権威との葛藤が原因かも?
社会で成功していくことに問題があったり、家庭をもったり、子供をもつことに強い抵抗感があったりするのは、もしかしたら権威との葛藤が原因なのかもしれません。
昔々自分にとっての権威者だった人に対しての未処理の不満や怒りがあると、自分自身が権威のポジションになることに葛藤が出てくるのです。
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今回、担当させていただく大門昌代です。どうぞ、よろしくお願いします。
会社で役職に就くことや、親になること、何らかのコミュニティーでリーダーになることなどに抵抗感が強くある場合、権威との葛藤がその原因であることがあります。
権威との葛藤とういうのは、昔々自分にとっての権威者であった人に対して、攻撃したり怒りをもっていたりすることによって、権威との間に、摩擦が起こり、そのことによって、自分自身が権威を持つことに葛藤が起こることです。
わかりやすいところでは、上司や年上の人、立場が上の人にに対して反抗的になり、ケンカをふっかけてしまうという状況。
上司や年上の人、立場が上の人というのは、権威的な立場です。
その人たちに対して反抗的になり、ケンカをふっかけてしまうと、自分自身が会社でのポジションアップすることも難しくなるでしょうし、年上の人や立場が上の人に反抗的な態度ばかりとっていると、可愛がってもらうこともできませんし、様々なことを教えてもらうこともできなくなります。
自分自身が何らかの成功を収めていきづらい状況をつくってしまいます。
昔自分にとっての権威者だった人に対する不満や怒りを、今現在の上司などの目の前にいる権威者に投影した結果、このようなことが起こるわけです。
また、権威者に対して「もっとしっかりするべきだ」「どうして、〇〇してくれなかったのだ」というような不満があり、怒っているとすれば、自分自身が権威のポジションになったら、完璧にしなくてはならないというプレッシャーにもなります。
文句を言ったのだから、今度は自分自身が権威のポジションについたときに、同じように文句を言われるだろうと感じる分だけ、権威のポジションに抵抗感をもつのです。
もちろん実際に文句を口にしたか、権威者に怒ったかは関係ありません。
心の中で、文句を言って、怒っていた場合も同じです。
仕事の場面だけでなく、結婚するとか、親になるというような場面でも、この権威との葛藤が原因で、問題を抱えることも少なくありません。
子どもの頃、父親が家族の中の権威者であり、暴力や暴言があったという場合。
子供の立場として、もっとやさしくしてほしいとか、もっときちんとしてほしいというような不満を当然持ちます。
そうすると、将来結婚して自分が親になったときには、あの父親のようには絶対にならないようにと、家族にやさしくあらなねばならないとか、きちんとしなくてはならないというように自分に対して厳しくなります。
もちろん家族にやさしいことは素晴らしいですし、きちんとすることも素晴らしいことです。
ですが、その想いが大きすぎると、何が何でもやさしくしなくてはいけなくなり、何が何でもきちんとしなくてはいけなくなってしまいます。
完璧にやさしくできるでしょうか?
完璧にきちんとできるでしょうか?
私たちは人間である以上、完璧にできることはありません。
完璧にやらなくてはいけないという思いが強ければ強いほど、プレッシャーが大きくなっていってしまいます。
その結果、結婚するということに抵抗感が出てきたり、子供を持つということに抵抗感が出てきたりして、問題を抱えてしまうということも起こります。
家庭を持つことの怖れや、親になることの怖れもまた権威との葛藤が原因であることも多いのです。
権威との葛藤が原因で、仕事の問題やそのほかの問題が起こっているとき、完璧でなかった権威者を許し、承認し、感謝できるところは感謝していくことで、自分自身が葛藤を乗り越えて成長していくことができるようになります。
権威との葛藤を乗り越えてたとき、上司や立場が上の人を助けたり、理解したりすることができるようになり、その結果彼らから大きな助けを受け取ることもできるようになります。
また、自分自身に完璧を求めなくてもよくなりますので、気持ちも楽になります。
自分に完璧を求めなくなった分だけ、周りの人にも完璧を求めなくなりますから、人望を得ることもできます。
権威との葛藤を乗り越えると、自分自身を大きく成長させていくことができるのです。
簡単ですけれど、参考になりましたら幸いです。
ありがとうございました。
(完)