問題を通して人を受け入れる器が大きい人になっていく
自分は人と違って変わっているということが悩みとなる方がいらっしゃいます。その問題を通して人の個性を認め、受け入れる力が磨かれていくことがあります。人を受け入れる器が大きい人間になっていくのです。そんなところも自分を肯定するポイントとしてみてはいかがでしょう。
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●先週のおさらいと今週の内容
問題を通して成長した自分を肯定しよう(2)では、家族関係の問題を通して、成長した部分や、人間的に魅力的になっていったケースをあげて、あなたにも、そのようなところがあれば、自分を肯定するきっかけにしてみてはいかがでしょう?という提案をしました。
今回は、また別の例えをあげてみたいと思います。
●自分は変わっているということを気にしてきたAさん
例え話です。
自分は変わっている、他の人と違うと思っているAさんという方がいました。
Aさんは、
・ファッションの趣味が多くの人が好むようなものとはちょっと違うのが好き。
(人からスーパーど派手だと言われるようなファッション)
・多くの人があんまり気にしないことにこだわる。
・多くの人が気にすることにはこだわらないところがある。
・感想を述べる時に、多くの人との感想とは違う。
・リアクションや仕草が多くの人があまりしないリアクションをする。
などなどのところを、
自分は他の人と違うなぁと気にしていました。
また、他人からも「変わっている」という言葉を言われることもしばしばありました。
自分の好きなファッションに身を包んでいるだけなのですが「変わった趣味だね」と言われたり、
自分のこだわりをのべると「そのこだわり変じゃない」と言われたり、
素直な感想を述べただけなのに「変わった物の見方だね」と言われたり、
リアクションや仕草を「そのリアクション変わっている」と笑われたり、
などなど、
変わっているという言われ方をすることもしばしばありました。
もし仮にあなたが、そんなことを言われたり、笑われたりすると気にしてしまうことはありませんか?
Aさんは、周りの人の反応から人と自分は違うということを気にしていたそうです。
そして自分は変わっていると思うようになりました。
Aさんが思った“自分は変わっている”は、
「人が思わない発想ができる良いところがある」
というような肯定的な意味合いではなく、否定的な意味合いでの“自分は変わっている”でした。
自分は人と違うということを否定的に思い、気にしていたので、人にどうおもわれるのかをAさんは気にしがちになりました。
●分離感
また、Aさんは分離感を感じやすいという問題を抱えていました。
人は自分は他の人と違うと感じると、分離感という感情を感じることがあります。
分離感は文字通り人と分離している感じがする感覚です。
分離感を感じると、人とのつながりが感じにくく、不安という気持ちを持ちやすくなる傾向があります。
また、分離感から、嫌われる恐れ 嫌われる恐れから犠牲をする、人を疑う、愛やつながりを感じにくくなる、などなど色んな問題に発展していくこともあります。
Aさんも人との関係に分離感を感じがちでした。
人と自分は違うということから、人の目を気にしてしまったり、分離感を感じてきたりという問題にAさんは悩まされてきました。
●自分はこれで良いと受け入れていく
そんなAさんは、その問題を長い年月をかけて違う見方をするようになれました。
「人と違っていいんだ、自分は自分でいいんだ」
「自分が好きなファッションを楽しめば良いんだ」
「人と感性が違って良い」
「人との違うこだわりがあっても良い」
「人と違う感想でいいじゃないか」
「リアクションや仕草が多くの人と違うけれど、これが自分の自然体だから、これでいいじゃないか」
などなど、
人と自分は違って良い、
人に合わせなくて良い、
と自分を受け入れられるように成長していきました。
●人を受け入れる器が大きい人間に成長
すると!
Aさんは、
他人に対しても、そう思えるような視点が成長していったのです。
他人に対して、
人と違っていいじゃない!
人に合わせなくていいじゃない!
あなたは、あなたでいいじゃない!
と、
口先じゃ無くって、本気で思えるし、本気で言うのです。
しかも、
それを、
「人と自分は違う・・・そんなことを気にしているからダメなんだよ、人と違っていいんだよ」
という上から目線ではなく、
「人と自分は違うと思うと気になってしまうよね。でも違っていいと思うよ」
と、自分が悩んできたからこそ、人の気持ちによりそった上で言えるのです。
他人の趣味、趣向、価値感に対して
「変わりもんだなぁ、変だよその趣味」
と、他人の趣味趣向をバカにしたり、笑ったり、否定する人と、
「君が良いと思うものは、それで良い思うよ」
と、肯定し、受け入れる言葉を言えると、どちらが魅力的かと言うと後者のほうが魅力的に感じる人が多いんじゃないでしょうか?
Aさんはそんな魅力的な人になっていました。
人を受け入れる器が大きい人間に成長していったのです。
これも、問題を通して成長し魅力的になっていった一例ですね。
●あなたも前よりも自分を受け入れるようになっている部分はありませんか?
あなたにもこういうことはないですか?
この物語のAさんのように、昔は人との違いを気にしていたけど、今は人と違っていて良い、自分はこれで良いと思えるようになっていることはありませんか?
もしかしたら、人と違って良いと完璧には思えてはいないけれど、部分的には受け入れられるようになったという方もいらっしゃるかもしれませんね。
「あのことについては今だに人と違っていることを気にしているけど、このことに関しては人と違っていて良い、自分はこれで良いと思えるよになっている」
というように、
部分的ではあるけど、人と違っていて良い、自分はこれで良いと思えるようになったこと等はないですか?
もし、昔は自分を受け入れられなかったという問題があったけど、今は受け入れられるようになったというところがあったとしたら、おそらく人のことを受け入れる力も成長しているのではないかと思います。
自分は人は違って良い、自分はこれで良いと、人との違いを受け入れられるようになった分だけ、あなたの他人を受け入れる力は成長し、その分、魅力的になっていると思います。
そんな所も、ご自身を肯定するポイントにしてみてはいかがでしょうか?
もしかしたら人との違いで苦しんできたことがあったかもしれませんが、あなたはそれを超えてきた分だけ魅力的な人間になっているのだと思います。