自分らしさを隠していませんか?
こんばんは。
神戸メンタルサービスの平です。
私たち人間は、それぞれにいろいろな魅力をもっているのですが、自分で自分の魅力をわかっていて、それをそのままに表現できている人というのは、どうも意外と少ないようです。
それどころか、多くの人は、おしとやかにしたり、おすまししたりして、まるで自分を殺すことにエネルギーを使っています。
そのために、つまらなく、退屈な人になってしまっていることに気づいていないこともよくあります。
先日、古くからの私どもの受講生から相談を受けました。彼女はとても明るく、いつも大きな口を開けて笑っているような魅力的な女性です。
感受性も豊かで、情が濃く、そして、少しスケベなところもみんなに大人気です。
彼女は東北出身で、二十歳ではじめて東京に来たときに、ものすごいカルチャーショックを受けたそうです。
それは、「東京の人は、なんとおしゃれなのだろう」ということでした。それに対し、自分はなんてダサくて、いけていないのだろうと思ってしまったのです。
また、自分が標準語をうまく話せず、なまってしまうことも気にしていました。
その後、彼女は自分なりに一生懸命がんばり、とても素敵な女性になったわけです。ところが、それをまったく認めようとはしません。
まるで、自分が精一杯背のびして生きているように感じているのです。
そして、前述のように、彼女の魅力は明るく、楽しく、情が濃く、ちょっとスケベですぐに人を好きになるところなのですが、自分では「なんで、こんなにかんたんに人に惹かれてしまうのだろう」とか「私は下品なのではないか」などとばかり感じてしまい、こんな部分は、大好きな人にはけっして見せられないと思っています。
でも、私たちは彼女のその部分が大好きなわけです。飲み会やカラオケなどのときも、ぜったいに外せないメンバーとして、いつも彼女を呼ぶわけですが、彼女は自分で自分につける点数はあまり高くないわけです。
また、私をはじめ、彼女をよく知る人には、彼女に彼氏ができないことがまったく理解できません。
なぜなら、何度も言うように、ほんとうに魅力的な女性であるからです。
先日も、彼女はある男性からデートを申し込まれたのですが、その男性は彼女のタイプだったので、すごく期待してデートに出かけたそうです。
ところが、後日、「どうだった、デートは?」と聞いてみたところ、彼女は浮かぬ顔で「彼のこと、好きじゃないかも‥‥」と言いました。
デートがつまらなかったそうなのです。
そこで、私は彼女に聞いてみました。「ひょっとして、また、おすましをしてデートしちゃったの?」。「もちろん!」と彼女は答えてくれました。
私たちから見て魅力的な部分を、彼女は“下品でだらしのない私”と思い、それをぜんぶ隠し、デートしてきたようなのです。
それは、まるでお通夜に行ってきたようなものではないかと推測します。
当然、彼にしてみれば、そんな彼女といてもまったく盛り上がることができなかったでしょう。
しかも、「いったい、彼女は僕のことが気に入っているのだろうか?」と疑ってしまったのではないでしょうか。
つまり、彼女が盛り上がらないので、彼も盛り上がらないのですが、彼女はそれが自分のせいだと気づいていないわけです。
そして、彼を見て、「私じゃつまらないんだ」とヘコんでしまうわけです。彼もまた、どんどんテンションが下がる彼女を見て、「僕といてもおもしろくないんだ」とテンションが下がります。
そうして、会話も減り、どんどんつまらないデートになっていくわけです。
私は、「いつものようにしてさえいれば、うまくいくのに」と言ったのですが、「そんなことしたら、私はぜったい嫌われる」とかたくなな彼女。
「じゃあ、好かれてるの?」と聞くと、「ぜんぜん」という答えが返ってきます。
「だったら、やってみようよ!」とアドバイスするのですが、なかなかその気にはなってくれません。
でも、考えてみてください。
あなたが自分らしさを隠していて、そんなあなたを好きになってもらったとしたら、一生、彼の横ではおすまししながら、生きていくのでしょうか?
ほんとうに大事なのは、いつもどおりの自然体のあなたを愛してくれる人と出会い、一緒に生きていくことなのではないでしょうか?
自分らしくいる。
それは、ちょっと勇気が必要なことなのかもしませんね。
では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!