我慢したり察してもらおうと抑圧した感情は、外に出てくるのです。
今回、担当させていただく大門です。どうぞ、よろしくお願いします。
私たちは、日々感情を感じています。
ですが、大人になった今、それを素直に表現している人は少ないかも知れません。
少々腹の立つことがあったとしても、「私、怒っています」とは表現しませんよね?
その代わりにどのようにするかというと、「怒っています」と言わずに、怒っていることを伝えようとしてしまいます。
つまりこんな感じです。
彼からメッセージの返信がなかなか来ない。
「私が何度もメッセージを送っているにも関わらず、彼は仕事が忙しいとか言って、返信は夜帰宅してからである」
「これって、私のこと大切にしていないってことじゃないの?」
「失礼だ!」
「もっと私のことを大切に扱って欲しい!」
と彼からの返信が遅いことに怒っていたとしても、
「これくらいで怒るなんてうるさい女だと思われてしまうかもしれない」
「私が彼に言ってから返信が早くなったとしても、それは彼が私を大切にしてくれているってことにならないから、彼に気づいてもらわないと意味がない」
などと考えて、「返信が遅いので、私のこと大切に扱ってくれないと感じて怒っています」とは言わない。
その代わりに、友達の彼の返信は早いのよと言ってみたり、言葉の端々に「怒っているとは言わないけれど、私が怒っていることに気づいて行動を改めなさいよね」というメッセージを込めてみたりします。
そうすると、どうしても相手を非難するような言い方になってしまうことも多く、言われた側は、段々と気分を害することになる。
その結果、「何だよ!そのトゲトゲした言い方は!」と彼が怒り出したりする。
初めに怒っていたのは、メッセージの返信が遅いと感じていた彼女だったのに、その怒りを抑圧した結果、彼が怒りだしてしまった。
抑圧した感情は、外に出でくるのです。
今の時代、素人さんが動画配信でおもしろ動画を多数配信されていますが、人気があるのは、出演している人が真顔でおもしろいことをしている動画だったりします。
出演者が、楽しそうに爆笑している動画は楽しいのですが、これは楽しいという感情が共鳴するからで、「おもしろい!」となるのは、出演者は、真顔なんだけれど、話している内容がおもしろかったり、やっていることがおもしろかったりすると、おもしろいという感情が抑圧された状態で演じているので、観ている人たちが、より「おもしろい!」と感じるのです。
お笑い芸人さんのように、人におもしろいと感じさせるのが職業の人は、それでいいのですが、そうではない人たちは、感情を抑圧せずに表現し、楽しいならば、楽しいを共有する方が、自分も楽しいですし、周りの人も楽しくなります。
怒りの感情も同じです。
察してもらおうとか、我慢すればうまくういくと考えて抑圧してしまうのではなく、「私は、怒っています。返信を早く返してくれると、大切にされていると思えるので、早く返して欲しい」と伝えてみるのがいいですよね。
それでも、仕事が忙しかったりすると、すぐには返信できないかもしれませんが、彼は「返信が遅くなるのは、君のこと大切に思っていないからじゃなくて、仕事でどうしても手が離せないからなんだ。君のことは大切に思っているよ」なんて言ってくれるかもしれません。
怒りを抑圧した結果、彼を怒らせてしまうよりは、良い方法ではないでしょうか。
なるおど、抑圧した感情は外に出てくるのか。
それならデートの時に、彼により楽しんでもらうために、私が楽しいを抑圧すればいいのだなと思った人もいるかもしれませんが、それはうまくいかないことが多いので、やめておいた方がいいですね。
自分が「楽しい!」と感じているのに、抑圧して仏頂面だったとしたら、相手は「楽しくないのかな?」「怒らせたかな?」と心配になってきてしまいますからね。
それよりも、楽しいならば、楽しいを表現した方が、相手も安心して楽しいという感情に共鳴することができます。
1人で楽しむよりも、2人ならより楽しくなりますしね。
ごくたまに、楽しいを抑圧して、我慢しきれなくなって、吹き出した時に、2人で大爆笑することがあるかもしれませんが、それまでの間に、心配しすぎて疲れてしまいますからね。
ポジティブな感情は、表現して共鳴することで、より大きく感じられるようになります。
ネガティブな感情は、表現することで、無用な喧嘩を減らして、周りの人に理解してもらいやすくなります。
簡単ですけれど、参考になりましたら幸いです!
ありがとうございました。
(完)