人はいつも誰かの役に立つ存在でありたいと思っているようです
こんばんは。
神戸メンタルサービスの平です。
心理学の用語で「自己重要性」と言うのですが、人間というものは、いつも誰かの役に立つ存在でありたいと思っているようです。
これを恋愛に置き換えると、あなたのパートナーにとっても、あなたの役に立てているかどうか、あなたに必要とされているかどうかがというのがとても大事なことのようです。
私たちは、恋愛においては、相手をどういうふうに愛するか、ということばかり考えてしまいますが、ひょっとしたら、恋愛で一番大事なことは、相手の自己重要性をいかに満たしてあげるか、ということなのかもしれません。
女性の方からご相談をいただく悲劇的なストーリーにこういうのがあります。
「君は一人でもやっていけるだろう。でも、アノ娘は僕がいないとだめなんだよ」
みなさんも、一度くらいは聞かれたことがあるはずです。この話では、彼の「自己重要性」を満たしてあげたのが、アノ娘の方だったわけですね。
私たちは、ついつい愛することばかり考えてしまい、相手に愛させることを忘れがちになってしまいます。
人によっては、愛されることが当たり前になりすぎて、傲慢になっている人もいますが、感謝をもって彼の愛を受け止めることができれば、パートナーは、どんどんあなたを愛したいようです。
以前、ご相談に来られた奥様は、旦那様がとても高学歴な理系の研究職で、男女関係や恋愛はものすごく苦手な方でした。
奥様は、ひじょうにできた人だったのですが、何とかこのカタブツな旦那様とラブラブな夫婦になれないかとご相談に来られたわけです。
その後、私どものコースに入られて、1年ほど心理学を勉強し、いろいろと旦那様のことを理解することができるようになりました。
しかし、その結果、旦那様は絶望的なほどの恥ずかしがりやさんで、悪気はないけれど、恥ずかしすぎてロマンチックな雰囲気に耐えられないタイプなのだと気づかれたのです。
それ以前は、旦那様は仕事にばかり関心があり、私には関心がないんだと考えていらっしゃったわけですが・・・
そして、この絶望的な恥ずかしがりやの旦那様を何とかその気にさせるにはどうしたらいいのか、というご相談を受けたときに、この「自己重要性」をテーマにある作戦を授けました。
ある日曜日、奥様は、朝から出かける予定があったのですが、あまりにも雨がひどかったので、ゆっくり寝ている旦那様をたたき起こして頼んだのです。
「ごめん、悪いんだけど、駅まで車で送ってちょうだい」
多くの人は、「当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、この奥様は、こんなことをご主人に頼んだことは一度もなかったのです。
「何だよ、寝てるのに・・・」と不機嫌そうな旦那様に、奥様は、はじめて言えたのです。
「かわいい奥様のお願いなんだから、しょうがないわよね」
そのときにだんなさまが「まあそうだな」と答えたことが、彼女にとってものすごくうれしかったわけです。
そしてそれ以来、奥様は「電球替えてね」とか、「戸棚の上のその荷物を取ってくださる?」とか、「今日、帰りにおしょうゆを1本買ってきてくださいね」などありとあらゆることをご主人に頼み、その度に感謝を伝える、という方法で、ご夫婦の距離をものすごく縮めることができました。
時として、パートナーにあなたを愛させてあげることも男女関係ではとても大事なことのようですね。
では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!