今感じている罪悪感を必要以上に大きくしすぎているとしたら?という視点を持ってみる
罪悪感を感じている時。心は目の前の出来事に関する罪悪感だけを感じているのではなく、無意識に過去や別の出来事に関する罪悪感も合わせて感じています。
正しい大きさで罪悪感を感じることができていないことが多いのです。反省することは大切ですが、大きすぎる罪悪感で自分を苦しめる必要はないのです。
***
罪悪感とは文字通り、罪をおかした、悪いことをしたと思う気持ちのこと。
例えば「申し訳ない」「ごめんなさい」という気持ちになっている時が罪悪感を感じている時です。
罪悪感というのはとても厄介な感情です。
なぜなら、その正体が自分ではわからないから。
どういうことかというと、自覚できている時もあるのですが、罪悪感は自分で感じられてないことのほうが多いのです。
この感じられてない中には、自分が罪悪感を感じていると気づいてないこと、そして、正しい大きさで感じられていないことの両方が入ります。
逆に言えば、自分が罪悪感を感じていることに気づけば、そして、その大きさを正しく感じられたら、それを修正していく方向に持っていくこともできるようになります。
こうした実際の罪悪感を感じることが難しいという厄介なワナに引っかからないためには「罪悪感の下には、あなたの本質が隠れている」ことを知っておくことが役に立ちます。
あなたの本質とは「優しさと愛情」を持っているということ。
罪悪感は優しさと愛情を持っていないと感じることができません。
罪悪感を大きく感じる度合いだけ、実は、あなたの優しさと愛情も大きい証拠になるのです。
今回の連載では4回シリーズで、罪悪感がどのように心に影響を与えているかという視点から、その本質を知ることで、罪悪感のワナから抜けやすくなり、問題を解決していけるアプローチについてお届けします。
◇「申し訳ない」と思っている時、あなたは何に対して罪悪感を感じているのでしょう
目の前の出来事に対して「申し訳ない」と感じることはいろいろありますよね。
「仕事でミスをした」
「恋人とケンカした時に思ってもみないひどい言葉をぶつけてしまった」
「子供を叱りすぎてしまった」
こんな風に、様々なケースがあります。
例えば、あなたが仕事でミスをしたとします。
そこで「申し訳ないことをした」と罪悪感を感じている時。
仕事でミスをしたことに関する事以外に、自覚できていない別の罪悪感を合わせて感じているとしたらどうでしょう。
別の罪悪感とは「目の前のミスとは関係なく自分を責める気持ち」のことです。
例えば、過去に同じようなミスをしていてそれを繰り返してしまったら
「また同じことをしてしまった」
と自分を責めたくなりますよね。
これは目の前の罪悪感とは別のものです。
罪悪感というのは今感じている申し訳なさとは別に、過去の罪悪感が時に無意識に思い出されてしまうものなのです。
厄介なのは、目の前の罪悪感と関連がない罪悪感も思い出されてしまう場合があることです。
例えばあなたが
「高校時代のバレーボール部の大切な試合でミスをしてしまった」
という罪悪感を持っていたとします。
仕事と高校時代のバレーの試合は関係ありません。
しかし「ミスをした」こと、そして「申し訳ないことをした」という感情を感じる部分は同じなので、この過去が(時に無意識に)蘇って、目の前の罪悪感とつながってしまうこともあるのです。
この「無意識のオートマティックな連想」とも言える心の働きは、遠い昔の出来事だけでなく、最近の仕事とは関係ない出来事、例えば「今朝、恋人とケンカしてひどい言葉をぶつけてしまった」などで感じている罪悪感があると、その影響もうけます。
しかしながら「仕事で以前と同じミスを繰り返してしまった」例のように、目の前の罪悪感とは関係がある場合には自覚しやすいですが、関係ない出来事に付随する罪悪感が「無意識のオートマティックな連想」でててくるとしたら、自覚することは難しくなります。
ほとんどの場合、目の前の出来事に関する罪悪感だけを感じているのではなく、「無意識のオートマティックな連想」による罪悪感も合わせて感じているのです。
これが罪悪感の正体に近づくヒントになります。
私たちはほとんどの場合
「正しい大きさで罪悪感を感じることができていない」
のです。
申し訳ないと反省することは大切ですが、大きすぎる罪悪感は自分を必要以上に苦しめてしまいます。
それは苦しむ必要のない罪悪感なのです。