彼女の大きすぎる怒りの原因が誰かを心配する優しさからきていたとしたら
「最近急に、彼女に激しくダメ出しされるようになった。
理由を聞くと、自分にも悪いところがあったとは思うけど、いくらなんでもそんなに激怒しなくていいんじゃないか。
彼女がなぜ怒るのか、怒るにしてもそこまでの大きさになる理由がわからない。」
男性のご相談者さんから、こんなご相談を受けることがあります。
こうした時、ご相談者の方はとても優しそうな男性だったりするので、私からそんな印象を伝えると、彼女はもちろん、職場でも友達からも優しいと言われるし、めったに怒ったりしないです、そんな答えが返ってきたり。
実際にとても優しい男性ということもよくある話です。
この「彼女からも周りからも優しいと言われながらダメ出しされる」ところがポイントになってくるので、こんなケースでは、まずは彼女が言うダメ出しの内容について伺います。
すると、例えば、こんな感じの話が出てきます。
「あなたは優柔不断で、遊びに行く場所も、ランチの店も、私が決めないといけないじゃない!」
「あなたは自分の気持ちを言わなさすぎる。不器用すぎて、自分でも何に悩んでるかわからないのよ!」
なるほど、こんな風にダメ出しされたらご相談者の男性も辛いだろうな、と思います。
同時に、彼女からしたら、彼にこんな風に言いたくなるような優柔不断さ不器用さが気になるのでしょう。
しかし、そうであったとしても「いくらなんでもそんなに激怒しなくても」と彼が思う大きな怒りはどこに理由があるのでしょう。
この問いを解き明かすには、こんな視点を持つことが役に立つ場合があるのです。
それは
「彼女が最近自分にダメ出しするのは、別に不安や心配の気持ちがあるからなのかもしれない。」という視点です。
◇彼女の怒りの原因が彼ではなく別の不安にあるとしたら
ここで、彼女のダメ出しが最近急に増えたことに着目します。
彼女が彼への不満を感じているとしても、それは前からわかっていたことです。
最近になって、今までの不満の蓄積が爆発したとか、彼が大きな地雷を踏んだとか、そんな理由も考えられますが、カウンセリングでお話を伺っていて私が感じるのは、彼女の怒りの原因が彼ではなく別の不安にある場合が結構多いということです。
最近、彼女に前とは違った状況が起こってないか、彼女や彼ら二人の周りの人に変化がなかったか。
その中で、彼女が(時には彼が)不安や心配を感じていることはないか。
そんな風に考えて探してみます。
すると、例えば彼女を取り巻く状況の中のこんな話がでてきたりします。
・最近、彼女が仕事で大きなプロジェクトを任されて大きなプレッシャーを感じているようだ。
・彼女の父親が病気で急に倒れて入院してしまった。
不安や心配は彼女自身のことだけではないかもしれません。
時には彼にまつわる話で彼女が心を痛めていることもありうる話です。
・彼が毎日ハードワークをして疲弊して今にも倒れそう。
・彼の実家の商売がとても大変そうで両親が辛そうにしている。
彼の問題は結婚していたらより彼女の心配事になります。
彼の家族も彼女にとっては家族になりますから。
また、彼女が彼にダメ出ししている言葉どおり
「彼は優しいけれど自分の気持ちを言わず、不器用で自分の悩みにも気づけていない」
タイプだったりすると、彼自身の不安や心配をうまく自分で感じられてない分を、彼女が代わりに感じている場合もあります。
怒りは感情のフタと言われます。
そして、そのフタのしたには、不安や心配や寂しさ、悲しみが隠れていたりするのです。
「もしかしたら、彼女が最近自分にダメ出しするのは、別に不安や心配の気持ちがあるからなのかもしれない。」
一度、こんな視点で彼女のことを見てあげてください。
そして、こんな風にも思ってみましょう。
「確かに彼女が自分に怒りすぎるのは嫌だけど、それくらい心に余裕がないのかもしれない。」
「彼女は、不安や心配を怒りという形を使っているだけで、自分にそれを受け止めて欲しいと思っているのかもしれない。」
さらに、続けてこんな視点を持ってみましょう。
「もし、彼女が誰かや何かを心配しているのだとしたら、それは彼女の心が優しい証拠。」
もし、それに気づいたなら、自分の気持ちを何らかの形で彼女に伝えていくチャンスを待ちましょう。
彼女の中に優しさを見つけられた時、それは、自分の中にある優しさに触れている時でもあります。
二人はどちらもとても優しいもの同士、でも、どちらも形は違えど不器用でうまく気持ちが伝えられてないのかもしれない。
そう思いながら、彼女を労ってあげる、心配してあげる、応援してあげる言葉をかけてみましょう。
言葉に出すのが難しい場合には、簡単でもいいのでお菓子など、彼女の好きなものを買ってきてあげてもいいです。
彼女の中の怒りではなく優しさを見てあげながら、あなたが接点を持てば、彼女の中の優しさが反応しやすくなります。
その流れの中で、不安なこと心配していることがないか、聞いてあげて欲しいのです。
その時、彼女はようやく自分の弱いところをあなたに開いていくことができます。
(完)