問題解決の視点として「相手のせい」から「お互いの関係性」に目を向け直してみる
「この問題を解決するためには『自分と向き合う』必要があるんですよね?」
最近、ご相談くださる方からこんな言葉を伺うことが多くなったように感じています。
私も、自分と向き合うことってとても大切だと思うので、こうしたお話を伺うと「素晴らしい!」とお伝えするのですが、それがどういうことなのか、どうして意味があるのかについて考えてみると、なかなか難しい。
それは「自分に向き合う」って奥が深い話だからだと私は思っています。
そこで今回の連載記事では、池尾流に自分と向き合うことについて、4回に分けて考えていきたいと思います。
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◇「問題を解決するための新しい視点」を得る方法として「自分と向き合う」ことにチャレンジしてみる
先に述べましたように、自分と向き合うというのは、なかなか奥が深いものです。
そこで、自分と向き合うことのひとつとして、まずは、問題を解決するための新しい視点を得る方法として「自分と向き合う」ことにチャレンジしてみるというところから考えていきたいと思います。
私たちの問題のほとんどは人間関係と言われますが、仕事にせよ、恋愛にせよ、問題を感じた時には関係する相手がいることが多いですよね。
すると、例えば上司が苦手とか、パートナーが浮気をしたとか、そんな時には「問題を起こしたお前が悪いんだ!」と相手を責めたくなります。
相手が明らかに悪い時もありますから、そんな時は怒りを感じたり恨んだりするわけですが、相手にそれをぶつけても問題はなかなか解決しません。
問題が解決しない時には、今のやり方ではうまくいかないのかもしれない、つまり別の視点を持つ必要がある場合が多いのです。
このことについて、悩みに悩んで考え続けたり、ネットを検索して関連する記事・動画を探して読んで観たりして、別の視点にたどり着く方もたくさんいます。
その視点の一つが、相手のせいにするだけでなく、問題の原因を自分の中に探してみるということ。
「問題を起こしたあいつが悪いのはその通りなのだけど、もしかして私にも何かこの問題を起こさせた理由があるのかな?」
こんな風に視点を相手から自分に移した時に初めて見えてくるものがあります。
例え相手が悪くても、誰かのせいにしている間は真実が見えてきません。
なぜならお互いの関係性がその問題を作っていることがほとんどだからです。
特に相手が明らかに悪い時は、自分の中に何か原因や理由があるとは感じたくないものですが、まずは「どちらにも理由があるとしたら?」という視点を持つことから初めていきましょう。
これだけで、相手を責める気持ちが減ります。
私たちは相手を責めている時、実は自分を責めています。
だから、原因や理由がどちらにもあるという視点は、自分を責めている気持ちを減らすのです。
問題を見る時に、視点を相手から自分に移してみるということは、自分と向き合うための一つのやり方と思ってみてください。
次回は、この「問題の原因・理由はどちらにもある」ということについて、もう少し深めていきます。
(続)
- 問題解決の視点の一つが「自分と向き合う」ことと考えてみる
- 「問題の原因・理由はどちらにもある」からはじめてみる
- 「自分に向き合う」とは「自分の価値に気づく」こと
- 自分と向き合うための最初の具体的なアプローチ