こんな実習をしたことがあります。
あなたの人生を、
ハッピーストーリーにして話してみて。
そして、もうひとつ。
あなたの人生を、
ダークストーリーにして話してみて。
「ハッピーストーリー」にするためには、過去に、嬉しかったことや、楽しかったことや、誰かに助けてもらったことや、愛してもらったことなんかを、一生懸命思い出しました。
そして、それらを繋いで、私の人生を「ハッピーストーリー」にして、発表しました。
発表しているうちに、なんだか笑いが込み上げてきました。
それは、その実習の先生が、私がストーリーを話す度に、大げさに相槌を打ったからだけではなくて、こんなふうに思ったからです。
「私の人生、結構ハッピーで楽しくおもしろいものだったんだな」
飛行機に乗って、雲の上に出ると、高い山の頭がニョキニョキ雲の中から見えるように、振り返った人生の中で、ハッピーなものだけが、飛び出して見えたような気がしました。
そして、次に、「ダークストーリー」。
私は、先ほどのように、過去にあった辛い話、残念な話、誤解されたり、助けてもらえなかったことなどを、ピックアップし、「ダークストーリー」を作り上げました。
思い出せば、そういったことはいくつもあって、そして、発表。
「ダークストーリー」として話すわけですから、ハッピーでないことばかりを、深刻に、暗く悲しく話すわけです。
発表しているうちに、どんどん悲しくなるのかと思ったら、さっきの「ハッピーストーリー」の調子が、まだ私の中に残っていたのかもしれませんが、なんだか、深刻になり切れなくなり、ついには笑ってしまいました。
すると、先生は、満面の笑みで言うのです。
「そうでしょう?」
確かに、私たちの過去の人生には、ハッピーもダークもあります。
あるけれど、けしてダークばかりじゃないはず。
しかし深刻になって、今もなお、過去の悲しみを、まるで今日の出来事のように、じっくりと何度もくりかえし味わっていると、忘れるということができませんよね。
あの悲しみの中に、どぼんと浸かりにいってしまいますから。
そんな時、私たちは、自分を弱いものにしてしまいますし、小さくしています。
すると、そこから自分の力では這い上がれないような気がしたり、弱い私には、解決の糸口をみつけることはできないと感じてしまったりします。
「ダークストーリー」とはまさに、そのことです。
黒いサングラスをかけて、未来の人生をみています。
とても深刻に、怖れを通して。心に、サングラスをかけて見ていることに、まずは、気がつくと良いですね。
そして、どちらのストーリーを歩みたいのか、今一度、選んでみます。
選ぶのは、誰でもない私たち自身です。
おそらくみなさん、「ハッピーストーリー」を歩いていきたいと思われるはずですよね。
黒いサングラスを外して、深刻さを手放してみましょう。
ダークストーリーを繋いでいくよりも、雲の上にニョキニョキと頭を出している、ハッピーな出来事を繋いでいきましょう。
これまでも、そして、これからも。あなたが止めない限りは、続いていきます。
ダークとハッピー、どちらにフォーカスするかは、いつだって私たちに選択権があります。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。