自分の子どものコトなのに、何を考えているのかよく分かりません
子育てのご相談では、こんなお話をよくお聞きします。
・返事をしないから分からない。
・自分のことを話さないから分からない。
・部屋に閉じこもったまま何をしているか分からない。
私たち母親にとっては、可愛くて可愛くて仕方ない幼少時代をずっと一緒にいた我が子ですから、その子が少しずつ手を離れて行く成長過程においては、どう関わったらいいのか分からなくなってしまいますね。
近づいていいのか、今は放置時なのか、ここは関わるべきなのか、自分で考えさせることなのか・・・。
幼少期においても、成長期においても、子どもへの愛情は変わりませんが、親の悩みは尽きません。
今日はそんなお話です。
■我が子を把握しておきたい気持ち
・我が子に対する母親と父親の距離感の違い
父親である旦那様よりも、どちらかというと私たち母親の方が、子どもとの距離感が難しくなるようです。
先ほども書きましたが、多くのお母さんが幼少期は子どもとの距離はかなり近いですから、我が子のことは何でも分かっただろうし、この頃は特に親がしんどくなるほど子どもはお母さんに依存するものです。
でも子どもって成長する時は、ある日いきなりパンと親から離れてしまうこともあって、ある程度こころの準備をしていても戸惑ってしまうことが多いように思います。
一方父親は、普段の関りは仕事上どうしても母親に頼らざるを得なくなるので、子どもとの関りは母親よりも薄くなってしまいます。今の自分の出来る範囲でしか、子どものそばにはいられません。母親と子どもとの距離感とは少し違ってきますから、成長していく過程で、そんなに離れて行く感覚はないように思います。
その分、いつでも子どもに対しては、ある程度冷静に見られる部分が多いものなんですよね。
・変化する子どもたち
私たち母親にとって、昔からずっと一緒で可愛くて、何でも分かっていた我が子のことは、子どもの成長と共に、次第に分からなくなっていきます。
子どもが成長していくと、母親だけだった世界は当然広がっていき、外の世界を知って、自分以外の人たちを知って、いろんなことを覚えていって、自分でやることやりたいことがどんどん増えていきますね。
そうなると、自分のことをいちいち親には言わなくなってくるようです。むしろ自分の今興味のある世界が楽しいので、そこに幼少期の頃と同じような距離感で親が関わってくると、今の自分の楽しさに介入して欲しくなかったり、ほっといて欲しかったり。
でもそんな母親を邪険にしてしまった自分との葛藤もあるのではないでしょうか。
そこは子どもにとっては二つの大事なもの。
親も大事。でも自分の友達や趣味なども大事。
ただ、親には今までの信頼と甘えがありますから、多少の罪悪感があったとしても、子どもは他の大事なものを優先していけるんですよね。
・何でも知っておきたくなる心情
ずっと子どものことを何でも分かっていた幼少期時代。子どもも分からないことや知りたいこと、知ったことを何でも親に話したがっていた時代。
そんな我が子が外に出ていろんな世界を知っていく。それは成長過程では当然のことだし、楽しそうに成長していく姿は親にとって喜ばしいことです。
だけど、一方で、
あんなに助けてあげないと出来なかった子だから・・・。
と、ついつい心配になって、どこかで彼らのしていることに安心出来なくなることもありますね。
そんな気はないのに、つい過干渉になっていたり、
不安が大きすぎて先回りしてしまったり、
心配しすぎて、どうなの?ああなの?これはしたの?あれはやったの?
って。
子どもの今が全部知りたくなってしまう。何を考え何をして何を思っているのか気になってしまう。
そしてラインを送ってもあんまり返事がない。
電話をしても、出ない。かけて来ない。かけて来ても不愛想。
だから余計分からない。
だから余計口出ししてしまう。
不安だから。安心させてほしいから。
そうなんですよね。
愛するが故の、親の不安からなんですよね。
という私も、自分が何度も思いますので、書いてて非常にリアルです。
■子どもと自分の不安感
・女性ゆえにある感情
ラインを送っても返事がない。
電話をしても、出ない。かけて来ない。かけて来ても不愛想。
あまりあれこれ自分の学校のことや友達のこと、心情を語らない。
おや?
何か…誰かに似てませんか??
これって自分が付き合ってた彼や旦那様に感じたことがありませんでしょうか。
子どもが女の子の場合、そこまでの不安はないかもしれません。女の子は同性であるお母さんには男の子よりは自ら関わることもあると思います。
ただし、男の子の場合だと、
「旦那と一緒やわ・・・。」
って感じることがあるかもしれませんね。
私たち女性は、感情の動物と言われていて、子どもの頃から喜怒哀楽とは密接なお付き合いですが、男性は男の子だから泣くなとか、我慢しろなどの言葉を女の子以上に言われ、社会でも結果だけを求められることが多いですから、どうして感情的なことには鈍感です。だけど女性は感情にはすごく敏感で、日頃からこの不安感情にはつながりやすいんですよね。
で。自分のこころの中が不安だと、特に家族などの距離感の近い間柄に対して、同じように不安材料を見つけてしまうことがあるんです。
大丈夫やろ、この子なら。
って信じることが出来なくなるんですよね。
・自分を不安にさせないこと
日頃、自分をどれだけ信じてあげて、自分を安心させてあげているか。
そこが子育てにはとても大事です。
子どもに安心感を与えたいなら、私が安心出来ているか。
子どもに自由に生きて欲しいなら、私が今自由に楽しめているか。
なんですよね。
もちろん主婦ですので、自由といってもやることは山ほどあるかもしれませんが、あまりの窮屈さを感じると、こころに負荷は増えちゃいます。
そういう意味では、たまには家のことはほったらかして、遊びにいっちゃってもいいのではないでしょうか。
2,3日掃除機かけなくとも、極端に几帳面な旦那様でなければ気づきません。
■自分の子どもを分かりたい
・分かりたいと思うほど苦しいものかも
分からない…というのは人は恐れます。
分からないことって、怖いんですよね。
でも一方で興味深いことでもあって、だから何とか分かろう分かろうと探り出すの。
UFOや、宇宙人の話題に人が集まるのも、正体が分からないから探りたくなるんですよね。
子どものことも同じです。
分からないから安心したくて探りたくなる。知りたくなる。
教えて欲しくなる。我が子のことだもの。興味もあります。
だけど、子どもはUFOなどの、対象が人ではありません。
相手は気持ちがあって感情がある人だから、やっぱりいろいろ探られるのはね。
特に思春期には親に知られたくないところにも、いろいろ興味を持ってしまう時期ですから、こちらが関わるほどに、親とは距離を取りたくなるものですよね。隠そうとするし。
だから、分からなくってもいいんじゃないかな。
分からなくってもこっちは愛しているのだから。
子どもだって親に愛はありますしね。
でも尊重して欲しいとは思っているでしょうね。
だから、助けて欲しい時や関わりたい時は自ら関わって来ると思います。でもそれ以外ではね。
朝の挨拶。出かける時や帰って来た時の声掛け。
美味しいごはん。居心地のいい部屋。彼らの居場所。
そこさえ提供してあげれば、子どものことなんて分からなくてもいいかもしれません。
私もいろいろ不安で口出ししてしまう親だけど、そのたびにこころの中で、子どもをもっと尊重してあげなきゃなーと思う日々でございます。
このお話が、子育て中の皆さんにとって、少しでも楽になる文章であれば小川は嬉しく思います。
7月1日(金)は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。