子供は愛され、大人は愛されない?
こんばんは。
神戸メンタルサービスの平です。
日本人は、“子どもの自分”は愛される価値があると感じ、一方、“大人の自分”については否定的に感じていることが多いようです。
心のどこかで、大人になった自分はずるがしこく、汚れてきたように感じているのですね。
そこで、いつまでも無垢な子どものふりをすることで、人から愛される自分でいられるという思い込みがあるようなのです。
日本の女性のアイドル歌手について、私の友人のアメリカやヨーロッパのカウンセラーたちはこんな疑問を投げかけてきます。
「なぜ、二十歳を過ぎている人たちが、こんなに子どものふりをしているのか?」
つまり、日本の女性は大人としての自分を表現することがあまりにもなさ過ぎる、というわけです。
心理的に見ると、私たちは思春期を迎えるころ、大人になった自分を隠そうと考えます。いつまでも、なにも知らない、無垢なままの自分でいなければいけないという思いがあるからです。
親と一緒にお風呂に入ることがなくなったり、自分の部屋が必要になったりしていくのも、もはや子どもではない自分を親に知られたくないという心理からきています。
それは、親離れのプロセスとして必要なことといえますが、問題は、異性に対しても同じように、大人である自分を隠そうとする人が非常に多いということです。
「彼の前ではなにも知らない女の子でいなければいけない」とか、「デートに誘われて、すぐにOKすると軽い女性だと思われる」とか思っているわけですね。
恋愛マニュアルにもそんなことが書いてあることがあるようですが、欧米ではありえないマニュアルです。
成長するにつれ、子ども時代には踏み込むことのできなかった“大人の扉”が開きます。そして、大好きな人と愛しあうことは、幸せなことであり、悪いことではありません。
が、私たち日本人はなぜか、いけないこと、はしたない行為と思い込んでいる場合が多いものです。その一方で、過剰にセックスアピールすることがあるのも日本人の特徴です。
海外の人が日本に来てびっくりすることの一つが、ラブホテルという文化があることです。
「家でするもの」と考える外国の人々は、わざわざそのためだけにホテルに出かけるというのが、ちょっと理解しづらいようです。
(が、彼らにしてみると日本ならではの“異文化”であり、「おもしろい」と気に入ってはくれています)
話は戻りますが、子どものあなたは「だれかに愛してもらうためには、なにかをしなければならない」とつねに考え、自分を受け入れてくれる人、依存させてくれる人を求めます。
一方、大人になると、あなたは人に頼らず、自分で自分を満たすことができるようになります。さらに、人と喜びを分かちあうということもできるようになります。
すると、「あの人が私の機嫌をとってくれない」という不満はぐんと減るはずです。
自分で自分の機嫌を取れるようになると、だれかをご機嫌にしてあげることもできるようになっていきます。
そうすると、「私はだれかの喜びに簡単になることができる」という自信をもつことができますから、人の顔色を見たり、人の様子を気にしたりということもなくなっていきます。
その意味では、大人の自分になるとは、いつも自分をご機嫌にしておくことと言い換えることもできるでしょう。
そのためには、イライラとした感情をだれかにぶつけるのではなく、自分自身がイライラしない考え方を身につけるレッスンは必要かもしれませんが。
少なくとも、いろいろな自分の感情を受け止められるようになると、あなたは他者の感情も受け止めてあげられるようになるでしょう。
その結果、“たよれる人”、“甘えられる人”といわれるあなたになることもできて、それはファッションやメイクで外見を美しくすること以上にモテる要素になるはずです。
なぜなら、たよりになる人、自分を理解してくれる人を人はいつも求めています。「不安や恐れをもっているとき、どれだけ自分の味方になってくれるか」によって、好感度が大きく左右されるほどなのです。
そう、大人の自分になるということは、あなたがモテる人になるということともいえるのかもしれません。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!