本当に欲しいのは正しさ?幸せ?
■正しさへの拘りを手放す
カウンセリングで私は、
「正しさに拘りすぎると幸せが逃げてしまうことがありますよ。少し正しさへの拘りを手放してみませんか?」
ということを提案することがあります。
(自分が思う)正しさに拘っていると、それによって誰かとの関係性(パートナー、家族、友人、同僚)が悪くなってしまうケースがあります。
そんな時に、こんな提案をすることがあるのです。
■正しさに拘ると幸せが逃げる
正しさに拘りすぎると幸せが逃げてしまうとは?
どのようなケースなのかを例え話を使って説明していきましょう。
例えば、
Aさんはという男性がいたとします。
Aさんのパートナーは忘れっぽい性格で、トイレやお風呂の電気をつけたまま消し忘れたりしまうことがよくあります。
また、二人で決めた生活のルールである、
共用のものはここに片付けるという決まりも守れないことがよくあります。
外から家に帰って、後で共用の置き場に片付けるつもりでひとまず別の所に置くと、そのまま片付け忘れてしまうことが、よくあります。
それは、
ときどきではなく、
しばしばでもなく、
ちょくちょくでもなく、
よくある人なのです。
そんな忘れっぽいところがあるパートナーだとしましょう。
Aさんは、
電気の消し忘れや、
二人で決めた生活のルールを守れていないことを
良くないことと思うほうでした。
それは、
ちょっと良くないなという程度ではなく、
かなり良くないと思っている方でした。
そのため、Aさんは、パートナーにことある度に、そのことを指摘します。
それも強い口調で注意するのです!
「電気のつけっぱなしは良くないよ。電気代はただじゃないんだよ。もったいないことをしないでよ。こないだも気を付けると言ってたけど全然変わってないじゃん!」
「 2人で決めた生活のルールはちゃんと守ろうよ。決めたところに片付けて置かないと、急いでいて、探す余裕がない時に困るでしょ。相手のことを考えたらそうするべきだよね!」
そのようなことがよくあるパートナーに、
ことある事に、
強い口調で注意するのです。
そしてパートナーは、その度に
「ごめん。気をつけます・・・」
と言うのです。
Aさんが言う、
電気の付けっぱなしはもったいないという言い分、
2人で決めた生活のルールはちゃんと守ろうという言い分は、
理不尽なことを言っているのでしょか?
そうではなさそうです。
一般的にまっとうな言い分のようです。
Aさん的には正しいことを言っていると思っていたとしましょう。
しかし、あまりにその正しさに拘って、
パートナーの行動が正される迄、
ことあるごとに強い口調で注意をするとどうなるのでしょう?
Aさんのパートナーの立場だったら、どんな気持ちがするのでしょうね?
例えば、
3日に一度のペースで10年間言われ続けるとします。
(365日÷3日×10年間=1216.666666・・・
10年間で約1217回注意をされる計算になります)
あなたがAさんのパートナーの立場だったら、どんな気持ちがすると思います?
もしかしたら、パートナーの立場からすると嫌な気持ちがするかもしれませんね。
パートナーの立場からすると、
『 電気がつけっぱなしなのは確かに良くないかもしれない、
2人で決めた片付ける場所に片付けてないのも私がよくないのかもしれない、
でも、ことあるごとに責められるのは嫌な気持ちがする。
細かいことをグチグチとあいつは本当に口うるさい奴だ(怒)』
という気持ちになっちゃうかもしれませんね。
■正しさは手に入るけど幸せが逃げる、本当に欲しいのは?
あなたは、
言い負かされたいですが?
論破されたいですか?
逃げ道をふさがれて追い詰められたいですか?
いかにあなたが間違っているかを知らしめられたいですか?
この質問を読まれて、
「このシチュエーションは・・・・・ぞくぞくする」
と思われた方は何らかのマニアな方かもしれません。
たいていな方は、それをされると嫌な気持ちになると思います。
そして、
あなたをそんな気持ちにさせる人を、あなたは好きになりますか?
そうはなりませんよね?
好意的な気持ちが増えていくというより、好意的な気持ちが減っていく可能性が高そうです。
Aさんのパートナーも、おそらくそうでしょう。
(何かのマニアではない限り)
++++
正しさに拘って相手を正そうとしすぎると、心が離れていったり、仲が悪くなっていくことがあります。
たとえ、
相手を正すことができても、
それによって相手の心が離れてしまっていたら、
幸せではなれないでしょう。
これは、
正しさは手に入るけど幸せが逃げてしまっているという言い方ができます。
また、
正しさに拘り相手を正そうと怒っている側も、相手が正されるまで怒りが継続されている状態は幸せな気分ではありません。
このように正しさに拘り過ぎると幸せが逃げてしまうことがあるわけです。
■正しさへの拘りを手放す(緩める)
このようなことがあることを踏まえて、
ご自身の身にも起きていないかをチェックしてみてはいかがでしょう?
自分はやっていないかなぁ?ってチェックしてみるんです。
正しさに拘って相手を正そうとしている時は、
幸せが逃げていっていることを見落としてしまっていることがあります。
そんなことが起きていなかチェックしてみるんです。
(チェックしてみて、ぜんぜん、そんなことなかったよ!であれば何の問題もありませんね)
そして、チェックしてみたところ、
もし、正しさに拘るがあまり幸せが逃げてしまっている状態になっているのであれば、ご自身の心に問いただしてみるといいかもしれません。
「私が欲しいのは正しさを手に入れることだろうか?幸せを手にいれることだろうか?」と。
もし、正しさを手に入れることであれば今までどおりの価値感、接し方の路線でいいでしょう。
でも、もし幸せ手に入れることであれば正しさの拘りを手放して(緩めて)みようとしてもいいかもしれませんね。
例えば、
例え話のAさんが正しさの拘りを手放す(緩める)としたら、こんな感じになるのかもしれません・・・。
「忘れっぽい彼女に私のレベルのようにきちんとしろというのは過酷なことを強いているのかもしれない。
電気代がもったいないことよりも、きちんと片付けることよりも、彼女が幸せな気持ちでいられるもっと重要視しよう。
多少消し忘れがあっても、片付け忘れがあっても、それに拘らないことで二人の笑顔の時間が増えればそれで良しとしよう」
という具合に。
今回は、
例え話でAさんと、そのパートナーを使って説明しましたが、家族、友人、同僚などとの関係でも同じ考えが使えます。
もし、誰かとの関係が良い関係になれていない時は、
自分は正しさに拘りすぎて相手を正そうとしすぎていなかな?とチェックしてみてもいいかもしれませんね。
そして、正しさを手放して(緩めて)みることにより、あなたのもとに幸せがより入ってくるといいですね。
何かのヒントや、参考になれれば幸いです。
読んでいただきありがとうございました。
(続)
1.正しさよりも幸せを手に入れる〜本当に欲しいのは正しさ?幸せ?〜
2.自分が正しいと思い込み相手を非難してしまう時〜ビリーフ編〜
3.自分なりのやり方が産む人間関係の摩擦〜パワーストラグルからの脱出〜
4.自分のこだわりが緩められない時〜痛みを癒やすと緩められる〜