問題を通して受け取ったギフト

ちまたでは、コロナウィルスでまん延防止等重点措置がとられている中、血液センターから親展と書かれた通知が私宛に届きました。

春と秋、年に2回の献血を習慣にしていた私が、そろそろ秋の献血へと考えていた頃で、献血への協力要請かと思いきや、そこには、ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型陽性(擬陽性)とあり、今後の献血をご遠慮くださいとありました。

驚いてネットで検索すると、今ある体の痛みの症状や思い当たることがいくつも出てきたのです。

さらにドキドキしながら、少ない情報を探してみると、発症後の症例、予後不良など、治療法がなく短期間でお亡くなりになっている事例がいくつもでてきて、一気に絶望感に飲み込まれてしまいました。

「うそでしょ!?」「うそでしょ!?」「うそでしょ!?」

10年以上に渡る献血習慣で、自分は基準値より、もともと白血球が多いということは知っていましたが、まさか白血病なんて!!

「あと半年しか生きられないなんて!!」(すでに勝手な思い込みが始まる・汗)

あまりにもショックで怖すぎて、心が恐れで固まって、すっかり動かなくなってしまいました。

その翌日、ちょうど別件で話をすることになっていたカウンセラーの仲間に、感情が切れたまま淡々と事情を分かち合うと「そんなことがあったんだね」「さちえちゃんの気持ちに準備ができるまで、私からは、誰にも言わないでおくからね」と、受けとめてくれたのです。

そして、それがのちに「すごく重い話を打ち明けてしまった!」と申し訳ない気持ちになり、何とかしなければと、少しずつ、この問題に対処するために動き出すきっかけになっていったのでありました。

* * *

一度、深く信じ込んでしまったことを払拭するのは、なんと厄介なことなのでしょう。

自分が正気ではないのをどこかで自覚していた私は、その後、信頼のできる他の友人にも応援と励ましをもらいながら、まずは出ていた痛みが何なのか、事実を含めてちゃんと向き合おうと決め、病院で受診することにしました。

まずは、かかりつけのクリニックに相談し、血液内科のある病院で精密検査をしてもらうことになりました。

結果として、擬陽性とされたウイルスの存在や病気を否定してもらったものの、痛みや不安、疑いや怖れはなかなか消えてはくれませんでした。

納得や安心しきれなかった私は、引き続き他の病院も紹介してもらい、CTなどの別のアプローチで検査し、本当に大丈夫と思えるエビデンスを集めることにしました。

最終的には、首に痛みがあるのはストレートネックがあるからとわかり(笑)、ステイホームで落ちた筋力を回復することが取り急ぎの課題であるということに落ち着きました。

もし、あの時、誰にも打ち明けられずに一人で抱えて思い悩んだままだとしたら、本当に心も体も病んで、癌になってしまっていたかもしれません(汗。

そう思えるほど、一時は、強い怖れを感じていたため、本当に体のあちこちに異変もでており憔悴していました。信じ込みの力って、それくらい現実を創り出すパワーがあることを思い知ったのでありました。

〇古いプログラムを解除する

突然に死を突き付けられた恐怖の中で、私は、今の自分が本当に望んでいることは何か?を何度も自分に問いかけ選び直しました。

心理学では「現在の問題は過去の痛みが姿を変えたもの」などと言ったりします。
医療機関でのエビデンスを集める一方で、私は、自分に心の中でこんな質問をしてみました。

「もしわかるとしたら、この問題から、私は何を学ぶ必要があるのだろう?」

すると、すぐにその答えにつながる記憶が思い浮かびました。
それは、かつて私が「死にたい」と願った時期があったということでした。

子供のころ、夫婦げんかの仲裁をしようとしたことがきっかけで、親から虐待的な扱いをされていた時期がありました。

叩かれたり、家を閉め出されたり、閉じ込められたり、ガラスの灰皿が頭をかすめる恐怖を感じるたびに「死にたい」とよく思っていたのです。

それに気づいた時、私は、過去に繰り返し願ったこの願望をキャンセルする必要がある!と、必死の思いでネガティブなシナリオ(妄想)や潜在意識のプログラムをキャンセルしました。

〇真の願いを選択する

また、「私はまだ死ねないし、死にたくない!!」「生きたい!もっと生きたい!」と、生きることに執着にも似た思いが湧いているのを感じ、残りの人生は「生きる喜びを感じながら生きる」ことを意図しました。

ここでこの選択ができたのは、長年にわたって癒しに取り組んできた成果だったと思えます。

こうして、私は潜在意識に保留になっていた実現しなくてよかった願いを、タイムラグを経て軌道修正することができたのです。

〇ギフトが問題の答え

また、心理学では、どんな問題もギフトを隠している、ともいいます。

問題がどんなに大きいとしてもそれを変容させるもっとも簡単な方法のひとつが、問題の陰に隠れているギフト(恩恵)に気づくことです。

ギフトを受け止め分かち合うと、エゴが少なくなり、恩恵に対し心が開くようになります。

・「助けを求める」ことに対する不自由さがなくなり、助けを求めた相手にリスペクトできるようになったこと。
・秘密主義の殻を破れ、自己開示が自由に、より自然になったこと。
・分かち合いを通じて、フェアな関係を築くことができるようになったこと。

この体験は、私にとって死ぬほど怖かったけど、癒すこと、心のブロック解除に必要な多くの気づきと経験を与えてくれました。

この10年以上をかけて、私たちは、放射能やウイルスをきっかけに、見えないものがあるということを知りました。

また、見えないものわからないものを人は恐れるという性質を知り、私たちはどうやら、信じたものを引き寄せる。そんなこれまでにない新しい発想の経験をしながら、過ごされた方も多かったのではないかと思います。

今回は、どんな問題がやってきても、癒すことに答えがあるのだと思った体験を分かち合わせていただきました。

この世界は投影でできている。心を整えると問題は消えていく。真実でないことは消えていき、より本質的な体験ができるようになるなど。

決して一般的な発想ではないかもしれませんが、このコラムを通じて、心や潜在意識へのアプローチという方法に興味を持っていただけたなら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛、夫婦関係、職場の人間関係、転職・キャリアほか、自己実現など幅広いジャンルに対応する。 わかりやすいレクチャーをモットーに、感覚やインスピレーションを活用するハートフルなセラピーとの両面で癒しのプロセスを後押しするのが強み。自分のペースで気づき、変化、成長できると好評である。