なぜ出会いを引き寄せられないのか
婚活をしている方のカウンセリングをしていると、「いい人がいない」「素敵な人に出会えない」「なかなか人を好きになれない」というお声を聞くことがあります。
何人かの男性に会ってみたけれども、「Aさんはここがイマイチ。Bさんはこことここがイマイチ。Cさんはあれもこれもそれもイマイチ。もう全然いい人がいないんですよ」と。
これは無価値感が強い人に時々ある悩みなのです。むやみに理想が高いわけでもなく選り好みをしているわけでもなく、むしろ自分に自信がない人にこそ起こりやすいパターンのようです。
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◆無価値感とは
無価値感とは、「自分には愛される価値がない」という思い込みのこと。この無価値感が強いと相手のダメなところが見えてしまうという現象が起きやすいようです。
それにはちゃんと理由があって、無価値感が強いとどうしても自分のことを過小評価します。自分に対していつもマイナス評価をしているので、周囲とのコンプレックスを日頃から感じやすくなってしまうのです。
でも、コンプレックスをずっと感じているのは嫌なので、「Aさんはここがダメ、Bさんはここがダメ」と粗さがしをして、まわりの人のことを過小評価したくなります。
まわりの人を自分と同じぐらいに下げておくことで、自分の無価値感やコンプレックスを刺激されなくて済むので、ちょっとホッとするのですね。
ホッとできるかわりに、過小評価したぶんだけ相手に魅力を感じにくくなります。その結果、「私のまわりにはちっとも素敵な人がいない」という世界を作り上げてしまうわけです。
◆素敵な人と出会ってしまうとじつは困る
さらには、自分を無価値だと感じていると、いざ素敵な人と出会ってしまったとしたら、とたんに居心地が悪くなるという現象も起こりやすくなります。
たとえば、自分は女として30点だと思っていて、100点の彼と出会ってしまったとしたら、この70点の差にコンプレックスを感じて居心地悪くなってしまうのです。すると、必死に粗さがしをしてなんとか自分とつり合いが取れるところまで下げておきたくなります。
どんなに小さな粗でもかき集めて、自分と同じ30点になるまで引き下げてしまう。すると、どうなるかというと、彼がだんだんとつまらない男に見えてくるわけです。
彼をつまらない男にしておくと、自分の無価値感が刺激されないのでホッと落ちつけるのですが、残念ながら彼のことを魅力的に感じられなくなります。
「付き合うまでは好きだと思ったけれど、付き合ってみたらそうでもなかった」と思うようなことがあれば、このパターンに当てはまる可能性があるかもしれません。
◆無価値感が高いと理想が高くなる?
じつは、無価値感の強い人ほど、相手に求める理想が高くなる傾向があるともいわれているのです。なぜならば、こんなに価値のない自分が幸せになるためには、相当に価値のあるものが必要だと思っているからです。
私には愛される価値がない。何ももっていないちっぽけな存在だ。だから、私のパートナーになる人はたくさんの価値をもっていないと私は幸せになれないだろう。
そう思い込んでいるので、それが理想の条件に投影されるのです。価値がない自分に価値を補てんするために理想が高くなってしまうという現象が起きやすくなるのです。
でも、実際に理想どおりの人が現れたとしたら、先ほど述べたようにコンプレックスを感じてしまうので、「こんなに素敵な人が私を好きになるわけがない」と受け取れないのです。
理想の条件をリストアップすることが悪いのではありません。もしそれをするのであれば、それを受け取れるぐらいに自分の価値や魅力についてもリストアップしておくことをオススメしたいのです。
いざ素晴らしいパートナーに出会えたら、つり合いが取れないよう気がしてこわくなってしまいますからね。婚活中の皆さんこそ、自己価値を見つめなおすことが必要なのです。
◆自分の価値や魅力にしっかりと気づく
自分に価値があると感じられないと、パートナーがあなたに対して「こういうところが好きだな」と思ってくれても、受け取れなくなります。無価値感は「こんな私のことを好きでいてくれるはずがない」という不安を作ってしまうからです。
パートナーにとっても、大切なあなたを不安にさせていると知ったら悲しくなってしまうでしょう。だからこそ、ここはしっかりとあなたの価値や魅力を受け取っておきたいところ。
そのためにひとつ質問をご用意しました。時間がかかってもいいので答えてみてくださいね。
<質問>
「あなたと一緒にいる人は、どんな気持ちを持って帰りますか?」
答えはそのままあなたの価値や魅力を表す言葉です。それはあなたがパートナーに与えられるギフトでもあるのです。たくさん見つけてくださいね。
(完)