子育てをしていると「私の子育ては、間違っていないだろうか?」そうやって、正解を求めてしまうお母さんは多いようです。初めての子育てなら、戸惑うことも多々ありますものね。
けれど、そんな疑念に捉われたときは、デン!と構えて、地に足を着けることが大切です。
こんにちは。今回、担当させていただくカウンセリングサービスの吉村ひろえです。
よろしくお願いいたします。
■ 子育てに不安はつきもの
子育てをしていると、色んな不安や心配を感じることがあると思います。
もっといえば、母親は育てる前から、たくさんの不安を抱えますよね。
「私は、お産に耐えれるだろうか?」
「赤ちゃんは、元気に産まれてきてくれるだろうか?」
「私は、良いお母さんになれるだろうか?」
赤ちゃんとのご対面が、楽しみではあるものの
身体の変化や初めての出産に、戸惑うことも多いかと思うのです。
そして無事、出産を終えて安心したのも束の間。
「子育てって想像以上にタイヘン!」
そう感じるお母さんは、少なくないかと思います。
特に新生児のころは、これまでとは生活のリズムがガラッと変わるので
精神的にも身体的にも慣れるまでがひと苦労ですよね。
というか、慣れるも慣れないも、一日一日、赤ちゃんのお世話で精一杯ですから、
そのような変化にすら気づかず、否が応にも慣らされていくのかもしれません。
そして、しばらくして子供のいる生活に慣れてきたら、少し余裕が出てきます。
そんなときです。
友達親子やご近所さん親子、テレビの中のママタレさん達に目が向くのは。
「あれ?私の子育てって、これで正解?」
「もっと、こうしてあげた方が良いのでは?」
と他のママさんたちと自分を比べて、不安を感じることも出てくると思うのですね。
そして、焦ったり落ち込んだりしてしまう、というご相談を多くいただきます。
けれど、そんな時こそお母さんが、デン!と構えてグラグラとブレないことが大切です。
昭和風にいうならば ”肝っ玉母ちゃん” の心構えです。
■なぜ、肝っ玉母ちゃん?
なぜ、肝っ玉母ちゃんの心構えが大切なのか?
それは、子供はお母さんの不安な心を敏感に感じるからです。
私たちの感情は共鳴する作用があります。
少し想像してみてくださいね。
あなたが電車に乗っていると、イライラソワソワしている人が隣にドスン!と座りました。
顔はしかめっ面で腕を組み、足は小刻みに揺れている。
そのとき、あなたはどんな気持ちになりますか?
そんな人が近く来たら、あなたまで落ち着かない気持ちになりませんか?
「なんだか怖い人だな」と恐れを感じるかもしれないし
「感じの悪い人だな」とイラッとするかもしれません。
これは、隣に座った人のソワソワとした落ち着かなさや、怒りが共鳴している状態です。
反対に、いつもドッシリ構えていて前向きな人の傍にいると
自分もヤル気が湧いてきたり、自然と明るい気持ちになる。
このようにして私たちは、無意識に誰かに呼応して、感情を共有しているのです。
この共鳴作用。
親子ならば、距離が近いぶん強く働きます。
小さな子は、思考が十分に発達していないぶん、敏感に親の感情を察知するのです。
なので、肝っ玉母ちゃんの要素は、子供に安心を与えるためにも大切な要素なのです。
「なにがあっても大丈夫!」
というブレない姿勢は、心理学でいうところの ”グラウンディング” です。
グラウンディングとは、しっかりと ”地に足が着いている” 状態のこと。
これが出来ていないと、どこか心許なく、自分に自信を持つことも難しくなってきます。
心に余裕やゆとりが持てず、焦燥感に駆られたり常に何かに追い立てられているような落ち着かなさが続きます。
そうすると小さな子供であればあるほど、お母さんの ”不安” や ”恐れ” に共鳴してしまうのです。
■グラウンディングの大切さ
「ウチの子はまだ歩かないわ」
「この子はまだ九九も出来ない」
「こんなに学校嫌いで、ちゃんと社会に出れるのだろうか?」
子育て中は挙げだせばキリがないくらい、あらゆる心配事が出てきます。
親としては、そのたびに気を揉むかと思うのですね。
それは当然のことでもあります。
けれど先ほど述べたように、ここで親が不安に飲み込まれると、子供はその不安な気持ちに共鳴します。
なので、お母さんは地に足を着けて ”子供を信頼する” ことに意識を向けて欲しいのですね。
では、どうしたら心配を信頼に変えることが出来るのか?ですよね。
私事ですが、私が長男を産んだとき、私の母は既に他界していました。
父は健在でしたが、子育てについては全くもって、アテならない笑
そのうえ私は、そもそも子供が苦手だったし、そんな自分が出産することに、強烈な不安があったんですね。
「ちゃんと産んで育てることが出来るのか?」
「あんな小っちゃい生き物、死なせてしまったらどうしよう」
「しかも、頼れる人がいない」
それはそれは、恐れと不安でいっぱいでした。
そんな中、仲人をしてくださったご夫妻が、お祝いに駆けつけてくださったんです。
奥さんは母親としても大先輩です。
で、私がポロッと「子育てって、こんなに大変だったんですね」と漏らしたところ
「そうね~ でも、授乳してオムツ替えて、お風呂入れて、熱さえ出さなかったら大丈夫よ~」
とサラッと言ってくださったんです。
「え、それだけでいいの?」
と一瞬、拍子抜けしましたが、まぁ、よく考えたら新生児ですし
「なぁんだ、そこだけ守っていけばいいのかぁ~」
とやけに納得して安堵したんですね。
赤ちゃんが、なかなか泣き止んでくれないと、なんで泣くのだ?とアレコレ悩みますし
同時期に出産した友達から
「うちの子、この間から寝返りしだしたよ~」
なんて聞くと
「うちは、まだだわ」
と焦ります。
その度に
「ミルク、オムツ、お風呂。熱さえ出てなきゃ大丈夫」
「焦らなくても大丈夫。今日も熱は、ない。寝返りもそのうちするハズ」
グラつきそうな気持ちをはねのけて、地に足を着ける。
焦りや自分の子育てへの疑いが出てくると、呪文のように自分に言い聞かせていました。
また、娘が中学校にあがって、学校に行ったり行かなかったりしたときも、担任の先生に
「いやぁ~、お母さん、この子は大丈夫。1週間に1回くらい登校したらそれでいいよ」
とのお言葉が。
ここでも「へ?」と拍子抜け。
「学校って毎日行くものではなかったの?そんなことで世間は許してくれるの?」
と目からウロコです。
娘が学校を休むたびに
「ダイジョブか?うちの娘」と
焦る気持ちやら、もどかしい気持ちが出てくるんですけど
「週イチの登校で大丈夫」
との言葉を思い出し、自分に言い聞かせて、グラウンディングします。
とかいいつつ、3日以上休まれると
「いい加減にせんかーい!」
と、バトルが繰り広げられたことも、多々あるんですけどね笑
でも、その度に何度も何度も
「心配よりも信頼」
を自分のセンターに持ってきます。
そうすると、落ち着いて子供と向き合えるのです。
「この子はこの子なりに、一生懸命なんだろうな。私が信じてあげないとな」
そんな気持ちが湧いてきます。
■子供に育てられる
親は最初から親ではなく、子供に育てられて親になります。
「自分が産んだ子供なので、自分の思い通りに育つと思っていた」
ある女性映画監督がテレビでそう話していました。
ほんと、見事にたくさんの壁にブチ当たらせてくれるのが、我が子です。
けれど、その度に親も子も、一緒に成長してゆきます。
その渦中は必死で、親子で成長しているなんて到底思えないのですけど。
なので、“心配や悩みはあって当たり前” と理解して
でもその度に
「この子は大丈夫!」
と地に足を着けて、肝っ玉母ちゃんのようにデン!と構えていてほしいのです。
何度も書きますが、その振る舞いが子供を安心させるから。
私の場合は、仲人の奥さんや担任の先生の言葉に助けられましたが、人によっては音楽であったり本の中の一節が、勇気づけてくれるかもしれません。
なにか、あなたの心を落ち着かせてくれるものがあれば、不安に飲み込まれそうになってもグラウンディングしやすくなりますよ。
子育てに心配はつきものですが、悩んだり不安を感じるということは、あなたがそれだけお子さんを、愛しているということです。
その愛情は、ちゃんとお子さんに伝わっているから大丈夫。
自信を持って、デン!と構えていてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、少しでもお役に立てれば、幸いです。
来週は、那賀まきカウンセラーがお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに。