今までの自分のがんばりを承認することが目標達成を具体的に描き実現する土台になる
今回の心理学講座では、達成したい目標を叶えるためアプローチについて4回シリーズでお伝えしていきます。
達成したい目標や叶えたい夢がある時。
それを得られるために役に立つアプローチについて考えていきたいと思います。
大切なのは、達成したい目標や叶えたい夢を具体的に考えること。
具体的に設定すると、夢や目標が手に入りやすくなり、またそのための計画を立て行動に移しやすくなります。
また、具体的に設定することでイメージをインプットしやくすくなりますので、自分の心に方向性が生まれて、その方向に動き出しやすくなります。
例えば、趣味でジョギングやヨガをやっているとして、それをもっと大きな夢や仕事に結びつけていきたいと思っていたとしたら、ジョギングからマラソン大会への出場へ、ヨガを趣味からインストラクターの仕事へと夢が広がっていきますよね。
でも、これだと目標が曖昧です。もっと具体的に細かく自分以外の誰が聞いてもどんな目標なのかがはっきりするくらい具体的にイメージできるようにすることで、目標を達成するために心が動いていきやすくなるんですね。
これはパートナーシップを手に入れたいという目標にも使うことができます。
◇目標や夢を具体的にイメージするのを妨げるもの
しかしながら、こんな目標を夢を叶えたい!と思っても、なかなか具体的にならない、思いは具体的になっているのに計画・行動が伴わない、なんてこともよく伺う話です。
目標を達成するって、心理的にはとても怖れを感じることが多いのです。
願っていることなのにどうして怖いのかといえば、その理由の大きなひとつは「目標達成の価値が自分にはない」と感じているから。
願いながら心のどここかで「こんな素敵なこと、自分が手に入れるには分不相応だ」とブレーキをかける思いが隠れていることも多いのです。
ですから、目標達成のために大切なのは、自己価値に気づいて受け取ることなんですね。
目標を達成するにふさわしい自分に気がついて、それを認める、受け取っていくことができると、ブレーキが外れやすくなり、目標が具体的にイメージできるようになったり、計画・行動を進めていく力が戻ってきます。
目標達成していくために、自分の価値を取り戻すという視点を持ってみてください。
◇今までの自分のがんばりを承認することが土台になる
それでは、目標を達成するだけの自分の価値を取り戻すためにはどうしたらいいのでしょう。
私がおすすめしているのは
「まずは、この1年の自分のがんばりを振り返って認めてあげる」
という方法です。
目標を達成したいと願う気持ちを強く持っている方は、実は自分に厳しいところを持っている方が多いように感じます。
自分への厳しさは、努力できる力・向上心・探究心・責任感等の才能がある証拠なのですが、それゆえに周りから見たら出来ていることがたくさんあるのに、自分ではまだまだこれでは努力が足らないと自らにダメ出しをして追い込んでしまう方も多いです。
すると、この提案を投げかけると「後悔や反省ばかりが出てくる」と言われる方が少なくありません。
確かに、できなかったことうまくいかなかったこともあるかもしれませんが、実際には、できたこと、成果が必ずあります。
そして、ベストを尽くしてきた努力、また、経験によって学び成長できたことがあります。
この年月の自分をなかったことにしてしまうと、そこに必ずある自分の経験、学び、成長といった価値をも切り捨てることになってしまいます。
それでは正しい自分の価値を認識することにならないのです。
目標達成にふさわしい自分の価値に気づいていくために、まずは、この一年間の自分へのがんばり、変化、手に入れたものを整理し、自分のものとするところから始めていきましょう。
あなたはこの1年、ベストを尽くしてきました。
・がんばってきたこと。
・うれしかったこと、楽しかったこと。
・手に入れることができたもの。
・自分が変化したこと。
こうした項目について、具体的に振り返り、そして、1年の成果として受け取っていこう、と思いながら、リストアップしていきます。
これを10個以上、リストアップします。
そして、こんな風にがんばった自分に価値があり、これは今、自分が掲げている目標の達成に必ずつながっていくはずだ、と感じてあげてください。
まずは、この一年を、取り組めるようなら数年間まで遡るとより自分の価値が見えてきます。
私のカウンセリングを受けてくださった方の中には生まれた時からの人生を振り返って年表にした方もいます。
この振り返りは、今あなたが立てた目標の原点を知る機会にもなり得ます。
あなたは何故、今、この目標を達成したいと願っているのでしょう。
この目標を掲げるきっかけになった出来事や思いがそこにはあるはずです。
この原点は、ゴールまでの過程で行き詰まった時や疲れた時に「原点に帰る」つもりで思い出すことで、目標達成のための力になります。
(続)
1.目標達成の心理学~今までの自分のがんばりを承認することが土台になる~
2.情景が思い浮かぶような具体的なイメージが目標達成を近づける
3.目標達成の過程でやってくる問題・課題は学び成長のチャンスにする
4.「貢献」の視点が目標達成の大きな力になる~あなたが本当に望むもの~