自分の問題で悩み始める自立側 〜自分が許せず別れを選択する人たち〜

自立側は「自分の問題」で悩むことになる

恋愛のおいての自立側は「今の関係をリードしていく側、与えていく側、問題を起こす側」となります。つまり、自立側というのは愛情を注ごうとする側でもありながら、自分自身で問題を作り、関係の危機を生じさせる側なのです。よって、自立側は「自分の問題」で悩みますし、自分の愛し方を自ら否定するという難しい立場に置かれることも少なくないのです。

○自立側は「自分の問題」で悩む

さて、今回は恋愛における自立側の心理について解説していきたいと思います。

前回の講座にもありましたが、自立側は「今の関係をリードしていく側、与えていく側、問題を起こす側」となります。

つまり、自立側というのは愛情を注ごうとする側、関係をリードしていく側となるわけです。

また、自分自身が問題を起こしそれを依存側に発見されたり、自らの言動によって関係の危機を生じさせる側とも言えます。

よって、自立側は依存側と比べると比較的「孤立感」を深めやすい傾向があり、恋愛で問題が起きたとき「自分の問題を一人で抱えて悩むこと」が少なくないのです。

時には、自分の愛し方を自ら否定するしかない、という難しい立場に置かれることもあります。

また、いわゆる恋愛や夫婦関係における問題は、それまで積み重ねた愛情や好意の蓄積を一気に無にするような感覚を伴うことが少なくありません。

例えば、今まで仲睦まじく過ごしてきたのに、急に浮気が発覚したことで、自立側も依存側も今までの出来事がまるで嘘のように感じられる、といったことが起きるのですね。

このとき、いわゆる問題を発生させた側が、そもそもパートナーシップをリードしてきた側であるケースが多くなります。

例えば「今までいい彼、夫、彼女、妻として頑張ってきた自分が浮気をした」「夫婦関係を維持するために支えてきたけれど、もう無理だと離婚を切り出した」などがその一例です。

もちろん依存側が問題を発生させる場合もあります。

この場合、自立側にとっては「まるで飼い犬に手を噛まれた」とも言える状態になるわけですね。

例えば、こちらから愛情を注いだにもかかわらず、サクッと浮気された、別れを切り出された、といったケースがそれにあたるでしょうか。

ただ、この場合も自立側は「自分の愛し方に問題があったのだろうか」と悩みやすい傾向があるわけです。そういう意味ではやはり自分の問題で悩みやすくなる、と言えるでしょう。

○自分の問題に直面するからこそ別れを選択したいと思う人たち

さて、多く問題を発生させた側は、自分の起こした問題と直面することになります。

例えば、浮気したのであればその事実に、別れを切り出したのであればその事実に直面するわけです。

このとき、自分の決断や行動に責任を取る意識があるならば、まだ葛藤や自責の念は少なくなるのでしょう。

が、多くの場合、自分を責めてしまったり、その問題から目をそらしたくなることも少なくないんですね。

なぜならば、ここには加害者意識が存在し、それゆえの罪悪感を感じることになるからです。

かつ、今までは、自分からリーダーシップを取り、愛情を注いでてきたという事実がある場合も多く、これを自ら壊してしまった事実が重くのしかかることも少なくないのです。

要は、自分で自分を追い込んで苦しめてしまった、という後悔の念が消えないわけです。

だからでしょうか、問題を引き起こした側は、自分の問題に直面するからこそ別れを選択したいと思うようにもなりやすいのです。

○自立側の問題解決は自分や現実と向き合うことから始まる。が、しかし・・・

さて、この自立側、問題を起こしたがわの問題解決についてですが、これは自分や現実と向き合うことからそのプロセスが始まると言えるでしょう。

これは仕事の問題などをイメージしていただくと想像していただきやすいのではないでしょうか。

たとえば、仕事の中で自分が起こしたミスがあれば「誰が悪い、何が悪い」といっていても問題は解決しませんよね。

その事実と向き合い、周囲と連携しながら、今できることを尽くしていくことになりますよね。結果、その状況が良くなればそこで問題解決となります。

この考え方は確かにパートナーシップでも同じなのです。

たとえば、恋愛の中で自分が起こした問題があるならば、その事実と向き合い、パートナー(ときにはカウンセラー)と連携しながら、今できることを尽くしていくことになります。

結果、その状況が良くなればそこで問題解決となります。

ただ、パートナーシップの問題は仕事のように一筋縄では行かないことがあるのです。

それがパートナーの存在と、二人の自立と依存の立ち位置の影響によるものです。

要は、自立側が問題を起こしたときに

・自立側が加害者意識を受け止められず、依存側に回ってしまう場合(こちらばかり悪いわけじゃないだろう!と相手を責める)

・パートナーがずっと依存側にいる状態が続く場合(どうしてあなたは裏切ったのよ、愛してくれないのよ、と責め続ける)

こうなるとなかなか問題は解決せず(ときには問題が泥沼化するば愛もありますし)、いわば余計モメたり、傷つけ合うような状態になりかねないのですね。

そこで、4回連載講座の最終回は、パートナーシップの問題解決に役立つ「依存と自立の逆転とその必要性」についてお伝えしようと思います。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 彼ともう一度やり直したい。でも連絡してはダメ? 〜自立と依存の視点から〜〜
  2. 「惚れたら負け」は本当? 〜関係を対等にするために必要なこととは?〜
  3. 自分の問題で悩み始める自立側の心理 〜自分が許せず悩む人たち〜
  4. 依存と自立のバランスをとることがよりよい関係につながる
この記事を書いたカウンセラー

About Author

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。