子どものリクエストに応えるかのようにおつきあいを始めた二人
こんにちは 平です。
彼はバツイチで、息子と二人で暮らしています。
若いころ、できちゃった婚で結婚したのですが、しばらく経ち、奥さまが別の人を好きになり、離婚することとなったのです。
その際、彼はどうしても自分の子どもと離れたくないと思い、また、奥さまは新しい彼との恋に夢中だったので、意外と簡単に彼は親権を手にしたのでした。
家の近所には彼の実家があり、なにかと子どもの世話を焼いてくれるので、不自由なことはあまりありません。
彼はどちらかというと寡黙なタイプで、自立的な男性です。
しかし、息子と密接にふれあう中で、「そういえば、おれもこんなことが好きだったな」とか、「夏休みは毎日でも川遊びをしたかったものだよな」などと、自分の子ども時代の感覚をどんどん思い出していったのです。
で、「山奥に行って、川遊びをしよう!」と思いついたわけです。
息子のほうはといえば、もちろん、いまどきの子どもですから、テレビゲームなどが大好きなわけで、父親からそう言われてもあまり興味は湧きません。
しかし、自分以上に父親が興奮していて、すごく楽しみにしているようなので、渋々、つきあってくれることになったのです。
川遊び、バーベキュー、テント泊‥‥。そのほとんどが、父親が子どものころにしたくてもできなかったことを好き放題にやっているという状態です。
息子も渋々とつきあいはじめたことでしたが、体験してみるとそのすべてが楽しく、次第にアウトドアにハマるようになりました。
そして、その話を、幼稚園でそれはそれは楽しそうに話すわけです。
「今度の夏休みは、パパと信州の山にテントを持ってキャンプに行くんだ」
「川で釣りをして、その魚を焼いて食べるんだよ」
同じ幼稚園の園児たちには、それはものすごく魅力的に聞こえるようで、各自が家に帰って、「うちはキャンプに行ったり、バーベキューをしたりしないの?」と言い出す始末。
で、父親である彼は幼稚園に行くたびに、いろいろなおかあさんからアウトドアに関する質問をされるようになったわけです。
そんな中に、一軒の母子家庭がありました。おかあさんは仕事が忙しく、夏休みもまともにとれないような状態だといいます。
そこで、彼はそこの家の男の子を息子と一緒にキャンプに連れていくことになったのです。
そこからスタートした関係だったのですが、なにぶん、息子同士が仲良しなので、親同士が話をする機会も増えていきました。
そして、キャンプに連れていってもらったお礼にと先方の母親に食事に招待されたのですが、食べている間じゅう、子どもたちは「パパとママで結婚しちゃえばいいのにー!」などとそそのかします。
ふつう、再婚するときは、子どもがどう思うかを心配するものですよね。
この二人の場合はその逆で、子どものリクエストに応えるかのようにおつきあいを始め、そして、結婚することとなったのです。
そして、子ども同士が親以上に仲がよいというおもしろい状況で、幼稚園でも話題の、息の合った幸せな家族になったのでした。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!