私は好きな人のことを、一日中、考えていたいんです
こんにちは 平です。
ご相談におみえになった彼女は、かなりの恥ずかしがり屋さんです。
そして、自分にはなんのとりえもなければ、華もないと思い込んでいました。
「こんな自分のことを好きになってくれる人なんていない。恋愛にはまったく縁はないだろう」と思いながら生きてきたのです。
それでも、30歳を超えたころからはさすがにパートナーが欲しいと思い、お見合いパーティなどに参加するようになりました。
すると、意外にも、自分を好きになってくれる人が多いことに気づいたんですね。
といっても、「こんな自分をなぜ好きになるのだろう?」という疑いのほうが強い彼女、パーティで自分が選んだ相手とマッチングしたとしても、喜んだり、笑ったりすることはありません。
当然、相手の男性は、「僕じゃ不十分なのかな‥‥」と思い、アプローチは遠慮がちに‥‥。で、結局、自然消滅する、ということを繰り返してきたのです。
私は彼女に、お見合いパーティのマッチング・タイムに、どんなふうに自己アピールをしているかを聞いてみました。
それによると、彼女は毎回、会社の先輩に教わった方法を実行していました。
相手の男性に必ず「あなたに決めています。私のタイプなんです」とはっきり伝えるというものです。
私は聞きました。
「しかし、それを言葉にストレートに出すことは、あなたにとって、すごく恥ずかしいことではないですか?」
「そうなんです‥‥。もう、死ぬほど恥ずかしいです。でも、そうしないとうまくいかないと教えてもらったので‥‥」
私にそう答えるときですら、彼女は顔を真っ赤にし、ものすごく恥ずかしそうです。
で、ああ、これだな‥‥と私は思い、彼女にこんなお話をしました。
「男性のほとんどは、女性が恥じらいながらなにかの仕草をしたり、話したりすることを“カワイイ”と感じるものなんですよ。
とくに、日本人男性は感情を抑圧する傾向にありますから、恥ずかしいという感情も自分はなかなか表に見せられません。
そんな自分にできないことを代わりに表現してくれる女性‥‥、つまり、あなたのように恥じらいながら自己表現をする女性が男性にはとても魅力的に見えたりするのです」
「こんな私がですか?」
「そうです。あなたは真面目そうで、ウソをつくようなタイプには見えません。恋愛上手なタイプにも見えません。
そんな女性が顔を真っ赤にしながら自分に好意を示してくれるわけです。それこそ、“この娘はどんな思いで、いま、僕に気持ちを伝えてくれているんだろう”と感じ、うれしくなるのですよ」
私がこう説明しても、彼女にはあまりよく理解できないようでした。
しかし、実際、自分のやり方でモテてきたという事実があるので、「どうやら、男性たちは、その自分をカワイイと感じてくれたらしい」ということは彼女にも信頼できるようになってきたようです。
そんな彼女に、私は、これからはマッチングのお相手に、「こうしてもらうのがうれしい」とか「一緒にいられて楽しい」といったことをできるだけ伝えるようにとアドバイスしました。
さらに、彼女は「好きな人のことは一日中でもずっと考えていられる」というタイプだったので、それをそのままお相手に伝えてみましょう、ともアドバイスしました。
「そんなことを言うと、重い女だと思われてしまいそう‥‥」
「でも、そんな恋愛がしてみたいんでしょ?」
「‥‥はい」
「じゃあ、言ってみましょうよ。もし、それで重いと思うような男性なら、あなたと合わないということじゃないですか」
ということで、あるパーティのとき、彼女は自己紹介タイムに「私は好きな人のことを、一日中、考えていたいんです」と言ってみたわけです。
すると、参加者の中に「そんな女性はまさに僕のタイプです」と言ってくれる男性がいて、その彼とハッピーエンドを迎えたのです。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!