目標達成のために大切なのは自分と誰かの両方に喜びがもたらされる「貢献」という視点
目標達成の心理学。
最終回は「自分だけでなく、みんなが幸せになれるビジョンを描くことの大切さ」という視点です。
私たちの心は誰かの役に立ちたい、愛したいという気持ちが根底にあると言われます。
自分だけでなく、周りにいる人の幸せに結びつく目標や夢というのは、自分一人のための喜びより、ずっとずっと大きな喜びにつながっているんですね。
こんな願いが実現したら、自分も嬉しいし周りも笑顔になる。
これは、心のモチベーションになり、実現していく大きな力になります。
それは「叶えたい願いはなんでもいいわけではない」ということ。
もっと言えば、自分勝手なわがままな願いは、心の奥底でブレーキがかかって、願いが叶えにくくなるはず、なんですね。
◇あなたの願いが叶った時、周りの誰を笑顔にしてあげられるでしょうか
目標や夢を具体的に設定していくとき、この視点を付け加えてみましょう。
つまり、
「あなたの願いが叶った時に、あなたの周りの誰を笑顔にできるか、その人はどんなふうに喜ぶか」
ということ。
これは誰かや何かに対する「貢献」という視点です。
貢献という視点で目標や夢を考えていくと、心は喜び、その達成に向けて進みやすくなります。
また、自分のためだけでなく誰か笑顔にするという視点で目標や夢を考えると、その内容や方法も広がっていきます。
具体的に説明していくために、この連載の2回目で例え出した「ヨガのインストラクターになる」という目標を使っていきたいと思います。
ヨガ教室のインストラクターになりたい。
素敵な場所で素敵な教室を持ちたい。
この願いを叶えたい時。
どんな人を笑顔にしたいのでしょう。
自分がこの目標を達成した時、誰が喜んでくれるのでしょう。
こうした問いかけを自分にしていきます。
すると、笑顔にしたい生徒さんの顔が浮かびやすくなります。
どんな生徒さんを対象にしたいのか、も具体的にできるんですね。
男性なのか、女性なのか。
年齢はいくつくらいなのか。
自分のヨガによって、どんな効果を得て欲しいのか。
もっと言えば、
どんな背景の、どんな悩みの、どんな志を持った人に来てほしくて
その人にどんな風になって欲しいのか。
そのためには、自分はどんなことをどんな風にどう教えるのか。
それは、ヨガのインストラクターになりたいと思った動機や過去にヨガに行き着くまでに通ってきた道のりを思い出すことになることもあるでしょう。
例えば、
「3年前に人間関係で悩み、体調を崩して仕事に支障が出るほどだった私。
そんな時、友人の勧めで体験したヨガをやってみたら、体だけでなく心もとても軽くなった。
心と体ってつながってるんだな、と思った。
それからヨガを学んでいるうちに、教えることがしてみたくて、この目標を持つようになった。
すると、ヨガで元気になったことを知っている友達や家族も、それを応援してくれている。」
こんな背景があるとしたら、
自分と同じような悩みを持っている人を笑顔にしたい。
身体だけでなく、心も軽くなるようなヨガを提供したい。
これを叶えたら、友達や家族が喜んでくれる。
そして、それは自分自身の大きな喜びになる。
ということになります。
この思いを土台にすると、目標は一個人の欲求から、誰かのためにやっていきたい内容に広がっていきますし、現実にしていくための計画や努力をしていくモチベーションになります。
そして、これは途中で辛いことがあったり問題があっても、それを乗り越える力になります。
目標達成のために、この「貢献」という視点を持って見直してみてください。
そのことにより、自分では思ってもみなかった広がりを持つことになったり、モチベーションが高まっていき、達成していく大きな力にしていくことができます。
(完)
1.目標達成の心理学~今までの自分のがんばりを承認することが土台になる~
2.情景が思い浮かぶような具体的なイメージが目標達成を近づける
3.目標達成の過程でやってくる問題・課題は学び成長のチャンスにする
4.「貢献」の視点が目標達成の大きな力になる~あなたが本当に望むもの~