彼に与えることができないもどかしさが、彼女の問題だった
こんばんは。
神戸メンタルサービスの平です。
いろんなご相談をいただく中でとても多いのが、「彼や彼女をどのように愛したらよいのか」というものです。
それは、本当にすばらしいことだと思います。
私たちは「人を愛したい」と思いながら、その一方で、「上手に愛を受け取れない」という問題があることもよくあります。
そして、本人がそのことに気づいていないことがとても多いようです。
私たちは子供時代、「両親に愛してもらいたい」といつも思っています。
そして、「どうしたら両親に愛されるか?」「どうしたら両親に興味を持ってもらえるか?」ということばかり考えていました。
ところが、思春期になると、私たちは、あれだけ大好きだった両親に背を向け、男女関係の方に意識を向けはじめます。
すると、両親がそれまでのようにあなたを愛そうとしても、それをうざったく感じてしまい、昔ほど素直に愛を受け取ることができなくなります。
このころ、私たちは、自立のプロセスの真っ最中です。
子供時代は、どう愛してもらえるか?ということばかり考えていましたが、反抗期以降は、どう人を愛せばいいのか?ということに興味が向かっていくのです。
そして、それ以来、私たちは、どういうふうに人を愛せばいいのか?ということは学びますが、相手もあなたを愛そうとしていることには、なかなか目が向きません。
昔、カウンセリングをしたある女性は、手のかかる男性とばかりおつきあいをしていました。
本人が意識的にそういう相手を望んでいたわけではないのですが、なぜかいつも手のかかる彼ばかりだったのです。
彼女は、長女でもあり、とても献身的だったので、面倒を見る側に回ることが多くなりがちでした。
あるとき、友達の紹介で4つ年上のとてもしっかりした自立タイプの男性とおつきあいをすることになりました。
彼は、お父様の設計事務所の二代目の建築士で、有望なエリ-トでした。
彼女は、条件的にも性格的にも問題のない、誰から見ても最高のパートナーを手に入れたのです。
ところが、おつきあいを深めていけばいくほど、彼女は今までに感じたことのないような戸惑いを感じ、ご相談に来られたのでした。
彼女はいつも誰かに「愛を与える」という生き方をしてきたのですが、今度の彼は、とても上手に彼女を愛してくれたのですが、彼女に愛させるスキをまったく与えないような人だったのです。
ドライブに連れて行ってくれる、すばらしいレストランで食事をおごってくれる・・・デートのときに彼女がお金を払うようなことは一切ありません。
彼は、彼女のことを一生懸命愛してくれましたが、彼女も同じように彼のことを愛したかったわけです。
そして、彼に与えることができないもどかしさが、彼女の問題となっていたようでした。
人間というものは、「愛されるから幸せになる」ということもありますが、それ以上に自分の愛を受け取ってくれる人を必要としているようです。
自分の愛を受け取ってくれる人がいれば、あなたは絶えずその人に愛を与え続け、いつも愛を感じて生きられるわけです。
親というものはいつも子供のことばかり考えているものです。
それは、子供が親の愛を受け取り続けてくれるため、親がいつも自分の中にある愛を感じ続けることができるからです。
同じように男女関係では、ときとして、甘えたり、頼ったり、「愛を受け取る」ということが、愛を与える以上に必要となるようです。
今日はあえて、あなたのパートナーやお友達に甘えたり、頼ったりしてみませんか?
では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!