行動できなくなった自分をもう一度見つめてみよう
例えば、恋愛、結婚、仕事、夢など。諦めたいわけではないけれど、つい気持ちがついてこないことってないでしょうか。やる気を出したくても出せないときって、自分を肯定的に見つめられなくなることってないでしょうか。「分かっているけどやる気がでない」というご相談はとにかく多いのです。そこで今日はやる気を取り戻す方法について解説してみたいと思います。
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○怖れを使ってやる気を出そうとする
「もっと仕事にちゃんと向き合うべきだと分かっているんですけど、やる気がでないんです」
「結婚したいから婚活を頑張りたいと思うけど、モチベーションが保てません」
といったご相談を伺うことがあります。
実際このようなお話をしてくださる方の心のあり方を見つめていくと、実は一つの特徴が見えてきます。
それが「怖れを動機にして行動しようとしている」ということ。
それはまるで「このままじゃマズイ」「今のままでは不幸になるかも」「大変なことになる」といった怖れを自分の後ろにおいて、その怖れに飲み込まれないように必死に走り続けているようなイメージですね。
だからやる気を出して走り続けないとダメになってしまうと感じている方がとても多く、かつ、息切れしてしまってやる気を維持できずにいる方も少なくないのです。
中には「こんなに頑張ってきたのにいつまでも気持ちが楽にならない」と伝えてくださる方もいます。
このような「怖れによってやる気を引き出そうとする」ことは、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。
このように怖れを行動動機にした場合、実際、一時的にはものすごくやる気が出るものなんです。また、自分にプレッシャーを与えることは、自分の潜在能力を引き出す有効な手段です。
問題は「やる気や行動の継続」です。怖れを動機にすることが悪いわけじゃないですが、そればかり続けているとやる気が長続きせず途中で気持ちが折れてしまったり、燃え尽き感を感じやすくなるのです。
また、「やる気を出さなきゃ」と自分を奮い立たせて頑張っておられる方もいます。そのお気持ちは十分に尊重されるべきと思いつつ、これもまた「怖れ」によってやる気を引き出そうとしている状態だと見ることができるのです。
怖れを使った動機にも効果はありますが、その使い方次第ではデメリットが出てくる可能性があるというわけです。
○やる気=行動を取り戻すために
さて、ご相談の中には「やる気を出そうと考えているけれど、なかなかやる気になれない」というお話を伺うことがあります。
そもそもやる気を感じられるようになる理由は「行動」にあります。
それが些細な行動であっても、掲げる目標が緩いものであっても、自分が何かしらの行動をすることによってやる気は徐々に感じられるようになります。
つまり、やる気がなくなるという問題は、何かしらの理由で「自分が思うように行動できなくなっている」という場合が多いのです。
やる気を取り戻すことを考えるなら「どうして自分は行動できなくなっているのか」について考えることが有効になります。
例えば、
- 肉体的な疲労がたまっているなら、十分な休息をとり、疲れを取る行動をとること。
- 我慢ややるべきことばかりを優先して、自分の「なりたい自分」「行動の目的」を忘れ見失っているなら、もう一度「自分はどうなりたいのか」「何がしたいのか」と目的を再設定すること。
- 今の環境に制限があって思うように行動できない、能力を発揮できない場合なら、環境を変えること。
- 自分に期待をかけすぎていて、自分へにハードルが高くなっているなら、それを低く緩いものに再設定すること。
- 誰かの目を気にしすぎて自分らしくいられないなら、自分らしさを見つめて自分にOKを出すこと。
- いつも一人で頑張っていて気持ちが続かない場合は、人との関わり方を見つめ直し、仲間や相談できる人と関わること。
- 心の疲れの影響が強い場合は、十分な休息や、ストレスを解消する行動を取り入れたり、リラックスできる環境に身をおいてみたり、自分を見つめ直してみること。
特に心の疲れの場合、「どうしてここまで気持ちが疲れ切ってしまうのだろう」と自分を見つめて、自分の物事の見方、感じ方を変えていくことを実践してみてもいいでしょう。意外と物事の見方、感じ方が変わるだけで、もう一度行動してみようという気持ちになれることも多いものです。
また、恋愛、夫婦、家族などのプライベートな関係性の問題や、職場の対人関係の問題なども、「うまく関わりたい(行動したい)けれどできない」という状況を作ります。これも一つの「自分が思う目的に対して行動ができない」という状況なのです。
そのため、自分自身のプライベート環境や対人関係の問題解決、改善を図ることでやる気が取り戻せるケースも非常に多いのです。
最後になりますが、何より大切なことはやる気を取り戻せない自分を蹴飛ばさないことです。
繰り返しになりますが、やる気を取り戻すために必要なのは罰や批判ではなく、行動です。
どうすればもう一度行動できるようになるのかを考えること。
よく「好きなことをするといい」と言われるのは、何かしらの行動を起こすことでもう一度「その気」になれる可能性があるから、と考えられますね。
(完)