ウンザリとする関係を変えるために

その“感情”と別れたいとしたら

こんばんは。

神戸メンタルサービスの平です。

私どもがみなさんにご提供しているカウンセリングのなかで、よくこんなお話をすることがあります。

「彼氏と別れたいと思ったとき、あなたがほんとうに別れたいのは、彼ではないのですよ」。

「なんと、ややこしい!」と思われるでしょうか。ほとんどのクライアントさんも、「私が別れたいのは彼であって、それ以外のだれとも別れたくないですけど‥‥」とつっこんでこられます。

でも、そうおっしゃっても、あなたがほんとうに別れたいのは、彼とではないのです。

では、いったい、なにと別れたいのでしょう?

じつは、あなたは彼といるときに感じている“感情”と別れたいと思っているのです。

たとえば、おつきあいが始まってまもない時期は、デートの時間に、ロマンスをたくさん感じ、親密感を感じ、愛もたくさん感じていたのに、いつのまにか盛り上がらなくなってきて、退屈に感じてきて、そして、二人でいるのに淋しさを感じるようになってしまうことがあります。

その淋しくていやな感情と、あなたは別れたいのではないでしょうか?

そういったお話は、このメールマガジンでも何度かお話したことがあると思います。

そこで、「なぜ、そもそも、そういうふうに感じてしまうのか?」ということを、きょうのテーマにしたいわけです。

恋愛初期のころ、私たちは自分のパートナーのことをよく知りません。

その時期の私たちは必ず、「たぶん、こんなステキな人ではないだろうか」、「私が長年求めていたタイプの人に違いない」などと、自分の憧れや理想を彼に投影します。

そして、彼自身に恋をしているというよりも、理想化された彼(実態の彼とはだいぶ違う)と恋をしています。

だから、とても楽しいわけです。

ところが、しばらくたつと、あたりまえなのですが、あなたの理想がつくった彼と、あなたの横にいる彼とはだいぶ違うことがわかってきます。

すると、当然、リバウンドが起こります。

あなたがパートナーを理想化した度合いだけ、失望が大きく、ケンカも絶えなくなってしまいます。

たとえば、あなたの理想の彼は、けっしてグチは言いませんし、おならなどすることはありません。

ところが、あなたの横にいる彼といったら、会うたびにグチっぽくて、そして、あなたの前でしょっちゅうおならをするかもしれないのです。

すると、あなたはすごく腹が立つわけです。だって、そんなことをされると、あなたの理想が崩れてしまうのですから。

しかしながら、あなたの理想にはおかまいなしに、横にいる彼はグチも言えば、おならもします。

そして、そうなってくると、いよいよあなたには、現実の彼と直面しなければいけない時期がやってくるのですが、このとき、ほとんどの人が起こす間違いは、彼の悪いところばかりを見て、彼の現実、真実だと思い込んでしまうことです。

恋愛の初期のころは、彼のいいところばかり見つけ、それが彼自身だと思うものです。

それに対し、このころは、彼の悪いところばかり見つけ、そして、それが彼だと思ってしまうわけです。

もちろん、だれだってそうであるように、彼にはいいところもあれば悪いところもあるわけです。

本来はバランスよく、彼の両方の側を見てあげることが大事なのですが、なぜかそれができず、ネガティブなイメージを彼に投影してしまうのです。

たとえば、恋愛初期、「彼はとてもまじめに仕事をする人」だと感心していたのが、ロマンスが薄らいでくるころには、「彼は私には興味をそんなになく、仕事ばかりしている人」などと見えてしまったりします。

また、恋愛初期、「男らしい人」と魅力に感じていた部分は、「女心がわからない、ただの粗野なヤツ」となってしまうかもしれません。

そして、気づいていただきたいのですが、あなたがそのようなネガティブな目で相手を見てしまうと、人間ですから、必ずそういうふうに見えてしまうわけです。

たとえば、「男だから、必ず浮気をするはずだ」という目で見ていると、彼のちょっとしたことに対しても、あなたは疑い深くなってしまいます。

それはまた、彼が愛しにくい、嫉妬深い女にあなたをしてしまうこともあります。

すると、彼の感情の中でも、ロマンスのときには「情熱的に僕のことを愛してくれる彼女」であったあなたが、「嫉妬深くて、ウザイ女」と変わってしまったりするわけです。

そこで、きょう、みなさんにお教えしたい、うまくいく恋愛のヒケツは、「パートナーを変えようとするのではなく、あなたがパートナーを見る目を変える」ということです。

パートナーのふるまいで、あなたはいやな感情を感じているのだから、あなたはパートナーのことを変えたいと思いますよね。

でも、そもそも、あなたにはパートナーの悪いところしか見えていないわけですし、それでは、ただケンカの原因を増やすだけです。

そうではなく、「私は、完全なはずのパートナーを、不完全なもののようにしか見ることができません。どうか、パートナーの中にある美しさやすばらしさを、しっかりと見て感じられる私になれますように」と祈ってほしいのです。

そう、この時期、二人の関係にほんとうに必要なことは、おたがいにそのような目をもって、もう一度見つめ合うことなのかもしれません。

そして、もし、あなたがもう一度、パートナーのことをそんな美し目で見ることができたなら、あなたのパートナーもきっと、あなたのその美しさに惚れ直すことでしょう。

それによって、あなたがいま、いちばんほしいもの‥‥、ロマンスや情熱ややさしさが手に入るはずなのです。

では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。