男性が欲しがるもの

男性心理を知りたいみなさんへ

こんばんは。

神戸メンタルサービスの平です。

女性の読者のみなさまから、いちばんよくお問い合わせいただくことは、やはり「男性心理を知りたい」ということです。

「彼が私のことをほんとうに好きかどうか知りたいんです!」、「どうしたら、彼を虜にできるのでしょうか?」‥‥。

もちろん、それぞれの男性にそれぞれの思いや好みがあるでしょうから一概にはいえないのですが、基本的に男性が女性にいちばん求めるものは“やさしさ”です。

男性はよく、「笑顔がきれいな女性が好きです」と言ったりしますよね。

この、「笑顔が好き」の深層心理には、女性のやさしさを求める思いがあることが多いようです。

なぜなら、男性が子ども時代にいちばん好きな女性はおかあさんであるわけですが、そのおかあさんというのは二面性をもっているからです。

一つは、自分がどんな悪い子ちゃんであったとしても、それを温かく受け入れ、面倒をみてくれるやさしい部分。そして、もう一つは、自分を叱ったり、怒ったりする恐い部分。男性はこれを身近な女性にも投影するわけですが、当然ながら、そのときに求めるのは、恐い部分ではなく、やさしい部分であるわけです。

一方、結婚10年もすると、ほとんどの男性が、「うちの奥さん、コワイ」などと言うようになります。

客観的に考えれば、すべての奥さまが恐いはずはないのですが、おかあさんを投影するがために、われわれ男性は親密な女性に対し、「きっと怒るだろう」という思いをどうしても抱いてしまいます。

そして、それが強いほど、恐れも強くなってしまうのです。

そのため、奥さんとは別のやさしい女性を求めてしまうこともあるわけです。

いまから15年ほど前、男性の浮気に関する深層心理をリサーチしたことがあるのですが、浮気性の男性や、女性関係が多い男性は、どうしても女性から怒られたり叱られたりすることが多くなります。

すると、しばしば、それによって傷ついたハートをやさしく受けとめてくれる女性を探し、また浮気をしてしまうという構図があることがわかりました。

ちなみに、やさしさを求める彼らには、恋愛初期にはとてもやさしい男性であるという長所がある場合が多いようです。

男性のほとんどは、エディプス・コンプレックスと呼ばれるものを生まれつきもっていて、このコンプレックスの根底には“罪悪感”があります。

罪悪感という感情は、一般に「自分は罰せられるのにふさわしい」という自己概念を作ります。

つまり、男性の中には、「きっと、だれかが自分を罰するだろう」という思いがあり、その恐れが強いがために、自分の外に敵や競争相手を作る傾向も強くなるわけです。

そんな基本原則があるからこそ、男性は、自分のそばにいて、やさしくしてくれる人には、ものすごく魅力を感じるのです。

10代の男性は、性的な自分というものに、深層心理でものすごく罪悪感を感じています。

だから、この年代の男性は、自分にセックスを許してくれる女性にものすごく魅力を感じます。

それは肉体的なことももちろん含みますが、心理的に性的な自分という罪悪感を許し、包んでもらえる女性に魅力を感じるという側面が非常に強いといえるのです。

男性はこの罪悪感のパターンをもっているために、女性にやさしさを求めるわけですが、このやさしさのシンボルとして、“マリア様や観音様のような女性”というのが出てきます。

どんな自分をも受け入れてくれる女性、これは前述のとおり、やさしいおかあさんが原型になっているのですが、もう一つ、男性が女性に求めるものがセックスです。

マリア様とセックス、この二つはともに男性が女性に強く求めるものでありながら、深層心理では対立しやすく、統合しにくいものといえます。たしかに、“性的なマリア様”というのは、イメージしにくいものですよね。

ほとんどの男性の中で、マリア様とセックスという女性からもらいたい二つの部分は分裂したままでいることが多く、この分裂の投影は、嫁と姑のケンカという形でもっとも頻繁に出現します。

実際に、自分の母親とセックスのシンボルである自分の奥さまとの対立が起こり始めると、男性には、それをどう理解したり、統合したりしていけばいいのかがわからなくなることがよくあります。

それは、彼の深層心理で、いまだに女性の中のマリア様の部分とセックスが分裂していることをあらわします。

ところで、以前、ある企業で幹部研修をお手伝いしたことがあります。

そのとき、参加者の管理職たちに、自分の奥さまの自慢を一つずつ言ってもらったのですが、ある50代の部長が、「うちの奥さんのすごいところは、僕が求めたセックスを一度も拒絶したことがないことだ」言いました。

すると、全員が思わず立ち上がり、「それはスゴイ!」と拍手したのです。

どうやら、男性はそれぐらい、セックスを拒絶されることにダメージを感じているようなのです。

あなたは、知っていましたか?

では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。