仕事のやる気が出ない理由が完璧主義のワナだとしたら ~素晴らしいものを作りたい情熱に気づく~

やる気が出ない気持ちの下にあるのは「素晴らしいものを作りたい情熱」だとしたら

今まで誇りを持ってやってきた仕事なのに、全くやる気が出なくなってしまった。それは望んだものができないなら、やらない方がマシという完璧主義のワナにハマっているのかもしれません。抜け道は素晴らしいものを作りたいという情熱があるからこそ、できないと悩むという自分の価値に気づくこと。

がんばってきた仕事なのに「やる気が出なくなってしまった」と悩んでいる時。

それは「完璧主義のワナ」にはまっているからなのかもしれません。

今回の記事では、仕事に対してやる気が出ない理由をこの視点で読み解いていきます。

例えば、こんなご相談

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WEBデザイナーを生業としている者(35歳・男)です。

以前は大手の会社に勤めていましたが、自分の意に沿わない仕事や、予算内に妥協したものを作ることが辛くなり5年前に独立。

今は仕事内容が評価され業績も好調です。

しかし、最近、困ったことが起こっています。

それは全然やる気が出ないこと。

独創的なデザインが売りだったはずなのに、新しいものが作れるとは思えず、新規のお客さんを断り続けています。

長年、僕を支えてくれた恋人とようやく結婚話が進んでいるのに、これでは先行きが不安でなりません。

どうしてやる気がなくなってしまったのでしょうか。

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完璧主義は両極端になりやすい

やる気が全くでなくなった時、完璧主義に陥っている視点を持つことが解決の糸口になる場合があります。

しかし、完璧主義の自覚がない方も多いので、そんな方に私がお話しするのは部屋の片付けの話です。

「完璧主義の人の部屋は、塵一つ落ちてないか、全く片付いてないか、のどちらかになる」

この話をすると、完璧主義タイプの方は「あ!なんかわかる!」と言われることが多いです。

完璧主義になればなるほど「100か0かの両極端」になりやすくなるので、部屋の片付けも、きちんと片付いているか、全く片付いていないか、の両極端になりやすいのです。

これはやる気の話も同じなんですね。

「完璧にやれないなら、何をやっても意味がない」と感じているかもしれないのです。

やる気が全くでない自分を責めていることに気づくこと

やる気がでないと悩んでいる時というのは、自分の気持ちが「仕事をきちんとやりたい!素晴らしいものにしたい!」とは正反対になっていると感じています。

だから、そんな自分を責めます。

特に、今まできちんとやってきた、自分なりの成果を出してきた人ほど、できなくなってしまった自分を責めるのです。

すると「できない」「やる気がでない」自分の気持ちばかりに焦点が当たってしまい、その下に隠れている「素晴らしいものを作りたい」という気持ちがわからなくなってしまうのです。

実は逆なんですね。

こうした時の感情は「きちんとやりたい、素晴らしいものにしたい」という強くて熱い思いがあるからこそ、妥協ができなくなってしまい、だったら何もやらないほうがマシ!となっているのです。

誇りと責任感がブレーキをかけるとしたら

さて、今回のご相談例にこの視点を当てはめてみましょう。

「自分の意に沿わない仕事や、予算内に妥協したものを作ることが辛くなり5年前に独立」

この一文だけでも完璧主義タイプであることが伺えます。

元々、自分の持つ「独創性」を発揮したくて独立しているし、実際にその後お客さんからが認められているわけなので、このことに誇りを持っているのではないでしょうか。

それゆえに「もっといいものを作って提供したい」→「なかなかそうしたものが作れない苦しみ」→「妥協するくらいなら何もしないほうがマシ」という心理になっているかもしれないのです。

しかも、長年支えてくれた恋人との結婚が近いとなると、このプレッシャーはもっと大きくなります。

結婚は、男女問わず、喜びとセットで責任感を感じるものです。

責任は悪いものではなくて、責任をはたすからこそ恩恵も得られるのですが、これがプレッシャーに感じる人も多い。

結婚するからにはもっとしっかりしなきゃ、成果を出さなきゃ、と完璧な夫になる、経営者になる、と完璧主義に拍車がかかってしまう場合もあります。

「素晴らしいものを作りたい」情熱を持つ自らの価値に気づく

ではどうしたら「完璧主義のワナ」から抜け出して、やる気を取り戻していけるかについて考えてみましょう。

まずは最初に書きましたように「完璧主義のワナにハマっているのではないか」と気づくこと。

そして「やる気がでない自分を必要以上に責めている」こと、さらに「それは素晴らしいものを作りたいという情熱が理由」という気づきにつなげていきます。

やりにくい時は、これらに「・・・かもしれない」と可能性を含ませると受け入れやすくなります。

そして、やる気がでないことに焦点を当てるのではなく、素晴らしいものを作る情熱を受け取ることです。

そのためには、お客さんや仕事でつながりのある人の中に、この情熱を持っているかどうかを聞いてみること。

なにより、長年支えてくれた恋人に聞いてみることです。

自分の価値は自分では気づきにくく、また受け取りにくいものです。

大切に思っている人から教えてもらうことで、気づき、受け取ることができます。

この自らの価値をいつも思い出しながら仕事に段々と意識を向けていきましょう。

小さなことから始める、目の前のことをコツコツとやる等について、常にこの視点を持ちながら取り組むことがやる気を取り戻す一歩につながると思ってみてください。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。