わかりやすい人になれば魅力は伝わる 〜感情を受け入れることがカギ〜

感情に許可を出しわかりやすい人になる

皆さんの周りにいる魅力的な人って、自分の喜びも間違いや失敗も素直に認める、って思いませんか?
逆に、自分の感情や失敗を一切認めない態度を取る人がいれば、ちょっとした怒りを感じたり、不信の目を向けてしまうことはないでしょうか。
自分の感情を受け容れ表現すると魅力が伝わりやすくなり、頑なに否認すると不信感を抱かれる。そんな魅力と感情の話をお伝えします。

さて、今回の講座は「魅力と自分自身の感情を受け入れること」についてお伝えしていきます。

皆さんの周りにも「この人は魅力的だなぁ」と思う人っていると思うのですが、ちょっとその人のことを想像してみていただきたいのです。

魅力的な人って、自分の喜びも間違いや失敗も素直に認める、って思いませんか?

もちろんビジネス上、立場上などで認めることができないこともあろうかと思いますが、しかし魅力的でそばにいると落ち着くと思える人って、自分の気持ちに素直ではないでしょうか。

逆に、自分の感情や失敗を一切認めない態度を取る人がいれば、ちょっとした怒りを感じたり、不信の目を向けてしまうことはないでしょうか。

◯抑圧した感情は周囲から現れる

私たちは自分の感情や非を素直に認めない人と接すると、ちょっと嫌な気分になりますよね。

例えば、仲間が仕事で大ピンチに陥って、もう夜も眠れないほど不安を抱えていたとします。

だから、「大丈夫?なにかできることある?」と聞いたとしましょう。

そこで少なからず「ありがとう、ほんと参っちゃってるんだよ」と聞ければ安心できるかもしれません。

しかし、その仲間がこれ以上自分が不安になりたくなくて「いや、大丈夫だから」と返したとしたら、なんだか嫌な気分がしないでしょうか。その仲間を見ているとなぜか不安を感じないでしょうか。

これは「自分が抑圧した感情は周囲から現れる」という状態なんです。

仲間が抑圧した不安は、その仲間と関わった自分の内面で感じるようになるのです。だから大ピンチの仲間を放っておけない気持ちになるのですけど、相手が素直に自分の気持ちを認めないままだと、こちらの気分も不安のままになってイライラしてしまうのですよね。

こういったことは全く目に見えませんが、私たちの日常の中で頻繁に起きていることなのです。

◯自分の感情を受け容れ拒否していると、魅力は伝わらなくなる

この考え方を応用すると「自分の感情を受け容れないと、なぜか人に魅力的だと思ってもらえなくなりやすい」と言えるのです。

例えば、自分の失敗、非、喜び、嬉しさ、楽しさ、そういったものをすべて否認して頑なに感情的にならず、また今起きていることに素直に反応しない態度は、人に不信感を抱かせやすいのです。

「この人は自分の気持ちや責任に関して認めない態度をとる」と思わせてしまうわけですね。

この不信感、疑いの目を向けられた状態では、なかなか自分の良さ、魅力が周囲に伝わりません。

むしろ警戒されてしまうので、なんだか人間関係がギクシャクしたり、恋愛や夫婦関係においては「別れ」を導く理由になってしまうことが多いのです。

◯自分の感情に素直になってみただけで関係が改善した事例

一つの事例をご紹介します。

その男性はいつもハードワークをしてしまいます。

自分の仕事も山積みなのに、いつも周りの人たちを助けているので、常に時間がないし、休みがない。

その彼には彼女がいて、彼女はいつも彼のことを心配していたのです。普段会えない寂しさよりも、あまりにも仕事ばかりしている彼を見て「倒れてしまわないだろうか」と不安を抱えていたのです。

ことある事に彼女は「もっと自分を大切にしてほしい」と彼に伝えます。

しかし、まだまだ働き盛りの彼は「大丈夫だから、自分のことは自分でよく分かっているから」と彼女に心配しないように伝えます。

彼もまた彼女を不安にはさせたくなかったのです。

しばらくしてある時、彼女から突然「会いたい」と連絡が入りました。会うなり彼女は「好きだけどもう無理、別れたい」と彼に伝えたのです。

彼は彼女のことを好きでしたから、別れを受け入れることはできません。むしろ「寂しくさせたのは悪いと思っている。でも何故だ?」と彼女を問い詰めてしまいます。しかし彼女はその彼の態度に幻滅してしまい、もう話すことはないと彼を突き放します。

どうして彼女が別れようと思ったのかがわからない彼は、彼女とよりを戻したくて相談します。

すると「あなたが自分の気持ちを素直に認めないから、彼女はあなたに魅力を感じていることが辛くなったのかもしれませんね」と聞くことになったのです。

彼は分かっていませんでした。彼女がどれだけその彼に魅力を感じ、好きで、だから彼を見ているだけで不安を抱えていたのか。

しかし、彼自身が「仕事ができなくなる不安」「人の役に立てなくなる不安」をどうにか否認したくて、ハートワークばかりしていました。つまり彼もずっと不安を抱えていたのです。

「今からまだ間に合うかどうかはわかりません。が、あなたがまずその自分の不安を認めてみてはいかがでしょう。そして、その不安をすべて彼女に見せることです。あなたが分からなかったのは、そのあなたの不安をも愛そうとしてくれた彼女の気持ちなのかもしれませんね。」

そんな提案を受けた彼は、随分悩み考えましたが、彼女に自分の不安を伝え、今までの感謝を伝えたのです。

すると、まだ彼への思いを残していた彼女から連絡があり、二人はまた向き合うことになっていったのです。

人は自分が嫌な気分を感じないために自分の感情を抑圧します。

しかし、自分の感情を認めないことで、なぜか自分の魅力や愛情が周囲に伝わらなかったり、人間関係が悪い方向に進むことはよくあることです。

そんなときは「自分の感情を受け容れ拒否していると、魅力は伝わらなくなる」と思いだしていただくといいのかもしれませんね。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. もう一度自分の魅力を実感するために 〜魅力をブロックする復讐心〜
  2. わかりやすい人になれば魅力は伝わる 〜感情を受け入れることがカギ〜
  3. コンプレックスを魅力に変えていく方法 〜ネガティブな思い込みは魅力を隠す〜
  4. 魅力的な自分とは「本当の目的」を生きる自分のこと
この記事を書いたカウンセラー

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年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。