“大人の自分”を愛せていますか?
こんにちは 平です。
10代から20代前半の人々の恋愛の特徴として、「自己表現をして、自分がどのような人間なのかをわかってもらおうとする」ことよりも、「自己嫌悪している部分をいかに隠そうとするか」に力を注ぐということが挙げられます。
自分のマイナスの部分を隠すために、寄せて上げたり、メイクの技を駆使して小顔に見せようとしたり、お目々パッチリにしたり‥‥と、がんばるわけですね。もちろん、外見だけでなく、内面についても同じです。
しかし、隠しているうちは恋愛はうまくいきません。
うまくいくかどうかは、あなたの光り輝く部分を、ほかの人にはない長所を、どれだけアピールするかにかかっているといっても過言ではないのです。
しかしながら、われわれ日本人の中には、好かれようとするよりも、“嫌われないようにしようとする文化”が根強くあるようです。
そのため、短所を隠す方法に長けている一方、自分の長所をアピールしようという発想にはやや欠けているように見受けられます。
とくに日本人に多いのが、心の奥底で「子どもの私は愛される。しかし、大人の私は醜く見られる」と思っているケースです。
無邪気な子どものような自分をアピールし、「私は有害ではありません」ということを証明しようとしたりするわけです。
私の友人の欧米の人々は、日本に来ると、「お年寄りでさえ子どもじみて見える。
なぜ、大人の自分をアピールしないのか?」としばしば言います。
大人である自分をアピールすること、それは、自分のセクシーさをアピールすることといってもよいと思いますが、欧米人の目から見ると、日本人はそれが上手ではないようなのです。
日本にはミニスカートをはいて手を振るアイドルグループがたくさんありますが、欧米人の目にそれはセクシーには映らず、自分のセクシーさをまったく知らない小学4年生の女子が無邪気にふるまっているように見えるわけです。
そんな日本人の恋愛傾向の一つとして、好きな人に「好き」を伝えるということに大きな抵抗があるということが挙げられます。
でも、「好き」という気持ちを表現できないと、恋愛が始まりませんよね。
さらに、「好きかどうか、よくわからないんです」という人も意外に多くいます。
心理的に「好きになることを自分に許可できない」ということなのですが、具体的には「親以外の人を、親以上に好きになるのはものすごく悪いことだ」と感じているということができます。
子どものときならいざ知らず、大人になったあなたが愛する人を見つけるというのはごく自然なことです。
ところが、「いつまでも、なにも知らない子どものままでいることが親孝行だ」という誤解が心のどこかにあるわけです。
あなたが“大人の自分”に罪悪感をもっていなかったとしたら、ご両親とも自分の恋愛の話をオープンにすることができるでしょう。
同時に、ご両親が愛しあい、性的な関係にあることをあなたが許可し、認めてあげることができる度合いだけ、あなたの心理的な大人度も増していきます。
思春期のころ、私たちは世の中には性的な関係というものが存在すると知ります。そして、「ゲゲッ、うちの親もしてるのか?」と思ったとき、私たちは両親からそれを心理的に取り上げるといわれています。
その代わり、あなたは両親の前では、なにも知らないウブな子どものフリをしなければいけなくなるのです。
“成熟した大人の自分”を愛せるようになった度合いだけ、あなたの恋愛は自然になり、好きな人に「好き」を伝えることの恥ずかしさや抵抗も少なくなっていくといわれます。
好きな人に「好き」を伝えるのは、なにも悪いことではありません。
なのに、そこに大きな恥ずかしさや抵抗を感じるのだとしたら、大人の自分を隠し、子どものようにふるまっているということかもしれませんよ。
あなたは、“大人の自分”を愛せていますか?
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!