生きていくため、食べていくためには、仕事をしてお金を稼ぐ必要があります。
それだけ仕事というものは、生活に深く関わり、人生で多くの時間を費やすものですから、「仕事は苦しいもの」や「仕事はつまらないもの」という考え方では、苦しいものや、つまらないものに多くの時間を費やすことになってしまいます。
同じ仕事をしていても、その仕事を楽しんでいる人もいらっしゃるでしょう。
楽しんで仕事をするためには、どうしたら良いのか考えてみましょう。
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『3人のレンガ職人』の話があります。
旅人が、難しい顔をしてレンガを積んでいる男性に、何をしているのか尋ねました。
男性は「見ればわかるだろ。親方の命令でレンガを積んでいるのさ。暑い日も寒い日もただレンガを積む辛い仕事さ」と答えました。
慰めの言葉を残して旅人は歩き続けました。
しばらく行くと、一生懸命レンガを積んでいる男性がいました。
旅人は、その男性に何をしているのか尋ねました。
男性は「家族を養うためのお金を稼いでいるのさ。しんどいけど、仕事があるだけマシさ」と答えました。
励ましの言葉を残し旅人は歩き続けました。
しばらく進むと、イキイキと楽しそうにレンガを積んでいる男性がいました。
旅人は、その男性に何をしているのか尋ねました。
男性は「美しく偉大な大聖堂を作っているのさ。ここで多くの人が祈りを捧げるんだ。素晴らしいだろ。この仕事ができて光栄だよ」と嬉しそうに答えました。
旅人は、お礼を言って元気よく歩き出しましたとさ。
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同じレンガを積むという仕事でも、レンガを積む大変さに意識を向けるのか、稼ぐお金に意識を向けるのか、最終的な利用者、いわゆるエンドユーザーに意識を向けるのかで、仕事に対する感情やモチベーションが大きく変わります。
人には、誰かの役に立ちたい、社会の役に立ちたい気持ちがありますから、エンドユーザーの喜びや笑顔に意識を向けることで「誰かや何かの役に立てた」と、自尊心が高まったり、満足感や、喜び、やり甲斐という心理的報酬を得ることができるのです。
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でも、それって好きなことを仕事にしてるからでしょ?
と、思われるかも知れませんが、好きなことを仕事にしても心理的報酬が得られないと「思っていたのと違う」と感じ、だんだん飽きてしまったり、嫌いになってしまいます。
好きなことや楽しいことを仕事にすることは素晴らしいのですが、なかなか思い通りの仕事に就けている人は少ないのではないでしょうか。
しかしながら、初めは稼ぐために始めた仕事でも、だんだんその仕事が好きになったり、楽しいと感じる人もいらっしゃいます。
では、どうすれば仕事が楽しい、仕事が好きと感じることができるのでしょうか。
それは、仕事に没頭することです。
好きだから没頭するのではなく、没頭するから好きになるのです。
好きや楽しいという気持ちは、取り組むきっかけになりますが、好きでなくても楽しくなくても没頭することで、そのことが好きになれたり楽しいと感じることはできるのです。
仕事に没頭した時間が多いほど、仕事が楽しいと感じたり、仕事が好きと感じることも多くなるのです。
だからと言って、誰かに依頼された仕事に没頭するのは難しいですよね。
やらされ感を感じて嫌になってしまいます。
そこで、自分で期限や目標を決めて取り組むことを提案します。
「3日で終わらせるよう言われたけど、2日で終わらせよう」
「30分だけ集中してみよう」
「決めた時間でより多くできるよう頑張ろう」
など、自分で決めること。
自主性が重要です。
ある男性が、紙袋を折る仕事を命じられました。1日のノルマは50枚折ることでした。
「たったの50枚?」と初めは思いましたが、初日はノルマの50枚を折ることもギリギリでした。
そこで男性は、どうすれば効率良くより綺麗に早く折ることができるかを考え、紙袋を折る仕事に没頭したのです。
すると3日目には、79枚もの紙袋を折ることができました。
そして、上達や達成感を感じて、純粋に嬉しいし楽しいと思えたそうです。
自分で期限や目標を決めて没頭することで、やらされ感も感じにくく、効率化できたり、仕事の上達や達成感も感じて、楽しいと思えるようになります。
没頭した時間を増やすことで、たとえレンガを積み上げる仕事や紙袋を折るといった単調な仕事でも、楽しいと感じたり「案外この仕事好きかも」と思えるようになり、より情熱を持って仕事に取り組めるようになります。
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やり甲斐や情熱を持って、仕事を楽しむために
1.たまにはエンドユーザーの喜びに意識を向ける
2.期限や目標を自分で決めて没頭する時間を増やす
この二つを取り組んでみてはいかがでしょうか。
仕事自体がつまらない。楽しくない。向いていないと感じている人が、仕事に情熱を持って、イキイキと働けるヒントになれれば幸いです。