バカにする人・バカにされる人の心理

「バカにされやすい」人のための2つのチェックポイント

「私はバカにされやすい」と思っているとしたら不愉快でしょう。今回は、バカにする人・バカにされる人の心理を、2つのチェックポイントで仕分けしていきます。本当にしたいことは、バカにされたと怒ることではないでしょう。2つの視点から、状況の捉え方を変えていくための方法をご紹介します。

自分は人から「バカにされやすい」「見下されやすい」「マウントを取られやすい」「軽く扱われやすい」などと感じていませんか。

もしそうだとしたら、悔しい思いをいっぱいしたでしょうし、人間関係でだいぶ御苦労をなさったのではないでしょうか。

今回は、バカにする・される人の心理について、2つのチェックポイントからご紹介します。

◇チェックポイント1:自分だけ、みんなにも?

仮に、バカにしてくる上司がいるとしましょう。「またバカにされた」と思ったら、腹が立つでしょう。本当は楽しく仕事がしたいと思っているのに、自分を守るためにその上司と戦わなければならなかったとしたら、それは苦しかったのではないかと思います。

ひとつめのチェックポイントは、その上司はあなただけを特別バカにした態度を取っているのでしょうか。それとも、職場の他の人たちにも同じような態度を取っていて、他の人も上司に怒っているのでしょうか。

もし、みんなにも同じような態度をして嫌われているのだとしたら、その上司のコミュニケーション方法に課題がある可能性が高いでしょう。

ちょっと想像していただければと思うのですが、人をバカにしている人は幸せな気持ちに満たされているでしょうか。たぶん、「いいえ」でしょう。人をバカにするコミュニケーションしかできないのだとしたら、その人自身もイヤな気分を味わっていると理解した方がよさそうです。

例えば、家族からバカにされて育ち、他のやり方のコミュニケーションを知らないのかもしれません。あるいは、心理的には劣等感が強くて、それが辛くて優越感を持つことに固執しているのかもしれません。「俺すごいだろう」と自慢ばかりする人は、本当は自信がないから褒められたくて自慢しているのと少し似ていますね。

バカにしてくる人と接することは、気分のいいことではありません。でも関わらなければならないのなら、「この人を理解してみよう」とチャレンジすることをお勧めしたいです。

人をバカにしてしまう人は、心に「人から大切にされない」痛みを抱えているケースが多いです。でも、人をバカにする態度を取ってしまうので、周囲の人から大切にされにくい状況を自ら作り出してしまいます。

もし、人をバカにする態度の奥に隠れた「誰にも大切にされない気持ち」を理解することができたら、相手の見え方が変わってくるのではないでしょうか。

◇チェックポイント2:環境を変えても、バカにされやすい

この職場で私だけがバカにされているという場合の、ふたつめのチェックポイントです。バカにされたのは今回が初めてでしょうか、それとも他でも「バカにされる」と思うことが多いでしょうか。

実は、「バカにされやすい」と感じる方は、他でも同じような扱いを受けた経験を持つ方が少なくありません。また、人から否定されることにとても敏感な傾向があるようです。例えば、他の人は上司から同じことを言われても気にしないのに、自分だけはすごく気になったりしていませんか。

これは、例えて言うなら、「バカにされた」と感じやすい人の手のひらには切り傷があるようなものです。ケガした手で握手をしたら、どんな握られ方をしても痛みを感じるでしょう。ケガのない他の人は友好的な握手ができるのに、ケガがあると難しいですよね。また、環境を変えて握手する相手が変わっても、やっぱり痛みを感じやすいでしょう。

心の状態に話を戻すと、この手のケガは自分を大切にする気持ちが傷ついている状態です。表面的には、人から大切にされないことに傷ついていますが、心の奥には、自分が自分を大切にできない気持ちが隠れているようです。

自分が自分を大切に思えない時、人と比べて劣等感を持ったり、ダメな自分を嫌ったり、自分が許せなかったり、自分に価値がない・価値が低いと思っていたり、ひどく自分を否定している状態があります。何かお心当たりはないでしょうか。

そして、自分を否定していると、「自分が自分を否定的に思うように、人からも否定的に思われるだろう」と心が反応するので、たいして意味のない言葉も否定に聞こえやすくなります。また、自分が自分を否定する要素が多いだけ、「否定された」と思う要素も機会も多くなるので、「バカにされた」と感じやすくなるのです。

「バカにされやすい」というのを根本的に改善していくには、自分が自分を大切にすることが重要です。

それには、

(1)自分に優しく、自分を大切に扱う
(2)自分のいいところに目を向ける
(3)自分が大切にされたことを思い出す
(4)意識的に「ありがとう」を言う

などがお勧めです。

これまで、人からの否定にとても敏感になってきたのだとしたら、これからは、その敏感さで「人の善意を感じてみよう」と思ってください。

そのためには、感謝に取り組むのがお勧めです。善意に心を反応させると、まったく違った世界が感じやすくなるでしょう。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。