罪悪感から気づく、あなたの本当の価値(4)~あなたが成し遂げてきた価値を認める大切さ~

今までのがんばりと成し遂げてきたことに気づいて認めることが抜け道になる

あなたは自分に厳しすぎるので自己価値に正しく気づいていません。あなたには今までのがんばりと成し遂げてきたことが必ずあります。それを振り返って認めてあげましょう。そのことが罪悪感を抜け出す力になります。そして、罪悪感は愛情がなければ感じることができません。これがあなたに価値がある証拠です。

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私たちが「正しい大きさで罪悪感を感じることができていない」としたら、罪悪感の存在に気づき、必要な大きさで認識するという視点をいつも持ち続けることで、怒りや苦しみを減らすことができます。

減らすのではありませんね。正しい大きさで感じられるようになるのです。

私は、このように考えてきた時、私たちが日常で感じている目の前の誰かへの怒りというのは、実際には、想像以上に小さいのかもしれない、と思うようになりました。

誰かが悪い態度を取っても、そこで感じている怒りとは、ずっとずっと穏やかに感じているのかもしれないのです。

もしそうだとしたら、これは私たちの本質が優しさと愛情である証拠にならないでしょうか。

私たちは誰も責めたいと思っていません。愛したいと思っているのです。

 

◇罪悪感に気づき、正しい大きさで認識するために大切な「自己価値」

罪悪感に気づき、正しい大きさで認識するのを最も阻むものは「自己卑下」です。

これは、もともと持っているはずの自分の価値を小さく感じたり、時には価値はないと感じてしまうこと。

自己価値を感じられない度合いだけ、罪悪感を感じやすくなったり、その罪悪感を感じないように怒りも使いやすくなってしまいます。

これは大いなる誤解なのですが、自分の価値は自分が一番気づいていません。

しかし、本当は必ずたくさんの価値があなたの中にはあるのです。

罪悪感と上手に付き合っていくためには、自己価値を取り戻す、すなわち、本来価値があるのにない、あるいは小さく感じている誤解を解く必要があるのです。

そのために、是非、考えていただきたいのが「今まであなたが成し遂げたこと」についてです。

 

◇あなたは今まで本当にがんばってこなかったのでしょうか。そして何も「成し遂げられてない」のでしょうか

相手への怒りと自分の罪悪感がどれくらいの割合なのかを直感で感じながら、こんな風に自分に問いかけてみてください。

「もし、自分が想像している何倍も自分のことを責め続けているのだとしたら。

自分をそこまで責めなければならない理由が本当に存在するのだろうか。」

その上で、今までの自分のがんばりについて振り返ってみましょう。

自分の価値は自分が一番気づけないものですから、これは信頼できるお友達や、場合によってはカウンセラーと一緒に振り返ってもらうことをおすすめします。

まずは、この1年間について。

可能ならもっと遡ったり、今までのことを振り返って大変だった出来事をピックアップして、その時の自分のがんばりを紙に書いてみます。

合わせて、その時々であなたが感謝している人、あなたのことを応援してくれた人のことを書いていきます。

その人はあなたにどんなことをしてくれたのでしょうか。なぜ、あなたにそうしてくれたのでしょうか。

続けて、逆に、あなたに感謝してくれている人、あなたが応援した人のことも書いていきます。

あなたはどんなことをしてあげたのでしょうか。なぜ、あなたはその人にしてあげたのでしょうか。

自分のがんばりと、今まで成し遂げてきたことに気づくアプローチなのだと思ってやってみてください。

これがあなたの価値です。

あなたは、その時その時をベストを尽くしてがんばってきたのに、自分に厳しいあまり、それを自覚できてないだけなのです。

あなたには今までのがんばりと成し遂げてきたことが必ずあります。それを振り返って認めてあげましょう。このことが罪悪感を抜け出す力になります。

 

◇罪悪感は優しさと愛情がなければ感じることはない

そして、何よりもあなたの価値を表しているのが、あなたの本質が優しさと愛情でできているということです。

「罪悪感は優しさと愛情がなければ感じることはない」ということを、この連載でも何度か書かせていただきました。

こんな風に考えてみてください。

あなたが道に落ちている石を蹴飛ばしてしまった時。

その石に対して激しく申し訳ないとは感じないですよね。

しかし、あなたにとって大切な意味をもつ石だったとしたら、こんな大切なものを蹴飛ばしてしまった!と罪悪感を感じます。

この違いは、愛情があるかどうかの違いです。

もし、あなたの心が冷たく愛情がないのだったら、そもそも、罪も悪いことをしたとも感じることはできません。

何も感じないはずなのです。

いつも自分はダメだ、できてない、役に立ってないと自分を責めてしまう時。

それは、逆にそれほど役に立ちたいという愛情を持っているからこそ、感じてしまうものなのです。

自分を責めたり、自分に価値がないと誤解している時は、自分の中の罪悪感というフィルターで誰かや何かの中に、同じように罪悪感を見てしまいます。

しかし、あなたの中の優しさと愛情から誰かや何かを見た時、そこには同じように、優しさと愛情が見えてきます。

これが心の本当の姿なのです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。