新年度になると、異動や転職で新しい環境に移ったり、新しい人を迎えたりと環境の変化がつきものです。
今回は、そういった変化からのストレスを和らげるためのお話しです。
◆変化にストレスを感じるのは当たり前
変化にワクワクや希望、心地よい緊張を感じる方もいれば、不安やおそれ、嫌な緊張を感じる方もいます。
ただ、変化にストレスや緊張を感じるのは当然のことです。
というのも、私たちには現状を維持しようとする心理がはたらきます(現状維持バイアス)。
これは、未知のことをするリスクから自分を守ろうとする本能的なもので、自分の安全を守るために必要なものです。
だから、変化に不安を強く感じるという方は、自分をリスクから守ろうとする力が強いということです。
ただ、変化へのストレスを強く感じたら、新しい環境になれるまでの3か月ぐらいは、自分をねぎらったり、いたわったりして、自分を意識的に安心させるようにすることがストレスを持ち越さないために大切です。
◆相手も同じく緊張している
自分が新しい環境に飛び込むと、前からいる人に品定めされているように感じがちです。
自分は緊張していて余裕がない一方、相手はリラックスして、余裕があるように感じるかもしれません。
でも、私たちは同じ場にいたり、距離や関係が近くなったりするほど、感情を共有します。
あなたが緊張している時は、実は相手も「自分がどう思われるのか」「自分に害を与えない人なのか」緊張していることが多いのです。
そんな時に、お互いの緊張を和らげるのが、感謝の言葉です。
「ありがとう」と言われて、嫌な気分になる人はいませんし、言われた方は、自分が尊重されたと感じます。
もし、気まずさを感じたら、何か“ありがとう”が言えることがないか、探してみましょう。
◆今は過去と同じではない
変化が苦手だと思う方で多いのが、以前何か変化があった時に、失敗したとか、嫌な思いをしたために、苦手意識をもっている、ということです。
私たちは、どうしても過去に影響されがちで、新しい人やモノに対しても同じです。
例えば、私たちは誰かと顔を10秒ぐらい合わせると、その間に過去に出会った人の中から似た人を検索して、その人に投影すると言われています。
過去のデータを利用して、現状に備えようとするわけです。
ただ問題は、新しく出会った人にあなたが好意を持っている人を投影すると、その人に対して好意的になりますが、
あなたが苦手だった人を投影すると、その人が苦手になってしまう、ということです。
例えば、いつも目上の人とうまくいかない、という場合に、自分が苦手だった父親や先生を投影している、ということはよく起こります。
そんな時に思い出していただきたいのは、過去は過去であって、今が同じようになるとは限らないこと、そして、目の前の人はあの人とは違う、ということです。
このことに気づけるだけでも、過去の影響を軽くして、新たな気持ちで人や物事に臨むことができます。
++
変化にストレスはつきものですが、変化はあなたがより良い方向に進むためのチャンスでもあります。
できるだけストレスを和らげながら、変化を乗り越えるための参考にしていただければ幸いです。