「問題の原因・理由はどちらにもある」からはじめてみる

誰かを責めている時、自分に向き合うことが、自分を責めていることに気づくチャンスになる

誰かを責めている時、自分に向き合って見てみると、実は自分を責めていることに気づくことができます。もしそうなら、相手を責めるのを減らせば自分を責めることを減らせることになります。そのために「問題の原因・理由はどちらにもある」という視点を持つことから始めてみましょう。

前回の記事では

・「問題を解決するための新しい視点」を得る方法として「自分と向き合う」ことにチャレンジしてみる
・「相手に問題の原因がある」から「お互いの中に原因がある」と視点を移す

ということについて書かせていただきました。

今回の記事では、この話をもう少し進めていきたいと思います。

◇「問題の原因・理由はどちらにもある」からはじめてみる

特に相手が明らかに悪い時は、自分の中に何か原因や理由があるとは感じたくないものです。

そこで、ステップを踏んでいくと自分に向かった進みやすくなります。

その理由は「お前が悪い!と相手を責めている時、実は、自分のことを責めているから」です。

明らかに相手が悪い、原因はあいつにあるのに、自分の中がこんな心理になってるなんて意味がわかりませんよね。

相手が明らかに悪いケースのひとつの例として、パートナーが浮気した、ということを取り上げてみましょう。

浮気したのは相手が悪いのだけど、された人は心の奥底で「私が悪かったから浮気させてしまったのかな?」と自分を責めていることが本当に多いんですね。

カウンセリングの現場では、このお話をご相談者に伝えると、何か心に響くものがある方がほとんどです。

この「私が悪かった」にはいろんな意味が含まれています。

例えば

・過去の私の振る舞いが悪かった(例:子どもが生まれた時に冷たくした)
・自分に異性としての魅力がない
・そもそも自分の存在が良くないもの

こんな感じです。

明らかに夫が悪いのに、心のどこかでは「私のせい」にして自分を責めてしまっているのです。

もし本当にそうだとしたら、お互いに理由があってこの問題が起こったのだと、夫と自分のどちらにも理由があると意識を向けると「私のせいでこうなった」という部分も「夫と私の両方に理由があった」と自分を責める気持ちを減らせるのです。

「問題の原因・理由はどちらにもある」という視点は、自分の中にある気づけなかった自己攻撃に気づき、それを減らしていくことができます。

自分と向き合うことの一つはこの視点であると私が思う理由はここにあります。

まずは「どちらにも理由があるとしたら?」という視点を持つことから初めていきましょう。

そして「自分の中の理由」と「相手の中の理由」と、どちらか取り組みやすいところから理由を探っていきましょう。

これだけでもずいぶん楽になります。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 問題解決の視点の一つが「自分と向き合う」ことと考えてみる
  2. 「問題の原因・理由はどちらにもある」からはじめてみる
  3. 「自分に向き合う」とは「自分の価値に気づく」こと
  4. 自分と向き合うための最初の具体的なアプローチ
この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。