・宿題いつになったらやんの?
・起きて。もう時間過ぎちゃうよ。
・机の上ぐちゃぐちゃだよ、片づけて。
・ゲームいつまでやるの?時間でしょ?
16歳になりました我が息子に、ほぼ毎日私が言うセリフです。
カウンセラーいえど、私も人の親。言っちゃうんですよね。
一般的にはあまりこれらの言葉はあまり言ってはいけない言葉になるようです。
私も子どもが出来たら注意しないとなーって、妊娠していた時はいつも思っていました。
・勉強なんて言わなくても時期が来たら勝手にやる。
・いちいち起こさなくても遅刻したら思い知る。
・ゲームは時間を決めたらいい。
一般的に言われている注意すべきことを頭に置いておこうと。
ところがです!
我が子にこれはいっさい当てはまらず、
勉強も宿題も、ほっといたらあまりにして来なくて学校から電話がかかってくる。
遅刻しても凝りません。タイマーかけても二度寝する。
ゲームの時間を決めても、ここでもタイマーをかけても気が付かず。目の前に自分で決めたルールを書いて紙に貼っていても、全く意味がない。
そして私が口を出す。それがダメだと分かっていても口を出す以外に方法がなくなります。
■子育てに翻弄される自分
そんな子どものいろんな悩みを抱えてらっしゃる方もたくさんおられますよね。私もカウンセラーでありながら、我が子の行動に、現在ただただ向き合う毎日です。
いろいろ考え手を尽くし、そして成功される親御さん。見事です!
でもいくら頑張っても、いっさい効かない我が子のような場合もあるんですよね。
そんな時に夫が言う。
「そんなんほっとったらええやんけ。」
あなたは忙しくてたまーーーにしか関わらないので冷静に言えるでしょうよ。
こちとら、あなたの何倍も関わってんだから、こっちの大変さ想像せずに簡単に口出してんじゃねええええ!!!!
・・・・と、こころの中で暴言を吐きながら、そんなふうに冷静に見れればいいなぁと羨ましい限りです。
・息子との話
一人でいろいろ考えても仕方がないので息子の意見を聞こうと思いました。
何度もこういった話をしているのですが、今回はちょっと心配だけじゃなくて、いろいろ聞いてみたいと思いました。すると、
「朝起きれることもある。」
「勉強も自分から動くときもある。」
「ゲームは確かに土日はいつまでもやっちゃうけど、普段はやってないときもある。」
・・・とひょうひょうと答えられました。
我が子は非常にポジティブなので、私に怒られても基本懲りません。
真面目にしっかり𠮟りつけても、
「うーん。よく分からない。」とか「一応気をつけてるんだけど。」とか。
親に改めて向き合って話をされても、きっと子どもの頭では、答えられることと、上手に説明することが出来ないこともあると思います。
しかもこういう話は長々されるとしんどいだろうしね。
だからなるべく私の心配ごとは短めに、それ以外にでもいろいろ聞いてみようと思いました。
それでもこういう話合いは大事なんだろうとは思うんですよね。
息子の話すことを聞く。意見に聞く耳を持つ。
そこを意識して聞いていると、普段聞けない彼の意見を聞くことが出来ました。
それは、今後のことを改善するとか、今の生活をなんとかするとかそういう話じゃないけれど、話していくうちに、多岐に渡っていろいろ出て来ました。
・こんなことに興味を持つようになってきた。
・実はこういうことをしてみたい。
・これをしたいけれど、自分はきっとしんどくて続かないだろうから、やってみたいだけで終わってる。
話しているうちに出て来たことなので、その気持ちがどこまでの思いなのかは分からないけれど、叱るとか怒るとか、反省させるとか、そういうことだけで話すより、何だか息子が普段考えていることを知れた嬉しさがありました。
・私自身かも
きっとね。
いろいろ𠮟りつけたり心配したりは、私自身の問題じゃないかなと思います。
あれをしない、これもしない。
あれが出来てない、これが出来てない。
よく聞くことですが、子どもにはいいところはたくさんあるのに、一人の親となると、どうしても心配することがたくさん出てきてしまいます。
・この子は将来大丈夫なのか。
結局は私のその不安なんですよね。
■自分の子を信じるは、自分を信じること
・私と息子は違うこと
“幸せな子になって欲しい”
それは、私の辛い子ども時代の経験からの願いです。
私は幼少時代、“愛される” とか、“大事にされる” など、そういう感覚をはほとんど持ったことがありません。
今のように寄り添うということを教える時代ではなかったというのもあると思います。
でも子どもであった私にとって、その頃はやっぱり辛いことがたくさんで、厳しく言われ、怒鳴られて、いじめられということが、家でも学校でも多かったんですよね。
だから自分の子どもには、
大好き。愛してる。大切だから。あなたは宝物だから。
など、自分があの頃欲しかった言葉は、いっぱい言いたいと思っていました。
実際に、息子とどれだけ大きな喧嘩をした時であっても、
「さっきはすごくママは怒ってしまったけど、それと、あなたが大事で大好きで、我が家の宝物だってことだは変わらないからね。」
という言葉は何度も言って来ました。
もちろん今も同じように話します。
だからきっと、息子は何度怒られたとしてもすぐに元気にケロッとしているし、
「そんなに怒ったら、かーちゃんは俺に怒ったことを後悔するぞ。」とか、
「愛する息子にそんなん言って、傷つくのはかーちゃんちゃうか?」など、堂々と言ってくれるんだと思います。
そんな自尊心というか、自信は彼には私以上にあるのではないかと思っています。
そういう意味では私の願っていた、“幸せな息子になって欲しい” ということは、彼自身が自分でしっかり手に入れられるものかもしれません。
だけど私はすぐに心配し過ぎる親になります。
今目の前に起こること、今この子が出来ていないこと。
そんなことばかりを見てしまいます。
きっと、親となった自分を心配して、自分をあまり信用出来ていないんだと思います。
私とは明らかに違う生き方なのにね。
あの頃の私に出来なかったこと、あの頃の私に言えなかったようなことが言える息子になったことを、私はもっと自信を持った方がいいのかもしれません。
・元気でマイペースな我が子を見る
息子には確かに見だすと出来ないことが多すぎます。
それも事実です。
中学の頃からずっと治りません。
だけど、この子はいつも元気いっぱいで、いつでもポジティブで。
息子と話すと笑いが絶えません。
そんなところを私はすぐに見落とします。
そして心配ばかりするけれど、
子どもは楽しそう。子どもは元気にしている。
それがきっと何より一番で、子どもは幸せなんだと思います。
子育てに悩んでる方も私も同じですよねきっと。同じように悩んで、でも悩み出したら、心配し出したら、きっと我が子の良いところなんてなかなか目が向かない。
心配なことばかりに集中してしまいますね。
でもどの子もみんないいところは必ずたくさんあるものです。お話を聴かせて頂いていると本当にそう思う。
そこに意識を向けるためにも、時にはしっかり時間を取って、子どもの話に聴く耳を持つ。彼らの言葉を受け止めるという機会も必要なんだと思います。
自分の心配している気持ちじゃなくて、子どもがどんなことを日頃考えていて、興味を持っているのかという、彼らのことを知る機会を持つ時間です。
そして、今自分の子が生きている。元気に一生懸命生きている。
それを私自身もしっかり日頃から意識していたいと思います。
このお話が、我が子を大切にされる親御さんにとって、少しでも子どもとの心配が信頼に変えられるきっかけとなれば、小川はとても嬉しいです。
5月20日(金)は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。