自分を表現するとは?

あなたは何が好きか、どんなことをしているのが楽しいですか?

こんばんは。

神戸メンタルサービスの平です。

私は、1990年代に心理学の勉強のため、よくスイスに行っていました。

スイスという国は、ドイツ、フランス、イタリアという国々に囲まれており、永世中立国として、ヨーロッパ一豊かで治安もよかったので、多くの国の人が勉強に来られていました。

ドイツ系の人はゲルマン民族と呼ばれるように体格がよく、男性は平均身長が185cmくらいあるのではないかと感じるくらい大きい人ばかりでしたが、一方、フランスやイタリアの人たちは、体系的に、日本人とさほど差がないように感じました。

そんな中、あるフランス人の男性は、小柄で身長が165cmほどだったのですが、とても目だっていました。

なぜなら、彼の着ていた服は、フランス国旗を思わせるトリコロールの派手なものだったからです。

彼に興味を持ったので話しかけてみると、彼はとてもか細い声で、英語でポツリポツリといろんな話をしてくれました。

彼はもともととても内気で、あまり自分を表現しないタイプの男の子だったそうです。

そのため、彼は自分がまわりから隠れてしまい、存在感がないことを自覚していたそうです。

ところが、彼のお兄さんが持っていたファッション誌に心を動かされ、おしゃれに目覚め始めることで、彼は自分の存在をアピールできるようになったのだそうです。

そして、彼はデザイナーになっていくのですが、彼は洋服しか自分を上手に表現する手段がなかったそうです。

それまでにも、いろんな人が「もっと自分を上手に表現したほうがいいよ」とアドバイスをしてくれたらしいのですが、自分をどう表現していいのか分からずにいたところ、大好きなファッションに出会って、自分を表現する術を見つけたそうです。

そして、今では表現しすぎるくらい自己主張を楽しんでいるとのことでした。

私は、カウンセラーとして、多くの人から「自分をどう表現したらいいのでしょう?」というご質問をいただきますが、「あなたが何が好きか、どんなことをしているのが楽しい人なのか、ということがあなたの個性なのです」とお伝えしています。

そして、好きなことや好きなものを表現することが、あなたを表現するということなのです。

あなたが着ている服は、あなたが数ある服の中で一番気に入った服なのでしょう。

そして、あなたが手をつないでいるパートナーは、世界中の人の中からあなたが選んだあなたが世界で一番大好きな人なのでしょう。

ところが、私たちは、いつも自分がいったい何が好きかを迷ってしまうのです。

その一番大きな理由は、「これを好きになってよいのだろうか?」ということに尽きます。

好き嫌いは、理屈ではなく、あなたの心で感じるものなのですが、それが正しいかどうかはどうも頭で認識するようなのです。

つまり、この人やこのことを好きになっているのは、正しいことなのか?と自分で思っているようなのです。

あなたが何が好きかということを他の人はまったくわからないわけですから、それを人にゆだねても意味がないことなのです。

自分を表現するときに一番大事なことは、あなたが好きなものをはっきり好きということです。

私たちは、なぜかそのことを恥ずかしく、申し訳ないことのように感じてしまっているようです。

好きをはっきり言う勇気を私たちが持つことができれば、あなたは人生でもっと上手に自己表現ができることでしょう。

では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。