愛を伝えるとお互いがいい気分になる
こんばんは。
神戸メンタルサービスの平です。
先日、女性の読者の方からご相談を受けました。
彼女は、好きな人ができたとしても自分から告白できないので、いつも彼女に声をかけてくる人の中からしか彼を選ぶことができないということでした。
好きな人がいても、その人から近づいてきてくれない限り、自分からいくことはないため、これまでは、自分のことを気に入って近づいてきてくれる人とばかりつきあってきたので、恋愛はいつも受身で、今ひとつ情熱的になれず、クールな恋愛ばかりしているそうです。
「テレビや映画で見るような情熱的な恋愛をしたいのですが、こんな私でもできるでしょうか?」というご依頼でした。
恋愛は、いつも感情的なリスクを伴います。
心理学に「つり橋効果」というのがあります。
ものすごく揺れるつり橋の向こうに缶ビールが置いてあると思ってください。
あなたが缶ビールを飲むためには、とても恐いつり橋を渡る必要があります。
この場合、あなたがつり橋を渡って行った先で飲むビールがおいしいということは、飲む前から決まっているのです。
だって、そうでなければ、恐い思いをしてまでつり橋を渡った意味がなくなってしまうからなのです。
恋愛もこれと少し似たところがあります。
あなたが告白して断られ、傷つくのを恐れて、告白をあきらめたとしたら、その瞬間に、あなたが好きだった相手は「そんなにリスクを冒す価値がない人」ということになってしまいます。
誰だって恋にリスクを冒すのは、恐いことかもしれませんが、あなたが勇気をもって恐れをひとつづつクリアしていく度合いだけ、あなたは彼のことがもっと好きになり、恋愛に情熱を付加できることになるわけです。
私たちは、恋愛に不慣れな時期には必ず、「どうやって相手から告白してもらうか」とか、「どうしたらもてて、相手に近寄ってきてもらえるか」ということばかり考えます。
しかし、これは、あなたが好きになった人に近づいてきてもらいたいということで、あなたが好きでも何でもない人にどれだけ近づいてきてもらったとしてもうれしくないわけです。
ところが、多くの告白ができないタイプの人は、自分の恋心、つまり相手を好きだと思う気持ちを隠すことに懸命になりすぎてしまうため、相手から見たらとても悪い態度をとってしまい、自滅していることが多いようなのです。
こういうタイプの人には必ず、「好きなものを好きと言って何が悪い!」という実習をしてもらいます。
いきなり、彼に「好き」というのは難しすぎるので、まずは、食べ物や飲み物、好きな場所などあなたが好きなことを色んな人に伝える練習をします。
その後、あなたの親友に、あなたが一番大好きな人のことを言う、ということをしてもらいます。
ここまで、できると7割近くの人が、好きな人に告白することが可能になります。
私たちはどうも、自分が一番好きな人やものをほかの人に知られるのが恥ずかしすぎるようです。
告白がちゃんとできるかどうかのリトマス試験紙としては、みなさんが自分のご両親に、感謝の気持ちや「愛しています」をちゃんと伝えることができるかどうか、というのもでもチェックすることができます。
どちらも、「愛を伝える」と言うことに関して、ものすごくリスクがあるからです。
しかし、恥ずかしかったり、恐かったりするのは、自分なのですが、それを言われてとてもうれしかったり、いい気分になるのは、両親や彼だったりするわけです。
自分の方ばかり見てしまうと、好きだという気持ちを伝えることが難しくなるのですが、相手の価値をちゃんと見てあげ、あなたの大好きな人は、あなたがその価値を言葉で伝えるだけの価値があると思えたときに、このとても高い壁が越えられるようになるのかもしれませんね。
では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!