彼女はキャリアを積んできたバリバリのキャリアエリートでした
こんばんは。
神戸メンタルサービスの平です。
少し前、外資系の会社でキャリアを積んできた30台半ばの女性のカウンセリングをしました。
彼女は、「男なんかに負けるもんか」をテーマに実力でキャリアを積んできたバリバリのキャリアエリートでした。
恋愛よりも仕事というタイプで、結婚して家庭に入るという選択は彼女にはまったくありませんでした。
ところが、あるとき、会社の打ち上げで2つ年下の自分の部下から「結構、先輩のことタイプなんですよね」と言われました。
彼の方は酔った上での軽いノリで言ったことだったのかもしれないのですが、彼女は急にその部下のことしか見えない状態になってしまいました。
彼女の表現を借りると、「たかが恋愛ごときで・・・」なのですが、仕事もできないくらい、メロメロになってしまったわけです。
そのため、いつも自分が仕事で使っているようなものの見方や考え方がまったくできなくなってしまいました。
彼女には、恋の相談ができる相手も一人もいなかったし、また、友達にそんな相談をすることを自分に許せなかったので、私どものところに来られたわけです。
彼女は、まわりの人からは、仕事も恋もスマートにこなすタイプに見られていたのですが、実際には、恋愛だけはまったくの初心者だったのです。
相手が自分の仕事の直属の部下であるということも、さらに彼女を苦しめる原因になっていました。
社内恋愛でこういうケースはよくあると思うのですが、彼女は「部下に恋をする自分が許せない」と思う反面、部下のことで頭がいっぱいで、この2つの考えの間で思考がぐるぐると回っているような状態でした。
職場恋愛というのは、どこの会社でも一般的によくあることだと思うのですが、彼女はそれをものすごいタブーのように感じていたので、それはどうしてなのかを探っていくことにしました。
彼女の父親は、エリートサラリーマンで、昔、海外に留学した経験もあり、娘の目から見てもとてもかっこいい男性だったそうです。
彼女は、お父さんのことを非常に尊敬するとともに、とてもダンディでかっこいいお父さんに憧れを持っていました。
そして、自分もお父さんのようになりたいと、社会に出て、キャリアを積んできました。
彼女は、女性でありながら、理想の男性であるお父さんのように生きてきたため、主に、自分の中にある男性性の部分は使ってきたわけです。
ところが、彼女の中にある今までほとんど使ってこなかった女性性の部分が、今回、年下の男性を好きになることにより、一気に爆発し、表面化したため、いつもの行動的で実行力ある彼女とはまったく反対に、何もできない彼女になってしまったようです。
彼女のお母さんは、父親とは対象的に、ものすごく女性らしい人で、家事や育児に専念していました。
彼女の目からみると、それはとてもつまらなく退屈なように見えたので、彼女の目は、いつも父親ばかり追ってきたようでした。
そこで、私は彼女に、お母さんと恋愛に関して話をしてもらうように提案したのですが、彼女は、それをするのはものすごく恥ずかしかったようで、なかなかOKしてもらえませんでした。
しかし、彼女もとても煮詰まっていたので、何とか勇気を出して、お母さんと恋の話をしてみることにしたのです。
(次回に続く)
では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!