仕事に、家事に、育児に、恋愛に・・頑張れなくなったのはなぜだろう?
いまの仕事に使命感を持ち情熱を傾けてきたのに、ある日突然、意欲や熱意を失ってしまい、もう働きたくないと感じるようになった。集中力が足りていないからか、遅刻やミスが増えて叱られることが多くなってしまった。
ネットで子育て情報を検索したり、育児書を参考にしながら「いいお母さんにならなきゃ」と自分なりに頑張ろうとしたのだけれど、最近は泣いている子供を見るとイライラして怒ってしまう。
なるべく寂しい思いはさせたくないと、休日や平日の夜の時間を恋人のために割いてきたけれど、だんだんと恋人の相手をすることが億劫になってる自分がいる。いままでは楽しみだった恋人からのLINEの返事がプレッシャーになってしまい、数日スルーすることが増えてしまった。
ケースバイケースではあるのですが、こういった心境や状況に陥っている時には「心が燃え尽きている」ことが多いです。
◯燃え尽きているときには、心のエネルギーが空っぽになっている
「燃え尽き」とは、ひたむきに何かに向き合い頑張り続けてしまった結果、心のエネルギーが空っぽになって動けなくなった状態のことを言います。
私たちの体や心を「車」に例えるとしたら「心のエネルギー」はガソリンのようなもの。
ガソリンが十分に補給されている状態であれば、ドライブはとても快適です。
しかし、ガソリンを補給することなく走り続けたらどうなるでしょうか。
最終的にはガソリンが切れ、車は動かせなくなってしまいますね。
実は心も車と同じで、心のエネルギーが枯渇してしまうと思うように動けなくなってしまうのです。
◯燃え尽きからの回復のファーストステップは、頑張ってきた自分を認めること。
心のエネルギーは「意欲や感情」の原動力ですから、燃え尽きている時というのは、たとえ自分にとって大切な仕事や夢、お子さんや家族、恋人が対象だったとしても、無気力になってしまったり、優しい気持ちを向けることが難しくなります。
ですから、燃え尽きたときにはゆっくり休んで心のエネルギーを回復していくといいのですが、頑張り屋さんほど「大切にしたいものを煩わしく感じてしまう自分」であったり「頑張れない自分」を責め、自分を追い込んでしまったりするのですよね。
カウンセリングの現場でお話をお伺いしていると、燃え尽きている方ほど「自分はそれほど頑張っていない」「もっと頑張らなければいけない」と感じている方が多いように思います。
でも、そんな頑張り屋なあなたが燃え尽きているとしたら、今まで十分すぎるほどに誰かのために頑張ってきたからじゃないかと私は思うのです。
今は、その優しい目を自分にも向け、燃え尽きから救ってあげる時期に来ているということだと。
もしもあなたが上記のような「燃え尽きからくる状況」にあるかもしれない、と感じたら、まずは今の状況を受け入れ、頑張っている自分を自分で認めてあげましょう。
認めにくければ、今の状況に置かれているのが親友だと思ってみるといいかもしれません。
今日まで頑張ってきた親友に、あなたはどんな声をかけてあげたいでしょうか。
日頃、同じような思いやりを自分にも向けられているでしょうか。
燃え尽きやすい人には「周りの人のために、自分のことを後回しにしてしまう傾向」があります。
「自分にも優しい目を向ける」ことを意識していくことができると、燃え尽きからの回復が早くなったり、燃え尽きにくい日々を過ごすことができるようになりますよ。
◯心が燃え尽きているときに試してみるといいこと
では最後に、心のエネルギーを補給する方法をいくつかご紹介しますね。
よろしければ、できそうなところから取り組んでみてくださいね。
(1)休息や睡眠を大事にして、エネルギーを補充する
ゆっくりしたり楽しめることをする時間、睡眠時間をできるだけ確保してみましょう。
心を休めたり、いい感情で心を動かしていくと、心のエネルギーはゆっくりと回復してきます。
忙しければ、たとえ10分でもいいので、自分の好きな飲み物を飲みながら一息つく時間を作ってみてくださいね。
また、あまりに休む時間が確保できないようであれば、身近な人に事情を話して一緒に考えてもらいましょう。ひとりで抱え込まないでくださいね。
(2)自分を縛るルールをすこし緩めて、エネルギーの消費を減らす
周りの人の気持ちを気遣いすぎたり、プレッシャーが大きすぎたり、完璧主義の傾向があると、エネルギーの消費が激しくなります。
「〜しなければならない」「〜すべきではない」というルールが自分の中にあると気づいたら「〜するに越したことはない」など、すこし緩め、消費を減らしていきましょう。
燃え尽きは、あなたの心があなたに救いを求めるサインです。
ひとつのきっかけにして、あなたも大切な人も幸せになれる方法を探してみてくださいね。
参考になりましたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(完)