職業の選択は誰にとっても人生の大きな問題かと思います。
自分がどんなことに適正があるのか、どんな事をやりたいのか。
人は生きている時間のかなりの部分を仕事に費やしますから、それが楽しく充実した時間になるのか、つらく苦しい時間になるのかは、大きな違いです。
一方、職業の選択に匹敵するぐらい重要かも知れない事に、「職場」の違いがあります。
同じ職業だったとしても、職場にいる人たちはそれぞれ違っていますし、どんな部署に配属され、どんな役職を与えられるか、そしてどんなメンバーのいるグループに参加するかによって、同じ職業であったとしても、その充実度や快適さには大きな違いが出てくる事があります。
カウンセリングでは人間関係の相談が非常に多くの割合を占めていますが、これは仕事の相談においても同様です。
職場に意地悪な人がいて困っているとか、上司があまり有能でないので尻拭いをさせられるとか、会社の方針そのものに問題があるとか。
これらは一見仕事の相談のようでもありますが、同時に人間関係の相談でもあると言えます。
やはり、人生にとって人間関係、どのような人と出会いどのように関わっていくか、というのは永遠のテーマなのかも知れません。
そんな中で、「会社の方針そのものに問題がある」とか、「自分の仕事内容が評価されない」というような問題もありますが、これらの問題はどのように解決していけばいいでしょうか。
みなさんも、自分が会社の中で十分に評価されているとか、やりがいのある仕事だと感じているのなら何よりですが、あまり正当な評価を受けていないと感じていたり、頑張っても結果が出せないと感じているような事はないでしょうか。
最初にお話したように、仕事が充実しているか、そうでないかは人生にとって大きな問題ですから、「十分とは言えないかも」と感じる人は、改めて考えてみてもらいたいと思いますし、「仕事が苦しくて仕方がない」という人は、なおさら考えてもらいたいと思います。
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多くの人は、仕事場で十分な評価や成果を得られなかった時に、「自分の頑張りや能力が足りないからだ」と考えるようです。
確かに、同じ仕事場に自分よりも頑張っている人や、能力がある人がいるのを見たら、「自分ももっと頑張らなくては」と思うかもしれません。
しかし、実際に色々工夫してみたり、頑張ったりしても、あまり目に見えた成果が上がらなかった場合は、どうすればいいのでしょうか?
個々に様々なケースがあるので一概には言えないかも知れませんが、ある程度頑張ってみても成果が出なかった場合は、個人の努力どうこうと言うよりも、「適正」や「環境」の要員の方が大きいかも知れません。
人はだれしも個人差があるので、ある人には簡単な事が、ある人にはすごく難しいという事はよくあります。残念ながら、あなたが一年頑張ってもうまくできない事を、1ヵ月とか、1週間とか、なんの苦労もなく出来てしまう人がいたりします。
もちろん、その逆もまたしかりなので、他の人に難しい事があなたには自然にできるという事もあるのですが、多くの人は「なぜ自分はこんなにできないんだ」という方に目が行ってしまい、落ち込みながらも続けてしまう事が多いです。
「こんなにできないという事は、適正がないのかな。だとしたら、もっと適正のある所へ行った方が得だな」と思えればいいのですが、「私はダメだなぁ」と思いながら続けてしまうと、自分のニガテな分野でずっと戦う事になりますから、苦しい時間は長くなってしまいます。
一方、「同じぐらいの成果を出しているのに、何故か評価されない」とか、「やればできるのに、チャンスを与えてもらえない」というような事もあるようです。
これに関しても、「同じような事をやっているのに、何故私だけ評価されないんだ」と思って落ち込んでしまう事が多いようですが、ある程度の努力で改善できる場合もありますが、それでも無理だった場合は、それはもう「仕事場が悪い」と考えた方がいいかも知れません。
残念ながら、会社というものはある種の「システム」なので、「どんなシステムが組まれているか」によって動きは全く変わってきます。
「少しでも利益を優先する」というシステムの会社なら、あなたよりほんの少し優秀な人に全部仕事を回されてしまうかもしれません。
あるいは、「人間関係を優先する」という会社なら、あなたよりほんの少し人付き合いのいい人が、全部仕事を持っていってしまうかも知れません。
そして、それは個人の力でどうこうしようと思うよりも、もっと自分の能力を活かせる場所を探した方が、長い目で見ればずっと効率的だという事は多いです。
個人的な意見で言えば、3年~5年ぐらい、ある程度頑張ってみて、それでイマイチだったら、「これはもう、自分のせいではないかも」と思ってもいいのではないか、と思います。
限りある人生ですので、「このままの状態があと5年、10年続くとしたら、それはイヤだな」と思われるのであれば、少し勇気を出して、「もっといい職場があるはずだ」と考えてみる事をオススメしたいです。その際は、ぜひカウンセリングもご検討下さいね。