自分の感情に責任を持つ視点は心を自由にし被害者・加害者から開放してくれる力になる
誰かや何かのせいにしてしまうと問題を解決するために自分ができることがないということにもなります。自分の感情に責任を持つという視点は、誰かのせいにする必要がなく、自分の裁量、選択で変えられるということ。誰にも制限されたり縛られたりする必要がなく心を自由にしてくれる見方のことなのです。
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誰のせいにもしない、とお互いのことを理解していくことができると、パートナーシップの問題解決に大きく進んでいけます。
このことを理解していくために、今回は「自分の感情に責任を持つ」という視点からお伝えしていきます。
◇「自分の感情に責任を持つ」という視点
「自分の感情に責任を持つ」という視点とはどういうものなのでしょうか。
これは、感情は自分が作り出したものであり、もしそうであるならば、この感情は自分で変えられる、という視点のことです。
例えば、あなたが一生懸命仕事をしている時に、雑談をして笑っている人たちがいたとします。
そんな様子を見ていたら「仕事中に雑談するな!笑うな!」とすごく腹が立ってきたとします。
こんな時に「あえて」「わざわざ」この視点を使って自分の気持ちを整理してみるのです。
「あの人たちに腹が立つ理由が、私の中にあるとしたら、それはどんな理由なんだろう」
客観的に考えて腹が立つことを、あえて一旦横に置いておき、自分の心の中に理由を求めてみるのですね。
例えば、心理的に見ると私たちの心は禁止していることをされると腹が立ちます。
もしかしたら「仕事中は雑談してはいけない。笑ってはいけない」と自分に強く禁止しているかもしれません。
あるいは「仕事はきちんとしなければならないと自分を追い込みすぎている」ことがあるかもしれません。
もしそうだとしたら、この人たちも一生懸命仕事をしていて、少し息抜きに雑談をして笑っていただけなのに、とても腹が立つ、なんてことも起こりうるのですね。
誰かのせいにするのではなく、あえて「自分がこの感情を感じる理由が自分の中にあるとしたら」と自分の中に理由を探すことで
「自分自身に笑うことも許せないほど、自分を追い込んでいるのかもしれない」
「今の余裕が全くないのかもしれない。余裕があればこれくらいの雑談には腹が立たないはずだ」
と自分自身の状態に気づくチャンスにつながることもあるのです。
気づけば、自分に余裕を持たせてあげる、自分を追い込みすぎないようにする、誰かに助けを求める、手伝ってもらうという対策を打つこともできます。
こうやって自分の感情に気づけると、この状況も客観的に捉えられるようになります。
余裕を持って雑談をしている人たちを見た時に、本当に怠けているのか、一時的な息抜きなのかの判断もできるようになり、怠けているのであればその対処(上司に相談する等)もできます。
この視点を使うことで、雑談をしている人に怒りをぶつけることなく、自分の中の気づきで状況を変える力にしていけるのですね。
◇「責任を持つ」とは背負うことではなく自由になること
さて、この視点の「責任を持つ」とはどういうことなのでしょう。
責任というとどうしても重く背負うイメージを持ちやすいですが、実際は逆で「自由」になるために必要な心構えなんですね。
誰かのせいにする必要がなく、自分の裁量、選択で変えられるということは、誰にも制限されたり縛られたりする必要がないことを表しています。
実は、誰かへの文句というのは、誰かのせいにすることで、自分が決められないからあなたに決めて欲しいのにどうして決めてくれないの!という文句のことなんです。
別の言い方をすれば、誰かや何かのせいにしてしまうということは、その問題を解決するために自分ができることがないと思っている状態のこと。
そのため、問題を解決するためには、自分以外の誰かや何かが変わらないと無理!と感じてしまっているのです。
実は、被害者になっている時というのは、この状態にいるのです。
自分の感情に責任を持つという視点は、被害者の位置から抜け出して、誰のせいにもしないで、自分次第で自分の心の中にある感情にアプローチことを可能にします。
この視点を使うことで、パートナーシップの問題や課題についても、それが起こった原因が誰かのせいではなく、自分自身にあるのだとしたら、「誰か」や「何か」を変えなくても、自分を変えていくことで、幸せになれるということになります。
「自分の感情に責任を持つ」視点を持つのはとても難しいものですが、いつも心がけておくこと、段々身につけていこうと思って取り組んでみてください。必ず役に立ってくれます。