事が求められているか、どんな事が不要になってきているか」という事に、柔軟に変化していく事が求められてくるかと思います。
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そんな中、時代の変化の中でも大きな割合を占めているのは、情報と通信技術の変化かも知れません。
5Gという言葉もあるように、ほんの20年少々前までメールや携帯電話すらそこまで一般的でなかったものが、ガラケーからスマホ、様々なアプリなどに進化を遂げて、更に新しい時代へと進んでいくのも時間の問題なようです。
これだけの技術と情報量の進化があると、たとえ同じ仕事だったとしても、全く同じ形式で進めていくというのは、難しくなってくるかも知れません。
同じことを続ける事になんの不具合もなかったとしても、顧客や世の中の側が、「え、今時こんなサービスもやっていないんですか」と感じてしまうと、「じゃあ別の所にお願いします」という風に、「より便利で満足度が高い所」に顧客が流れていってしまうからです。
もちろん、中には「うちは昔ながらのやり方でやっていますんで・・・」という所もあっていいでしょうし、それを求めて来るお客さんがある程度の数確保できれば、むしろ貴重な存在として生き残っていける事もあると思います。
しかしそれには強い個性や高いレベルの能力が求められるので、飽くまで少数派にはなります。
大部分のお仕事や事業などは、より新しい時代に沿った、他所がやっていないような便利な方法や新しいサービスを、顧客のニーズに沿った形で提供していく、そしてそれを常に変化させていく・・・という、大変難しい事をやっていく必要があるかも知れません。
「昔ながら」でやっていきたい人には難しい事かも知れませんが、少しの工夫でお客さんに喜ばれるサービスを提供できる事もあると思うので、少しだけ柔軟な目線を持てると、自分でも思わなかったような大きな成果を得られる事も、十分にあるかと思います。
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最後に、みなさんがこのブログを読んでいる頃にはどうなっているか分かりませんが、現在、世界規模でのウィルスの感染や、その拡大防止について様々な議論がなされています。
それによって、仕事の継続が難しくなったり、もしくは不可能になってしまった人も少なくないと思います。
多くの人にとってこれはネガティブなニュースかと思いますが、こんな状況でも人は何かを求めるし、それに応えられるビジネスは成功するでしょう。
人と会うのが難しい状況が現れたら、「人と会わなくても成立するビジネス」は今までよりも成功する可能性がありますし、「人と会わないと成立しないビジネス」は、なにか代替案を求められるかと思います。
方法も様々で、「人と会わなくても成立させられるようにする」のか、「今までよりは数は少ないけれど、貴重な機会を提供できるようにする」のか。
ビジネスとは、どんなに時代が変わっても、世の中が乱れても、飽くまで「人ありき」のものだと思います。
新しい時代がきた時に、人が何を求めるのか。
世の中が乱れた時に、人が何を求めるのか。
そんな目線を、みなさんのビジネスにも少し取り入れてもらえると、きっとよい結果が生まれるのではないかと思います。