自分をちっぽけに思うあなたへ
自己肯定感とは自分を価値ある存在だと肯定できること。ですが、自分で自分を肯定することがむずかしいと悩む人がいます。なぜそんなにもむずかしいのか、その心理について一緒に考えてみましょう。
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日々カウンセリングをしていると、このような質問が寄せられます。
「自己肯定感を上げたいのですが、自分のことが好きになれません。どうしたらいいですか?」「自己肯定感が低いことは自覚していますが、自分に良いところがあるとも思えません。どうしたらいいですか?」
今は情報社会ですから、自己肯定感を高める方法はいくつでも手に入れることができます。その代表的なものといえば、自分を肯定するためには自分の良いところを探してみましょうというものです。
「自分の良いところを探して30個書いてみましょう」などは、多くの方がトライしてくださったのではないでしょうか。自己肯定感を高めるためのファーストステップとしてオススメのレッスンです。
しかし、そうはいうけれども30個も書けないと悩む人たちがいます。絞り出すようにしても3つほどしか書けないという方が、さきほどのような質問をしてくださるのです。
でも、そこで自信をなくさないでくださいね。3つほどしか書けなかったとしても、それにはちゃんと理由があるのです。
◆自己肯定を阻む罠にはまり込んでいませんか?
自分のダメなところを探すクセがついていると、自分の良いところになかなか気がつくことができません。
気がつくことができないというよりは、「そもそも自分を良いとは思えない感覚」のほうが強いので、自分の良さを観察する力が弱くなっているのです。
そのような場合、自己肯定を阻む罠がふたつあるように私は感じています。
・他者評価で生きてきたため、「人から認められてこそ価値がある」と感じてしまう。
・人から認められても、「そんなことはない」「そう見えるだけ」とすぐに否定してしまう。
自分で自分を認めることに価値を見出せないうえに、人から認めてもらったとしてもすぐに否定をしてしまう。すると、“あるはずのものもなかったもの”になってしまうのです。
そのせいで、いつまでたっても自分の価値に気がつくことができず、自己肯定感が低いままになってしまうという結果に。
感覚的なたとえですが、自分のことを「ちっぽけ」「なにもない」「からっぽ」と感じている人が多いようです。あなたにも心当たりがあるでしょうか?
◆自分をちっぽけに思う人のための、自己肯定感を育てるレッスン
そこで今回は、自分をちっぽけに思う人のための、自己肯定感をあげるレッスンをご紹介したいと思います。オススメのやり方は、一問につきタイマーを3分セットして時間に背中を押してもらうと良いでしょう。
では、次の2つの質問に答えてみてくださいね。
(1)あなたのまわりにはどんな魅力をもっている人が多いでしょうか?できるだけ多く書き出してみましょう。
例)センスが良い人が多い、働きものが多い、好奇心旺盛な人が多い、ちゃんと挨拶をする人が多い、やさしい人が多い、真面目な人が多い、夢がある人が多いなど。
(2)身近な人を3人選び、その人のどこを魅力に思うかを書き出してみましょう。
例)友人のAちゃん いつも笑顔、居心地が良い、気が休まる、約束を守ってくれる、さりげなく気を使ってくれる、話をちゃんと聞いてくれる、いつも褒めてくれる、励ましてくれるなど。
さて、書けましたか?書けた人からレッスンの解説を読んでくださいね。
◆今、あなたが書いたものは…
では、このレッスンの解説をしたいと思います。いま、あなたが書いたのは、じつはあなたの魅力なのです。なぜならば、これは投影の法則を使った魅力発見法だからです。
私達は自分のなかにないものを、人のなかに見ることができません。自分のなかにあるものだけ、人のなかに見ることができます。これが投影の法則なのです。
まわりの人をセンスが良い人が感じたのならば、あなたのなかにセンスの良さがあります。働きものが多いと感じたのならば、あなたもきっと働きものなのです。
もう少し詳しくいいますと、(1)で書いたものは、あなたの魅力である可能性が高いのです。なぜなら人は自分に近いものに魅力を感じる親和性の法則があるからです。
(2)で書いたものはかなり確実なあなたの魅力です。あなたには見えなくてもまわりの人にはかなりハッキリと見えているのではないでしょうか。
「えー!私にはそんな部分はありません!」と言いたくなる気持ちもわかりますが、ここでそれを否定してしまうと、あるはずのものもなかったことになってしまいます。
「そういう部分もあるのかも」「あるけれども使っていない才能なのかも」という気持ちで自分のことを肯定してみましょう。
「人の魅力を探していたようで、じつは自分の魅力を探していたんだ」というのがこのレッスンのオチですが、自分のなかに見えないのならば人のなかに見る方法もあるのです。
ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。