もし執着することで自分の変化を止めているとしたら、それに気づき一歩を踏み出してみる
「失恋した相手への思いがなかなか消えない。これは執着しているということなのだろうか。もしそうならこれを手放して次の恋愛に進んでいきたい。」
こんな思いでカウンセリングを使ってくださる方に向けて、私がお伝えする話はいろいろありますが、今回の記事は執着についてちょっと深い視点でお届けしたいと思います。
その視点とは、執着する心理には「自分がより良く変化することへの怖れ」が含まれているということなんです。
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失恋した相手への思いを手放したいのになかなかできずに苦しんでいる。
でも、早く手放して次のステージに進んでいきたいと感じている時。
これは、今の状況を動かしたい、そんな自分を変えたいと思っている時です。
しかしながら、もし、心の奥底では
「自分が、状況が変化することが怖い」
と感じているとしたらどうでしょう。
しかも、それは悪く変化することではなく、より良い変化への怖れだとしたら。
この気持ちは、なかなか自覚しにくいのですが、
「もし、自分が変わりたくなくて、現状から動きたいくないと思っているとしたら。そのために彼に執着しているとしたら」
という視点をあえて持ってみてください。
このことに気づき、自分が動くことを選択できれば、執着を手放していく道を段々と進んでいくことになり、それは、自分が今よりもっと素敵で素晴らしい自分に変化していくという道につながっていきます。
◇もし、あなたの心がより良く変化することを怖れているとしたら?
まずは「早く彼を手放して今の状況を、自分を変えたい」と思っている気持ちの下には、
「変化への怖れ」
が隠れているかもしれないという視点を持ってみましょう。
心は変化するのを怖がる性質があるとも言われます。
それは悪い変化でも良い変化でも同じです。
もし、あなたが自分がより良く変化することを怖れていてるのだと仮定しましょう。
すると、変化しないように今のところにあなたを留めておく方法があるとして、それが「ずっと失恋した相手を思い続けること」だったとしたらどうでしょう。
表面意識上では
「相手への思いが消えないから、私は次に進んでいくことができない」
だったとしても、
深層心理では
「次に進んでいくことが怖いので、相手への思いを持ち続ける」
だったとしたら。
この視点はちょっと深い話になりますので、ピンとこない方もみえるのではないかと思います。
ですが、この話に何かしら心が動くと感じらた方は、まずは「もしもそうだとしたら?」と仮定の上で、自分の心の中を探ってみる、感じてみるところから始めていただけたらと思います。
逆に言えば、ここまで変化を怖がっているということは、あなたが大きく変われるチャンスがきている証拠と考えることもできるのです。
「もしかしたら、私は変化するのを怖がっているかもしれない。そうだとしたら、これは自分が今までにないほど大きく飛躍できるチャンスが来ているかもしれない。」
怖れに気づいたら、次にこの視点を持ってみてください。
この時、ずっと思い続けている相手に対しての失恋に意味が見えてきます。
今回の辛く悲しい失恋があったからこそ、あなたは大きな変化に向かって進んでいるのです。
自分が変化するのを怖がっていることに気づきを持って、それを変化のチャンスと捉え、その上で、前に進みたい、より良い自分に変わっていきたいという意欲を持つことで、この怖れを超えていく力が生まれてきます。
そして、この気づきと共に、まずは、小さなことでいいので今までとは違う一歩を踏み出してみてください。
例えば、インドア派の人だったら、アウトドアの何か、スポーツとか、キャンプとかをやってみる。
アウトドア派の人だったら、読書する、音楽を静かに聴く等をしてみる。
今までにないジャンルのものをやってみる、見たり読んだり聴いたりしてみる。
恋愛と関係がないことでもオッケーです。
まずは一歩を踏み出すこと。どれだけ小さなことであろうと動いたことに変わりはありません。
自分を動かすことが怖れを減らします。
大切なポイントは「変化する一歩」であることを十分、自分に言い聞かせてあげながら行動することです。
例えば、こんなセリフを自分の心に向かって言ってあげます。
「自分の変化を怖れているとしたら、最初の一歩が一番怖いはず。私は自分の変化を受け入れるための一歩を踏み出します」
そして、失恋相手に対して、感謝の気持ちを持ってあげてください。
この失恋には必ず意味があり、それはあなたの学びと成長のチャンスなのです。
このチャンスをくれたのは失恋相手なんですね。
さらに、あなたが彼への強い思いを持っていることに対して、
「これほどの思いを持っているのは、自分が大きな愛を持っていて、相手のことをこれほど愛せた証拠なんだ」
と認めてあげましょう。
そんなあなたは幸せになる価値があるにちがいありません。
そう思って、あなたが幸せになる恋愛、結婚について具体的に考えてみてください。
この一歩は、わずかな一歩でも、あなたの変化の大きな一歩になっていきます。
(完)