仕事をしているとミスを指摘されたり、時には批判やダメ出し、叱責めいたことを言われることが日常的に起ります。
その時だけにとどまればいいのですが、引きずってしまったり、「自分はダメだ」とひどく落ち込んでしまったり、「また指摘や批判をされたらどうしよう」と怖くなってびくびくしてしまったり、というご相談もよくお聞きします。
今回は、こういった時の対処法についてのお話しです。
◆ミスをする自分=ダメな自分と思っていませんか?
ミスを指摘されたり、批判や叱責を受ける時のダメージの大きさは、あなたが普段から自分にどれだけ厳しくダメ出ししているかによります。
例えば、業務上のミスや問題点の指摘は、あなたを責めるためのものではなく、修正や改善を求めるためのものです。
でも、普段から、例えばミスをする自分=ダメな自分、というように自分自身にダメ出ししていると、ミスを指摘された時に「痛いところをつかれてしまった」「やっぱり私はダメだ」とダメージが大きくなってしまうのです。
あなたは自分自身をどのように評価をしているでしょうか?
自分自身への評価を見直してみませんか?
◆不合理な信念
また、ダメージが大きい時は、出来事や相手の言動に対するあなたの解釈の仕方の基礎になる“信念”を変えていくことも大切です。
例えば、「ミスはミス、修正されるべきもの」という信念をもっていると、ミスを指摘されても落ち込むことはありません。
でも、「ミスは悪いこと」「ミスは責められるべきもの」という信念をもっていると、ミスを指摘された時に自分がものすごく悪いことをして、責められるような感じがしてしまうのです。
この信念は、あなたが無意識に身につけたもので、何か出来事が起った時に自動的にこの信念を使ってその出来事を解釈します。その解釈の結果、あなたの気分が決まるのです。
だから、もしあなたがネガティブな気分からなかなか抜け出せないなら、あなたの中にある信念があなたをイヤな気分にさせているので、変えていくことが大切です。
◆相手からのダメ出しは、相手のもの
相手から批判やダメ出しをされると、「自分はその通りなんだ」と落ち込んでしまうかもしれません。
でも、相手の批判やダメ出しは、その人がいつも自分自身に対してしている批判やダメ出しがあなたに投影されているだけのこともあるのです。
例えば、「要領が悪い」とダメ出しされて、実際に、その人はあなたから見るととても要領が良いかもしれません。
でも、単なる指摘ではなく、そこに怒りや攻撃性を感じる場合は、その人自身が、内心では「私は要領が悪い、だからちゃんとしないとだめ」とその人自身に対して厳しくダメ出しして、責めていることが多いのです。
だから、相手があなたに要領の悪さを感じると、普段、その人が自分自身に対してしているように、あなたに対してもダメだししたくなるものなのです。
ただ、そのダメ出しはあなたが引き受ける必要はないものです。
◆助けを求めることも大切
今まであげた3つは自分自身で取り組むことができる対処法です。
でも、実は一番大切なのは、自分一人で抱え込まないということです。
こういったご相談をお話しされると、ほとんどの方が、「でも、ミスをする方が悪いので・・・」「自分にも落ち度があるので」といって、自分を責めて、一人で解決しようとしがちです。
でも、誰かに聞いてもらうことによって、それほど気にする必要がないことやあなたが悪いと思う必要はないということがわかることもあります。
また、時にはあなた自身が言われることに対してNOを言ったり、自分一人ではもちろん対処が難しい場合がほとんどだと思うので、誰かに相談して対処してもらった方がいい場合も多いのです。
ぜひ、あなた一人で頑張らずに、信頼できる人に話してみませんか?