あなたのさみしさの原因はどのタイプ? タイプ別の課題
自分のことを理解されない、必要とされない、大切にされない、愛されていると思えない、ひとりぼっちの孤独感など、はっきりと自覚しているかどうかは別として、どんな人の心にも「さみしさ」という感情はあるようです。
さみしさは人との関係で感じることの多い感情なので、「相手が〇〇してくれたら?」と思うことがあるかもしれません。ここでは、相手のあり方についてではなく、自分自身の中にあるかもしれない「さみしさ」を作る原因となる心理パターンを4つ紹介していきます。
●嫌われるのが怖くて本音を出せない
一つ目は、表面的には人と仲良くなれるけれど、本音の付き合いができなくてさみしく思うパターンです。これは自己嫌悪や自己否定が強い人に多い傾向です。
心理的には、自分が自分を嫌いと思っていると、「私が私を嫌うように、きっと人も私を嫌うだろう」と感じます。そこで、「本当の自分を知られたら嫌われるに違いない」と思い、人と深くかかわることが怖くなり、本音が言えなくなってしまうわけです。
これは「本音で人とかかわりたい」と望んでいるのと同時に、「近づかないでほしい」と逆のことも望んでいる状態ともいえるでしょう。仮に、本音を隠した自分が人から評価され愛されても、「それは本当の私じゃないから」とさみしさが残ることもあるようです。
このパターンのある方が取り組むといい課題は、自己肯定と自己開示です。自己嫌悪していると「自分を隠そう」としがちですが、勇気を持って「私にはこんな所もあります」と信頼する人に開示してみましょう。自分が思っているのとは違う反応が返ってくるかもしれません。
●がまんして一人でがんばる
二つ目は、人に甘えるのが苦手で、さみしくても「大丈夫」と言い、一人で抱え込むことが多いパターンです。これは早くから自立してきた人に多い傾向です。
環境的に自分の気持ちを受けとめてもらう経験が難しかったなどの事情から、「自分の気持ちをどう扱っていいのかわからない」「人にどう自分の気持ちを伝えたらいいのかわからない」といったことが起きやすいようです。
人のお世話をするのは得意で、人からよく頼られるけれど、自分がお世話されたり頼ったりする側になることは少ないかもしれません。与える側の大変さを知っているために、「人に迷惑をかけられない」などと遠慮する分、相手との間に心の距離を作ってしまうことがあるようです。
このパターンのある方が取り組むといい課題は、お願いとお断りのコミュニケーションです。一人でがんばるのに慣れていると、つい一人で考えて答えを出しがちになります。遠慮の壁を超えたら、お互いを思い合える関係に近づけるのかもしれません。
●心が満たされることがない
三つ目は、「一緒にいる時は楽しいけれど、離れるとすぐに不安になる」「思うように愛されていない」など、「心が満たされない」と感じることが多いパターンです。
私達は「与えられるものよりも自分が望んでいるものの方が大きい」とか「得るものが足りない」と思う時に、心が満たされないと感じます。この状態では、相手からどう扱われるかで自分の気持ちが左右され、相手に振り回される他人軸になりがちです。心理的には「自分ではどうにもできない」という誤解があるようです。
このパターンのある方が取り組むといい課題は、感謝と自分から愛を与えることです。相手がしてくれたことに気づいて感謝しようとすると、相手からの好意や愛情を感じられるでしょう。自分から相手に何かしてあげたいと思うと、自分の中にある愛情を感じられるでしょう。自分の感じ方を整えると、自分軸で心を満たせるようになるでしょう。
●罪悪感から人と距離をとる
四つ目は、罪悪感があって自分から人と距離を取るパターンです。罪悪感とは、「私が悪い」「私のせい」「申し訳ない」などと感じる感情です。
罪悪感があると、自分を毒のように誤解します。自分が近づいたら「相手を傷つける」「相手に迷惑をかける」と思い、大切な人であるほど近づけなくなってしまいます。また、罪悪感が強いと、自暴自棄になって周囲から責められるような行動をして、無意識的に自分から人を遠ざけることもあります。
このパターンのある方が取り組むといい課題は、自分を責めるのをやめることです。具体的な方法としては、誰かから自分が「愛されていた」「愛されている」と感じるのを自分に許していきましょう。そして、「誰かに優しくする」ことを、自分にさせてあげてください。「こんな私が」と止めていた心の扉を開くと、すべての罪悪感は愛に変換していくことができるでしょう。
●さみしさの感じ方を変える
さみしさを作る心理パターンを4つと、それぞれの課題を紹介しました。よかったら、最もお心当たりのあるパターンへの課題から取り組んでみてくださいませ。自分が変わると、さみしさの感じ方も変えていけるかもしれません。
(完)