ポジティブとネガティブ

ポジティブタイプとネガティブタイプがしっかりとパートナーシップを組むことができたら

こんばんは。

神戸メンタルサービスの平です。

私たちは自分に持っていないものを持っている人に魅力を感じておつきあいをはじめます。

しかし、その魅力が将来は、ケンカの種になるのです。

自分と相手の違いは、初期段階では、ロマンスをつくっていくのですが、関係性が深まっていくにつれて、この違いが二人の食い違いのもとになります。

そして、どんどんケンカをするか、またはひたすらがまんをするかのどちらかということになりますが、多くのカップルは、ケンカはしたくないので、がまんをしてしまうということになるようです。

今回は、この「違い」に関してお話をすすめていきたいと思います。

「ポジティブ」と「ネガティブ」という考え方がありますが、男女関係では、このポジティブとネガティブの違いによるケンカや、問題が結構多いようです。

男女関係では、必ずどちらかがポジティブな役割でもう一方がネガティブな役割になります。

例えば、浪費家の二人がカップルになったとすると、どちらか一人は必ずが倹約的になっていくものです。

多くの人はネガティブと聞くと、とても否定的なイメージを持たれるかもしれませんが、ネガティブな側はいつもカップルの問題を見つける役で、ポジティブな側はこの問題を解決する役、もしくは2人の関係の方向を決め、船長さんのように舵をとっていく役といったほうがわかりやすいかもしれません。

ポジティブタイプは、いつも夢を語ったり、2人の関係をよいものにしようと思っています。

しかし、それがネガティブタイプの人にとっては、夢物語を語っているように聞こえてしまうこともよくあるようです。

ネガティブタイプの人は、ポジティブタイプの人が語る夢を実現するためにどれだけの労力やお金や時間が必要なのかを具体的に考えてしまうのです。

ネガティブタイプの人は自分や周りの人の感情にも敏感で、もちろん2人の間の問題や将来、間違ってしまう可能性をいち早く発見する能力にもたけています。

問題の側面ばかりを見すぎてしまうために何もできなくなってしまう、ということもありますが、確実で慎重なタイプと言うこともできるでしょう。

ポジティブタイプの人は、もしそれが実現したらどれだけすばらしいか、ということにエネルギーが向いてしまい、時間や労力、お金の問題に関しては「まぁなんとかなるだろう」ぐらいにしか考えないことが多いのです。

ポジティブタイプとネガティブタイプの具体的な例をご紹介しましょう。

P:「今度の日曜日、会社の部下たちが遊びに来るからお願いね」

N:「何人くらい来られるんですか?」

P:「えーっと、あいつとあいつとあいつも来るかなぁ?5人6人、えっと8人、10人くらいかな」

N:「10人ですね」

P:「えっと5人~10人の間」

N:「で、何時ごろおみえになるんですか?」

P:「お昼ぐらい」

N:「お昼ぐらいっていうのは、お昼前ですか、それともお昼の後なんですか?」

P:「いや、だからお昼ぐらい」

N:「ということは、私は昼食を用意したほうがいいんですか?それも5人分なんですか?10人分なんですか?材料が倍違うんですけど」

P:「えっと~、じゃあ、えー昼食はいいよ」

N:「昼食はいいといういことは、夕食は用意したほうがいいですよね」

P:「夕食はいります」

N:「じゃぁ夕食は何にしますか?」

P:「適当に頼むよ」

N:「適当と言われても困るんですけど・・・あなたがいつもお世話になってる人たちなの?」

P:「お世話してるし、世話されてるっていう感じかな?」

N:「ふぅ」

P:「じゃあ、10人分くらいで何か考えます。あなたに聞いた私が間違いでした」

N:「お酒は何を用意しておきましょうか?」

P:「じゃあ、ワインとビールと日本酒」

N:「お料理はイタリアンにしようかと思うんですけど、日本酒も用意したほうがいいんですね」

P:「もういちいちうるさいなぁ。全部、君に任せるから適当にやっておいてよ」

N:「本当に適当にしていいんですか?ちゃんとしたほうがいいんじゃないですか?(イヤミ)」

こんなふうに、ポジティブタイプはお祭りが大好きで、人気者で、具体的な計画もなく、思いつきで行動をしたりします。

ポジティブタイプには、ネガティブタイプの補助者や援助者がついていなければ、この計画はまったく実現できないのです。

しかし、ポジティブタイプは具体的な計画性がないことを棚に上げて、ネガティブタイプの人に対して、「いつも細かいことばっかり言いやがって」と感じるものなのです。

一方、ネガティブタイプの人は、ポジティブタイプに対して、「あなたはいつも思いつきでものごとを決めてばかりだけど、実際に苦労するのは私なのよ」と感じています。

ポジティブタイプはいつも表舞台に立ちますし、ネガティブタイプは、縁の下の力持ち役になることが圧倒的に多いのです。

ネガティブタイプは、お客様が来る前からそうじや買い物、お料理作りなどすることがいっぱいありますし、お客様が帰った後も皿洗いや後片付けなどとてもたいへんです。

一方、ポジティブタイプは、色んな話題に富み、お客様を喜ばせていつもパーティーの主役になってみんなを盛り上げていく係です。

このポジティブタイプとネガティブタイプがしっかりとパートナーシップを組むことができたら、このパーティに招待されたお客様はとても楽しく1日を過ごせるし、こんな家庭を作りたいと感じる理想のカップルになるでしょう。

しかし、パーティが終わりみんなが帰った後、一般的によくあるのは、ポジティブタイプが「あぁ疲れた」とソファに横になり、テレビを見ながらビールを飲んでくつろいでいる一方で、ネガティブタイプをひきうけた奥様が、「あぁ、疲れた」と言う暇もなく、山のようになった汚れたお皿を洗っているという光景です。

こんなとき、ネガティブタイプは、「いつもあなたばかりがいい役で私ばかりが損している。もう、やってらんないわよ!」という気分になってしまうのです。

ポジティブタイプの人は、愛想がよくて社交的。あまり疑うことを知らない無邪気なところがあり、ときどきまったく何も考えずに自分の力をはるかに超えた約束をしてしまうことすらあります。ただ、このために、状況を劇的に変化させたり、考えてもいなかった成功を手にすることもできるのです。

一方、ネガティブタイプは、比較的はっきりとものを言いますし、できないことは絶対約束しません。また、安全で無理のないライフスタイルを望みます。

ですから、ポジティブな人のことが非常に無計画に見えるのですが、その部分を魅力的に感じてもいるのです。

ポジティブな人の実態のない計画を実現するには、ネガティブな人の協力が必要なのです。この2人が本当にひとつに合わさったときに2人はすばらしく成功するチームになれるのです。

ポジティブな面とネガティブな面の両方が重要な働きをしていることに気づけば、2人が最強のチームとして前に進んでいけるのです。

しかし、コミュニケーションのなさと無理解から、往々にしてこの関係が滞ってしまうことが多いのです。

 

では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。