自分の感じ方や考え方を投影して色々判断するということを無自覚的に私たちはしているようです。
投影という自覚がないだけにこれは自分の感じ方や考え方であり、人は違う感じ方や考え方を投影しているというに認識も薄いです。
しかしこの投影という考え方を意識できると人間関係で起こる誤解を少なくすることができ愛を感じることを増やすことができます。
前回は3才児が自分がトラックが欲しいようにパパの友達もトラックが欲しいのでは?と自分の感じ方を投影したという話でした。
しかし3才児だけでなく大人も自分の感じ方や考え方を基準にして人もそう感じるであろう的なことをします。例えば、こんな感じ。
Aさんという人が落ち込んでいたとします。
それを見た友人のBさんはAさんを見て『Aが落ち込んでいる!声をかけて元気づけてやらなきゃ』と思いました。
同じ場にいた友人のCさんはAさんを見て『Aが落ち込んでいる!ここはそーっとしといてやろう』と思いました。
同じシチュエーションをみてBさんとCさんの判断が違うのはなぜでしょう?
これは投影という考え方を使うと説明がつきやすいです。
Bさんは自分が落ち込んだ時には、声をかけてもらうと嬉しいタイプなのでしょう。
だから、自分が落ち込んだ時に声をかけてもらうと嬉しいようにAも声をかけられると嬉しいのではという投影が働き、『Aが落ち込んでいる!声をかけて元気づけてやらなきゃ』という判断が働いたのでしょう。
Cさんは自分が落ち込んだ時には、そーっとしといてもらったほうが嬉しいタイプなのでしょう。
だから、自分が落ち込んだ時には、そーっとしといてもらったら嬉しいようにAもそーっとしといてあげると嬉しいのではという投影が働き、『Aが落ち込んでいる!ここはそーっとしといてやろう』という判断が働いたのでしょう。
本当のところは声をかけてもらったほうが嬉しいのか、そーっとしといてもらったほうが嬉しいのかはAさんに聞いてみないとわからないのですが、BさんやCさんは自分の感じ方を投影して色々判断をしたわけですね。
このようなことを自分でも自覚せぬまま知らず知らずの内にやっていることが大人にもあるようです。
先ほどは自分の感じ方や考え方を投影して色々判断するという話でした。
このような話はカウンセリングで多々でてきます。
例えば、こんな感じ・・・
A子さんという方が彼氏であるB男に怒っている。
理由は、A子さんが熱をだして寝ている時にB男さんは「薬を買ってこうようか?」とか「おじやでも作ろうか?」とか看病をしようという態度がなく、B男さんはA子さんが熱を出して寝ている最中リビングでのんきにテレビを見ているということについて怒っているとのこと。
A子さんの感じ方としては「私だったらしんどそうにしているパートナーがいたら心配して看病するのに、そうしないということは私に興味がないし愛してないんだと感じます」とのこと。
しかし、B男さんになぜ看病もせずテレビを見ていたのかと聞くと「自分はしんどい時には、そーっとして欲しいほうなんで、しんどそうだったからそーっとしてあげるといいかなぁと思って・・・」とのこと。
B男さんは自分がしてほしいことを投影しA子さんにしてあげようとしていたわけだったのです。
つまりA子さんにとっては嬉しくなかったやり方だったのですがB男さんなりの愛情だったのです。
A子さんは自分がしんどい時に心配される、看病されるのが嬉しいタイプだったわけです。だからしんどそうにしているパートナーがいたら心配して看病するということをするタイプだったわけです。
ということは、B男さんはそーっとしておいて欲しいタイプだったのにもかかわらず、A子さんはかまうということをしていたわけですね(笑)
このような自分の感じ方を投影してそういう判断になってたんだなぁ知ることで人間関係の誤解が解けるケースがカウンセリングでは多々あったりします。
投影を知ると、愛(男女間の愛だけでなく思いやり・善意も含めた愛)が無いわけでは無くて愛し方の違い方だったんだという解釈の幅が広がります。
この投影という考え方を活用してみると『愛が無いわけでは無くて愛し方の違い方だったんだ』と思えるものが増えるかもしれませんね。