片づけに取り組めない心理的理由と手放したい心のクセ
「片づけたい」と思っているのに片づけに取り組めない理由に、「きちんとすべき」「面倒くさい」「気力がない」「時間がない」「何から手をつければいいかわからない」「できるはずなのに」があります。これら6つの理由から、その人が持つ心理パターンと、手放すとうまくいく心のクセを解説します。
***
「片づけたいのに片づけられない」と思っていませんか。
よく「部屋は心の状態をあらわす」と言われます。片づいていない部屋に居るとイヤな気持ちを感じるでしょう。「やるべきことをやっていない」先延ばしはストレスになります。自己嫌悪や罪悪感や無力感を持ち、「自分はダメ」と自分を責める原因にもなります。
心理的には、自分にイヤな気持ちを感じさせることに慣れている心の状態があるわけです。「自分にいい気分を感じさせよう」と自分が幸せを感じやすく変化していくと、片づけもしやすくなるでしょう。
では、片づけに取り組めない時、どんな心のクセを手放したらいいのでしょうか。片づけに取り組めない理由ごとに紹介します。
●完璧にしなければならない
片づけられない人は一見ズボラに思われがちですが、心理的には真逆の完璧主義な人が多いです。完璧主義さんは完璧にできることは完璧にやりますが、完璧にできないことは一切やらない傾向があるのです。
「きちんと」「ちゃんと」「しっかり」完璧に片づけなければならないと思っていると、ものすごくがんばらなければいけないように感じます。完璧に片づけるためには、「まとめてできるときに片づけよう」などと後回しになるわけです。
完璧主義ゆえに「完璧に片づけなければならない」と自分にノルマを課しているのなら、「少しでも片づけられたらいいな」の努力目標に緩めていくといいでしょう。「ちゃんとやらなければならない」を手放して「ちょっとだけやってみよう」に変えてみましょう。
●面倒くさい
面倒くさいが理由になる人も、やらなければならないことが多くて面倒になる完璧主義の面があります。また、「人からやらされている」と不満や怒りがあるときも面倒に感じます。
このタイプは「自分がしたいからする」と思うと行動しやすいです。あれこれやらなければならないと抱えているものから、まず「やらないこと」を決めましょう。「全部やる」を手放して、自分の意志で「これをやる!」と決めるといいでしょう。
このタイプの片づけのコツは、自分の意志で決め、できるだけ1回で完結する分量を作業目標にすると取り組みやすいでしょう。
●気力がない
気力がないとき、表面上は何もしていないように見えます。周囲の人からも「何もしない」と言われやすいですし、自分自身も動けない自分を責めてしまいがちです。
しかし、心の中では大きな戦いをしています。「がんばろう」とアクセルを踏む自分と、「私には無理」「どうぜダメ」などと否定でブレーキをかける自分とが激しい戦いをしているのです。
このタイプはやる気がないわけではありません。自己否定が自分を止めているのです。そこで、自己否定を手放していくのが課題になります。「自分にもできていることがある」と自分自身を認めることに取り組みましょう。
また、小さなことでいいので、誰かに優しくしたり、感謝したりしてみましょう。自分をいい気分にできると、活力が湧きやすくなるでしょう。
このタイプの片づけのコツは、すぐに成果の出るものから手をつけることです。例えば、窓や鏡や蛇口などを磨くことからはじめると達成感が得やすいです。
●時間がない
もちろん、物理的に時間がないだけの場合もあります。心理的には、「私が取り組むには時間がかかる」という思い込みが隠れています。言い方を換えると、自分なりのこだわりが強いとか、頑固な傾向があります。
このタイプは、自分のやり方を手放すと新しい解決方法が見つけやすくなります。考え方や時間の使い方に柔軟さを取り入れると、うまく回りだすでしょう。
人は本当に望むもののためならば、何とかして時間を作ろうとします。例えば、片づけのために1日30分のまとまった時間はとれなくても、5分くらいを何回かなら用意できるのかもしれません。このタイプの片づけのコツは柔軟な発想です。
●何からすればいいのかわからない
「自分ではわからない」が理由のタイプには2種類あります。ひとつは、人任せで自分では決められない依存的なタイプ。もうひとつは、自分一人で何とかしようとする自立的なタイプです。
依存的なタイプの場合、かつては誰かに決められてきたのかもしれませんが、今は自分の基準で決めていいと、自分の気持ちを大切にしましょう。他人軸を手放して、「自分が決める」と主体性を持つのが課題です。
自立的なタイプの場合、自分で何とかするのはもう無理で、自分の発想では限界なのかもしれません。「一人でやる」を手放して、助けを求めるのが課題です。「自分ではできない」と認めるのは抵抗があるかもしれませんが、人を頼ってみましょう。
●これくらいできるはず
どんな人にも得意・不得意があります。苦手はあっていいのです。「できるはず」という自分への過剰な期待を手放してみましょう。「今の自分にはできない」と認めると、代わりの方法を見つけることができるでしょう。
(完)