セルフケアで深刻なメンタル不調を防ごう

現代社会には様々なストレスが存在し、「ストレス社会」と言われています。
多くのストレスを抱え、それが原因で「こころの病」にかかる人も増えてきています。

人間はストレスがかかると、それに適応しようとする機能を持っていますが、強いストレスや継続的なストレスにさらされると心身の疲労が蓄積され、ストレスに適応できなくなり、体やこころの病に倒れてしまうのです。

厚生労働省の「労働安全衛生調査(実態調査)平成30年調査」によると、現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は58%だったそうです。
現在は新型コロナウイルスの影響もあり、もっと高い割合になっていると思われます。
働いている方のうち、少なくとも2人に1人は「こころの病」になりかねない状況なのです。

こんなストレスフルな世の中ですが、ちょっとした心掛けとセルフケアで深刻なメンタル不調を自分で防ぐことは可能なので、今回はその方法をご紹介します。
 

(1) 自分のメンタル不調に気づく。

メンタルの不調は、ほとんどの場合軽い症状から始まります。
それは体の疲労であったり、行動や精神面の変化となって表れるのですが、それに自分で気づくことが大事です。

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<メンタル不調の初期症状の例>

●身体面
肩こり、頭痛、寝起きや寝つきの悪さ、だるさ、食欲不振、過食、アルコールやタバコの量の増加など

●精神面
やる気が起きない、集中できない、イライラや不安の増加、必要以上に自分を責めてしまう、など

●行動面
遅刻や欠勤の増加、ミスの増加、攻撃的な言動の増加、人と会うことや話すことがおっくうになる、など
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普段の自分と違って上記のような症状が出始めたら、何かしら強いストレスを抱えている可能性があります。

頑張り屋さんや忍耐強い人は、初期症状が出ていることに自分で気づきにくかったり、初期症状に気づいても頑張り続けたりするので、周りの方が目を配ることも大切です。

厚生労働省の「こころの耳」というホームページに「5分でできる職場のストレスセルフチェック」というものもあるので、定期的に自分のストレスレベルをチェックしてみるのもいいと思います。
 

(2) セルフケアの方法

自分のメンタル不調に気づいたら、セルフケアに取り組みましょう。

セルフケアにもいろいろな方法がありますが、「セルフケアをしなければ」と義務感で行ってしまうと、それ自体がストレスになりかねません。

自分が好んでできたり、取り組みやすかったりする方法を選ぶことが大切なので、いろいろ試して自分に合うセルフケアの方法を見つけてみてくださいね。

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<セルフケアの例>

●十分な睡眠や休息をとる
睡眠は、体の疲れだけではなく脳の疲れも和らげます。
睡眠時間が足りなかったり、眠りが浅かったりすると、疲労感や情緒不安定などのストレスが増える原因となり、メンタル不調も起きやすくなります。

眠る前は心身ともにリラックスした状態になるように心がけ、質の良い睡眠が取れるようにしましょう。

眠れない時は、「眠らないと」と思ってしまうと余計に眠れなくなってしまうので、体を休ませるつもりで横になり、目を閉じて次に紹介する方法で深呼吸を繰り返してみてください。

●深呼吸
深呼吸は、ストレスや緊張でギュっと縮まった筋肉を緩め、体をリラックスさせる効果があります。
また、呼吸に集中し、ネガティブな感情から意識をそらすことで、心を落ち着かせる効果もあります。

軽く背筋を伸ばして楽な体勢をとり、鼻から深くゆっくり息を吸い、口からゆっくり息を吐き出します。
その際、息を吸う時は「新鮮な空気やエネルギー」が鼻から体の中に入り、体の隅々までいきわたるようなイメージを浮かべてください。
息を吐く時は、体の中の不要なものやネガティブなエネルギーが体の外に出るようなイメージで息を吐いてみましょう。
イメージしながらゆっくりした呼吸を何回か繰り返します。
イメージしづらい時は、軽く目を閉じて深呼吸を行うのもいいと思いますし、鼻や口を通る空気の流れを感じることだけに集中するのもいいと思います。

●自分の好きなことや心地よいことをする
運動、カラオケ、ショッピング、読書など何でも良いので、自分が楽しくなったり、心地よくなることをして、気分転換をしましょう。
お気に入りの飲み物を飲む、ゆっくりお風呂につかるなど、特別なことでなくても普段から出来ることで気分転換できるものをいくつか見つけておき、自分が「良い気分」でいられる時間を増やせると、それだけストレスからも解放されます。

●人に相談する
家族や友人、上司や同僚、専門家などの誰かに話し、1人で抱え込まないことはとても重要です。
話すことで頭の中が整理されたり、話すだけですっきりすることもあるので、身近に相談できる人がいなければカウンセリングなども利用してみてくださいね。
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私たちは生きていく中で大なり小なりストレスを感じるので、その対処法を知っておくことは生きやすさにつながります。

早めに自分のメンタル不調に気づき、対処していくことで、深刻な状態になることは十分防げます。

ストレスの対処法は人によって異なるので、いろいろ試して「自分に合う対処法」を見つけ、日々のストレスケアで強い心と体を手に入れましょう。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大学卒業後、地元企業に就職し、デザイン・経理・総務・秘書・営業事務等の業務を経験。不惑にしてカウンセラーを目指すために転職。離婚も含めた人生経験をベースに、楽になる物事の受け止め方を提案する。生き方やライフワーク、メンタルヘルス、パートナーシップ全般の問題を得意とする。